エンジンも電池もモーターも変更。デビュー以来最大の改良を受けたアウトランダーPHEVが2019年モデルで大幅に進化!
MotorFan / 2018年7月20日 19時25分
SUVタイプとしては世界初となるプラグインハイブリッド車のアウトランダーPHEV。自らを「自分で発電する電気自動車」と名乗る唯一無二の個性をもったモデルが、2019年モデルで大幅な進化を遂げる。「よりEVらしさを強めたSUV」の進化を体感した。 TEXT&PHOTO●甲斐貴之(KAI Takayuki) PHOTO●三菱自動車工業
エンジンの排気量をアップし、モーター&駆動用電池の出力も向上
2013年のデビューから、全世界で16万台に迫る販売台数を記録しているアウトランダーPHEVは、世界でもっとも売れているプラグインハイブリッド車だという。EVモード/シリーズハイブリッドモード/パラレルハイブリッドモードを、状況に応じて使い分け可能な三菱自動車独自のPHEVシステムが高い支持を得ている理由で、2014年に特別仕様の“Sports Style Edition”を販売、2015年にフェイスリフトを実施。そして2017年には“S Edition”を追加するなど、発売以来順調にユーザーニーズに応えてきた。そしてこの夏に登場予定の2019年モデルは、これまで以上に大きなアップグレードを受ける。
2019年モデルに施されたのは「滑らかで力強い加速や高い静粛性、EV航続距離をさらに向上させ、よりEVらしさを強めたSUV」への進化。つまりアウトランダーPHEVのユニークな特徴であるEVよりのハイブリッド性能を高めるもので、そのために選択された策はPHEVシステムの刷新と、S-AWCの熟成に代表されるパワートレーンのアップグレードだ。PHEVシステムは、エンジン排気量を2.0リッターから2.4リッターに拡大し、駆動用バッテリーは容量と出力をアップ、さらにジェネレーターとリヤモーターの制御変更にまで及ぶ。主要構成部品の約9割を改良するという大規模な刷新で、発電効率の向上/エンジン音の低減/加速性能の向上/EV航続距離の延長を実現する。
車両運動統合制御システム「S-AWC」に「SPORT」モード追加
前後に搭載する電気モーターを用いた「ツインモーターAWD」をベースに、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)とABS、AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)を統合制御する「S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)」は、車両の走行安定性を高めると共に、運転手へ“意のままにコントロールする”ドライバビリティを提供する。三菱自動車が育んできた4輪制御技術の集大成ともいえるS-AWCには、今回のアップグレードで新たに「SPORT」と「SNOW」のドライビングモードが追加され、これまで以上に幅広い運転状況に対応可能になった。
今回の試乗は千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで行なわれたが、サーキットコースを走行すると「S-AWC」の恩恵は明らかだ。コーナーでの挙動は全長4695✕全幅1800✕全高1710mm、S-Editionでは1920kgの車体重量を計上するSUVらしい大柄なボディとは思えないもので、経験則としてある「この速度とこの車重のクルマなら、この曲率のコーナーではあんな挙動でラインはあの辺」という予測があてはまらず不思議な感触。予測では少し苦しくなるような速度とラインでコーナーに入っても、前後のモーターが駆動配分とレスポンスを前後独立制御して最適化するため、穏やかにクリアしていく。EV走行によってエンジン音が聞こえてこないのも、経験則による予測と実際の挙動のズレを大きくしているのだろう。この感覚は「NORMAL」でも顕著だが「SPORT」はなお鮮明で、こちらの動作を先読みして進んでいくようなフィーリングだ。また、「SPORT」は発電のためにエンジンをスタンバイさせている。「NORMAL」ではコーナーの出口でアクセルをワイドオープンしたとき、エンジンがかかるまで2拍ほど数えたのに対し、「SPORT」はその半分以下でエンジンが始動した。旋回性能向上とアクセルレスポンスのアップは、2019年モデルのアウトランダーPHEVに大きな武器を与えたと断言できる出来栄えだ。
誕生から5年を経過したアウトランダーPHEVは、パワートレーンを中心に大幅な進化を遂げたが、他にも前後サスペンションにおいてショックアブソーバーのサイズアップや新型バルブの採用、ステアリングギア比のクイック化や電動制御の適正化、ボディでは構造用接着剤の塗布部位を拡大して剛性感を向上させるなど、いたる所に手が加えられている。デザイン面でもエクステリアはさらに洗練されているし、インテリアは質感を向上した加飾の採用など高級感を増した。激戦区であるSUVクラスの勢力図は、この夏大きく変わるかもしれない。
ミツビシ アウトランダーPHEV
全長×全幅×全高:4695×1800×1710mm ホイールベース:2670mm 車両重量:1890kg〜 エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブ 総排気量:2359cc ボア×ストローク:88.0×97.0mm 最高出力:94kW(128ps)/4500rpm 最大トルク:199Nm/4500rpm モーター最高出力:Ⓕ60kW(82ps)Ⓡ70kW(95ps) モーター最大トルク:Ⓕ137NmⓇ195Nm サスペンション形式:ⒻマクファーソンストラットⓇマルチリンク ブレーキ:ⒻベンチレーテッドディスクⓇディスク タイヤサイズ:ⒻⓇ225/55R18 98H
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ アルファード/ヴェルファイアPHEV(40系)新車情報・購入ガイド ミニバンと相性抜群のプラグインハイブリッドシステムを搭載!
CORISM / 2024年12月29日 20時6分
-
スポーティ&インテリア充実!マイナーチェンジの三菱「アウトランダーPHEV」はプレミアム感のある仕上がりで好感度大!
&GP / 2024年12月29日 9時0分
-
三菱 新型「アウトランダー」登場! 3年ぶりに大刷新! でも見た目は「あまり変わってない」? 実は「なにもかもが新しい」驚異のマイチェンモデルを“確かめて”みた
くるまのニュース / 2024年12月26日 20時30分
-
ホンダが「凄い技術」公開! 経営統合や新プレリュードが話題だけど… 次期「フィット&ヴェゼル」に期待!? パワトレ×シャシ刷新で何が変わる? 話題のホンダが見せる今後とは
くるまのニュース / 2024年12月26日 16時40分
-
ホンダが「凄い技術」を発表! 25年発売の新型「プレリュード」は次世代への架け橋!? 26年末以降の「ホンダの凄い技術」はどうなる?
くるまのニュース / 2024年12月18日 5時0分
ランキング
-
1ザ・ノンフィクション「57歳クズ芸人の婚活」をサポートした私…心から失望した“決定的な出来事”
日刊SPA! / 2025年1月9日 8時54分
-
2カルディで販売「ドライアプリコット」に使用不認可の添加物…… 企業が謝罪「心よりお詫び」 1万袋自主回収
ねとらぼ / 2025年1月8日 7時30分
-
3〈生存率15%から生還〉山﨑努が「食道がんステージ4」体験を初めて明かした《87歳で抗がん剤治療に踏み切れた理由》
文春オンライン / 2025年1月9日 8時30分
-
4ゆうちょ銀行で2025年から新設される「回収事務手数料」って何?
オールアバウト / 2025年1月7日 19時30分
-
52025年てんびん座の運勢・天秤座の占い
HALMEK up / 2025年1月5日 15時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください