価格差約43万円! シボレー・カマロはV8「SS」、直4「コンバーチブル」どちらが買いか!?
MotorFan / 2018年7月26日 15時40分
アメリカン・スペシャリティカーを代表する6代目・新型カマロ。搭載されるエンジンはコルベットにも積む6.2ℓ V8とカマロ史上初の設定となる2.0ℓ 直4が用意される。頂点に位置づけられれるV8の「SS」と2.0ℓ直4搭載の「コンバーチブル」の価格差は約43万円。あなたなら、どちらを選ぶ? REPORT◎渡辺敏史(WATANABE Toshifumi) PHOTO◎小林邦寿(KOBAYASHI Kunihisa)
6代目カマロは初期からの開発計画に基づいて、最新世代のアルファプラットフォームを採用している。つまりキャデラックATSやCTSと同じく、アルミ材や超ハイテン材を最適配置したハイブリッドアーキテクチャーが奢られたわけだ。その結果、新型カマロは先代に対してホイールベースも含む車寸が若干小さくなり、大幅な軽量化を果たしている。GMいわく、数値的には最大で90kg以上軽くなった一方で、28%以上の剛性向上が果たしているという。
この軽さを活かす形で、新型カマロのベースモデルに搭載されるエンジンは従来の3.6ℓ V6ユニットから2.0L直4直噴ターボに、組み合わせられるトランスミッションも全グレード8速ATへと改められた。2.0ℓ直4ユニットの最高出力は275ps、最大トルクは400Nmをマークする。クーペでは1570kg、オープンでも1670kgとCTSより100kg以上軽く仕上がっていることを考えれば、その動力性能に不安はない。
そして伝統のLT1を名乗る6.2ℓ V8ユニットは453psの最高出力をもって0→100km/h加速4.5秒、最高速250km/hとスポーツカーとしても一線級の魅力を備えている。
![カマロSS](https://motor-fan.jp/images/articles/10004993/big_497335_201807261224040000001.jpg)
試乗したのは2.0ℓを搭載するコンバーチブルとV8を搭載するクーペのSSの2台。内装の仕立てについては両車に大きな品質差はない。アップル&アンドロイドのスマートフォンリンクにも対応する大画面インフォテインメントシステムが採用されるなど、その設えは今日的になった。一方で、初代のイメージを受け継いだセンターコンソールのメーター類はごっそり整理されるなど、演出的なところではちょっと物足りないなと思ったのも正直なところだ。
日常的速度域を穏やかに走る限り、V8ユニットは2000rpmにも至らぬところをユルユルと回るに過ぎない。そういういかにもアメ車的な使い方をしていると気づくのは、低負荷時に4気筒分の燃焼をカットする気筒休止がかなり頻繁に稼働していることだ。
平坦路であれば100km/h巡航からの微妙な加速でもV4のままこなそうとするほどだから、この特性を巧く使えばツーリングでは10km/ℓを超える燃費も充分に狙えるだろう。
![コルベットにも搭載される高性能の6.2L V8 LT1エンジンを搭載するカマロSS。最高出力453ps、最大トルク617Nmを誇るカマロ史上最もパワフルなユニットとなる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004993/big_497336_201807261225210000001.jpg)
![独自に開発した8インチタッチスクリーン採用のインフォテインメントシステム「シボレーMyLink」を標準装備。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応している。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004993/big_497337_201807261226060000001.jpg)
![シートは全車にヒーター&ベンチレーション内蔵のフロントスポーツシートが奢られる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004993/big_497337_201807261226060000002.jpg)
ドライブモードをスポーツ&トラックの側にセットした際のパフォーマンスは、さすがにコルベットのように濃密な一体感が味わえるわけではない。あちらはシャシー構造もジオメトリーも重心設定も、ドライバーとタイヤの位置関係も異なるのだから比べるのも酷だろう。
だが、少なくとも先代に対すれば遥かに応答性は素早く、ブレーキの制動力や前後バランスも充分に頼れるものとなっている。コーナリング最中のロードホールディングに関しては中高速域で凹凸超えでの上下動が大きく、ややラインがズレてしまうところが気になったが、修正は充分に効くシャシーの確度は持ち合わせているから、そこを織り込んで対話しながらワインディングを走り込むのも楽しいひと時になるだろう。
![カマロ コンバーチブル](https://motor-fan.jp/images/articles/10004993/big_497339_201807261226350000001.jpg)
この特性を踏まえて直4搭載のコンバーチブルに乗ると、運動性能的にも剛性低下の影響が殆ど感じられないことに驚かされた。クローズ時は剛性起因のきしみ等がまったく感じられないことを積極的に褒めたくなる。そして2.0ℓ直4ユニットの動力性能は過不足ないどころか、回せば充分に速いと感じるほどのところにあるのも意外な発見だった。
そのスタイリングと共に気持ちよく走るくらいのスポーティネスを期待するなら、2.0ℓモデルでも充分にその役割は果たしてくれる。が、全域でのサウンドや吹け上がり感、回転上昇に伴うパワーの乗りなど、その速さの質をみるに、やはりこのクルマの本懐はV8モデルにある。そう言い切れるだけのシャシー性能が得られたことが、新型カマロの最大のニュースといえるかもしれない。
※本記事は『GENROQ』2018年1月号の記事を再編集・転載したものです。
![「コンバーチブル」とクーペモデルの「LT RS」には、カマロ史上初となる2.0L直4ターボを搭載する。直噴システムや可変バルブ機構により275ps/400Nmのパワーと環境性能を両立させているのが特徴だ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004993/big_497340_201807261227400000001.jpg)
SPECIFICATIONS
シボレー・カマロSS
■ボディサイズ:全長4780×全幅1900×全高1340㎜ ホイールベース:2810㎜ ■車両重量:1710㎏ ■エンジン:V型8気筒OHV 総排気量:6153cc 最高出力:333kW(453ps)/5700rpm 最大トルク:617Nm(62.9㎏m)/4600rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■車両本体価格:645万8400円
SPECIFICATIONS
シボレー・カマロ コンバーチブル
■ボディサイズ:全長4780×全幅1900×全高1350㎜ ホイールベース:2810㎜ ■車両重量:1670㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1998cc 最高出力:202kW(275ps)/5500rpm 最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/3000〜4000rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■車両本体価格:602万6400円
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