経年劣化だけではない!!ドライブシャフトブーツの破れ 第2世代GT-RのBNR32〜BNR34を例に説明しよう。
MotorFan / 2018年7月27日 11時50分
こちらは純正のオーバーホールキット。”普通”に走っている分には何ら問題ないけど、ノーマルのグリスを注入しすぎる(量を多く)と300km/h程度から破れることも希にある。しかし、新品なら1年経過したブーツよりも強いことは間違いないから、定期的な新品交換とグリス注入等のノウハウを取り入れれば破れることは少なくなる。もちろん異常な速度域での話だけどね
エンジンをチューニングしたクルマは、市販車には無い暴力的な加速が何よりも魅力。そしてノーマルでは考えられない加速力で直線を疾走する様は、一度乗ってしまうと虜になってしまうことも多いけど、壊れてしまっては意味が無い。昔は、ノウハウ不足や加工精度の問題等からブローしてしまうエンジンもあったけど、今はノウハウも豊富で加工精度も向上。現在ではオーナーの意見を聞き、使用目的に合わせてマージンをきちんと残して製作することが多く、壊れてしまうことは滅多にないほどの世界に成長している。しかし、エンジンだけで無く他の部分も想定していない部分がダメージを負ってしまうこともある。
そのひとつが今回紹介するドライブシャフトブーツだ。もちろん、経年劣化や取り付け不良なんてもっての外だけど、割と新しいのに高速走行を行うと破れてしまうことがある。今回紹介するのは第2世代GT-RのBNR32〜BNR34。エンジンをチューニングし、300km/h以上の速度が出す速度域では、尋常ではない負荷が各部に掛かるんだけど、ドライブシャフトもそのひとつ。原因はエンジンの発熱、キズなどさまざまあると思われるが、その原因で大きいのが「中のグリス」と言われている。ノーマルのグリスを大量に入れることで質量が大きくなり、尋常じゃ無い速度で回転するドライブシャフトでは遠心力が非常に高くなり、その大量のグリスの重さ(遠心力)に耐えきれなくなって、ゴムが破断して破れるというものだ。対策としてはグリスを少なく入れること。しかし、潤滑性が落ちる場合があるので高性能グリスに交換。このことにより耐久性も上がり一石二鳥。
もうひとつの対策としては「タイラップで止める」こと。ブーツの谷の部分何カ所かにタイラップを巻き、遠心力で膨らまないように(タイラップが力を受け止めるように)することなど。破れたドライブシャフトブーツはもちろん車検は通らないし、そのまま放っておくと、中のボール類が水分やゴミなどで傷んでしまう。
このように今ではほとんどのトラブルは一流のチューニングショップでは熟知しているので、未然に対策が出来る。
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