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BMWの考える「グループプラント」とEV戦略

MotorFan / 2018年7月31日 13時50分

BMWの考える「グループプラント」とEV戦略

ディンゴルフィンクとランツフートのBMWグループプラントの電力制御ステーションはエネルギー市場における取り組みを更に拡大する。電力調整市場に参入することでプラント外の電力市場の安定化に貢献し、再生可能エネルギーの割合を増やしつつ次世代のEVに適した電力形態を実現する革新的なビジネスモデルの確立を進めている。

セーフティネットとしての電力市場の安定化

 電力調整は、電力グリッド内における不安定な変動が生じた際の、汎用性の高い貯蓄エネルギー源として機能する。現在の再生可能エネルギーはいずれも太陽や風から発電しており、発電量などはそれほど制御ができない。このため電力会社は再生可能エネルギーの割合を増やしつつも、一定の電力供給を保証するために電力調整しなければならない。これは例えば強風時に風力発電所から余剰な電力が発生した時や、逆に供給先に突発的な電力需要が発生した時などにも適応される。

次世代の電気モビリティを支える安定した電力源

 自動車の電動化が急速に進む中、エネルギー産業と自動車産業はより密接な関係になるだろう。今回のBMW グループの電力調整ビジネス参入もその一例だ。
「このビジネスモデルで我々は安定した電力を市場に提供でき、再生可能エネルギーの幅を更に広めることができます。インテリジェント・コネクティビティと電力供給社、電力消費者を結びつけることにより、我々は未来のエネルギー社会を実現できるでしょう。柔軟な電力供給は、ゼロ排出の未来の電気モビリティ社会を可能にします」とBMWエネルギーサービスの Joachim Kolling氏は言う。

“仮想の” 発電所を建てる

 ディンゴルフィンクとランツフートの電力制御ステーションは、BMWグループが構築しているエネルギーネットワークの一例だ。高度な制御によりこれらの施設は余剰な電力を蓄え、不足時に市場に供給することができる。「電力供給に柔軟さをもたらす一種の発電所と考えてもいいでしょう。我々はこの電力社会をBMW電力プールと言っております」とJoachim Kolling氏は言う。
 ディンゴルフィンクのCHP(熱源供給)プラントに加えて、電力消費者もこの電力プールの一員として考えられる。ランツフートのBMWグループプラントにおける空調システムも同様に言える。業界では類を見ないプロセス方法により空調を調整することが可能になっている。BMW i3のバッテリー700個を持ち、2017年10月から稼働しているライプツィヒのBMWバッテリー貯蔵プラントもBMWの電力プールの構成要素だ。

EVを通じた安定した電力社会の構築

 電気モビリティが進化するにつれてEVはもはや電力消費者だけではなく、小さな電力供給源にもなり得るとKolling氏は言う。「EV車両はいわば一種の電力貯蓄ユニットです。我々のプラントが安定した電力社会を支えるだけでなく、EVも同様な役割を持つでしょう。もちろん、これはEVのオーナーたちとの合意の上でこそ実現できるものです」
 電気モビリティの新たな取り組みを進めることにより、BMWグループはゼロ排出な未来のモビリティ社会の実現に大きく貢献している。

ディンゴルフィンクのBMWグループプラントにおけるCHP制御ステーションは、BMW電力プールの一員として電力の安定をもたらす。

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