爆裂加速というよりも! PCXハイブリッドの利点はスロットルレスポンスの素早さである。【ホンダ試乗レポート】
MotorFan / 2018年8月13日 15時0分
二輪初の市販ハイブリッド車として9月14日(金)から発売開始となる「PCXハイブリッド」のメディアに向けた試乗会が行われた。当日は台風の影響もあって雨天のなかでの試乗となったが、その悪条件のなかで見えてきたものとは……。 REPORT●栗栖国安(KURISU Kuniyasu)
ホンダ PCXハイブリッド……432,000円
量産二輪車初のハイブリッドシステムを採用した原付二種スクーターとはいったいどんなものなのか、さっそく試乗してみた。 試乗当日はあいにくの雨だったため、一気にアクセルを開けてスタート!というような扱いはしなかったのだが、発進、加速といった一連の動きはいたって普通だった。アクセルを開ければ開けたなりの加速が得られる。リニアな…という言い方をよくするが、まさにアクセルにリニアに反応してくれる特性なのだ。だから普通に扱いやすい。
はじめはDモードに設定して走行したのだが、パワー不足を感じる場面はなかった。さらによりスポーティな設定のSモードに切り替えると、トルク感が増して加速性が一段とよくなる。通常はDモードで走り、急坂を登るときなどにはSモードで、という使い方がいいと思った。モード切り替えも左手のスイッチで簡単にできる。しかも走行中にも切り替え可能だから、目の前に坂が現れた瞬間、DからSモードに切り替えるなんてこともできる。ちなみに、モードスイッチをもう1回操作すると、メーター内に表示されるDやSは消えて、アイドリングストップが解除される。このときのモードはDモードになっている。
モーターがアシストすることによってどれだけ素早い加速をするのか? と期待していたのだが、実際には強烈な加速は味わえなかった。ちょっと拍子抜けといった感は否めなかったのだが、スタンダードに乗り換えて走行してみると、アクセル操作に対する反応の違いを実感。スタンダードはアクセルを開け始めてからエンジン回転が付いてくるのにわずかにタイムラグがある。ところがハイブリッドにはそれがないのだ。つまり、操作性が明らかに向上しているので、扱いやすいと感じたわけだ。
上級モデルに150ccのPCX150があるが、PCXハイブリッドのパワー感は150に迫る。少なくとも常用域では互角の走りを見せる。これなら通勤快足としての実力は高いだろうし、郊外へのツーリングだってより楽しくなるはずだ。
主要諸元
通称名 PCX HYBRID
車名・型式 ホンダ・2AJ-JF84
全長×全幅×全高 (mm) 1,925×745×1,105
軸距 (mm) 1,315
最低地上高 (mm) 137
シート高 (mm) 764
車両重量 (kg) 135
乗車定員 (人) 2
最小回転半径 (m) 1.9
原動機 エンジン型式・種類 JF84E-K96・水冷 4ストローク OHC 単気筒
電動機種類 交流同期電動機
総排気量 (cm3) 124
内径×行程 (mm) 52.4×57.9
圧縮比 11.0
最高出力 (kW[PS]/rpm) エンジン 9.0[12]/8,500
電動機(モーター) 1.4[1.9]/3,000
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) エンジン 12[1.2]/5,000
電動機(モーター) 4.3[0.44]/3,000
電動機(モーター)定格出力(kW) 0.36
燃料消費率※8(km/L) 国土交通省届出値 定地燃費値(km/h) 55.0(60)<2名乗車時>
WMTCモード値 (クラス) 51.9(クラス1)<1名乗車時>
燃料供給装置形式 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
燃料タンク容量 (L) 8.0
主電池種類 リチウムイオン電池
変速機形式 無段変速式(Vマチック)
タイヤ 前 100/80-14M/C 48P、後 120/70-14M/C 55P
ブレーキ形式 前 油圧式ディスク、後 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式 前 テレスコピック式、後 ユニットスイング式
フレーム形式 ダブルクレードル
外部リンク
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