1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

ルネサスとオープンシナジー:パロット・フォルシア・オートモーティブのセーフ・マルチディスプレイ・コクピットに採用

MotorFan / 2018年9月17日 9時15分

ルネサスとオープンシナジー:パロット・フォルシア・オートモーティブのセーフ・マルチディスプレイ・コクピットに採用

ルネサスのSoC (System on Chip) 「R-Car H3」と、オープンシナジーのハイパーバイザ「COQOS Hypervisor SDK」が、パロット·フォルシア·オートモーティブ社のセーフ·マルチディスプレイ·コックピットに採用された。

 R-Car H3上のCOQOS HypervisorゲストOSには、Androidの最新バージョンを搭載しており、AndroidベースのIVI(車載インフォテインメント)と、メータなどの安全に関わるインスツルメント・クラスタ機能をLinuxベースで実行可能だ。COQOS Hypervisor SDKはR-Car H3のGPU (Graphics Processing Unit) をAndroidとLinuxで共有化し、アプリケーションを複数のディプレイへ自由に表示することができ、多様で柔軟なコックピットシステムを実現する。

 パロット・フォルシア・オートモーティブ社、Director of StrategyであるFrederic Fonsales氏は、次のように述べている。「オープンシナジーのハイパーバイザ技術とルネサスのR-Car H3により弊社のフロントおよびリア・インフォテインメントシステムに安全性とスケーラビリティをもたらすことが出来ました。この技術を採用した弊社初のマルチディスプレイ・コクピットは、欧州のプレミアムカーメーカーにて2019年より生産されます」

 ルネサスのオートモーティブソリューション事業本部、テクニカルカスタマーエンゲージメント統括部長である吉田直樹氏は次のように述べている。「オープンシナジーとの強力なパートナーシップにより、Android上でIVI機能を実現させる革新的なコクピットソリューションを実現できました。今回、パロット・フォルシア・オートモーティブ社に採用された堅牢で柔軟なハイパーバイザシステムは2019年に生産が開始され、新たな可能性を編み出すでしょう」

 オープンシナジーのCEOであるStefaan Sonck Thiebaut氏は次のように述べている。「COQOS Hypervisor SDKはルネサスのハードウェアおよびソフトウェア仮想拡張機能をフル活用しており、完璧な組み合わせです。オープンシナジーのソリューションは、複数の仮想マシンがマルチディスプレイをフレキシブルに安全に使用できるディスプレイの共有機能等を搭載しています。これにより、お客様により多くオプションを提供すると共に開発期間の短縮を支援します」

 ルネサスの車載向けSoC「R-Car H3」は、統合コクピットやコネクテッドカーに最適な機能と性能を有している。R-Car H3のGPUやVideo/Audio用IPには仮想化機能が搭載されているため、ハイパーバイザによる仮想化が可能であり、複数のOSを完全に独立して安全に動作させることができる。

 オープンシナジーの最新仮想化技術COQOS Hypervisor SDKは、LinuxやAndroidのような多目的OSと、リアルタイムOSやAUTOSARに準拠するソフトウェアも同時にひとつのSoCで実行できる、安全で効率的に構築されたハイパーバイザ。このハイパーバイザは、R-Car H3の仮想化機能を活かすことにより、R-Car H3の性能を発揮させ、高い信頼性を確保している。

 今回、パロット・フォルシア・オートモーティブ社が開発したコクピットシステムは、信頼性が求められるインスツルメンツ・クラスタ機能を、Linux ベースで行っている。インスツルメンツ・クラスタシステムに対して、Linuxは理想的なOSのひとつですが、独自にはASILに対応できない。このため、オープンシナジーは、Safe IC Guardを開発した。これにより、ゲストOSが独立して動作し、信頼性が求められるOSの安全に関わる情報が正しく表示されているかを検証することが可能。また、COQOS Hypervisor SDKは、すでに「Android P」を含む最新Android OSの動作をテスト済みであり、IVI機能を3つ目のゲストOSとなるAndroid上で動作させることが可能である。

 COQOS Hypervisor SDKは、複数のOS がR-Car H3のGPUを同時に使用したり、複数のディプレイへのアクセスを可能にする。例えば、Android上で起動しているIVIアプリケーションが、Linux上で起動しているインスツルメンツ·クラスタと、ディスプレイを共有化することが可能。この際に、安全性が重要な情報を妨害しないように、スクリーンマネージャがインスツルメンツ·クラスタ内の画面共有化を管理する。また、COQOS Hypervisor SDKは、R-Car H3のArm Cortex R7 コアで起動するAUTOSARに準拠するCAN ゲートウェイにも対応している。これにより車載ネットワークへのシームレスな接続が可能となった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください