【アプリリアRX125試乗レポ】実は貴重な“新車で買える”オフローダー、RX125は街乗りにこそ真価を発揮する!
MotorFan / 2018年9月18日 16時55分
いまや国産ラインナップでは絶滅している125ccフルサイズトレール。そんななかアプリリアがリリースするRX125は貴重な生き残りで、オフロードバイクファンらの間では密かに注目されているモデル。その乗り味いかに……。 REPORT●青木タカオ(AOKI TAKAO) PHOTO●太宰吉崇(DAZAI YOSHITAKA)
アプリリア RX125……398,000円
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70〜90年代のラインナップを知る世代なら懐かしいだろう。かつては各メーカーから出揃っていたフルサイズの125ccオフローダー。4ストと2スト、それぞれで250や200があれば125もほぼ必ずと言っていいほど2本立てとして存在していた。
大型バイクを所有している人のセカンドバイクになったり、あるいはビギナーの入門用バイクとして重宝されたり、はたまたエンデューロで小回りが効いて地味に速かったりと、活躍の場は広く根強い人気があった。
ここでいうフルサイズとは、フロント21インチ、リヤ18インチの足まわりを持つ250クラスと変わらない大きさのオフロードバイクであり、国内の現行ラインナップを見ると、悲しいかなその姿はなくなってしまっている。
昨今、原付二種スクーターが活気づいて125ccクラスの利便性や経済性、手軽さは世間に少しずつ浸透しつつあるが、機動性の高い125ccオフローダーの存在は忘れられてしまっているような気がしてならない。しかし、イタリアンメーカー・アプリリアが「RX125」というモデルをリリースしているのだ。かつては2ストローク・シングルエンジンを積んだモデルだったが、新たに開発した4スト水冷単気筒でフルモデルチェンジし再デビュー。絶滅寸前の125ccフルサイズトレール、一体どんなバイクなのだろうか……?
クラスを超えた堂々たる車体に感激
早速、乗ってみることにした。フルサイズだから当たり前だが、車体は250と見間違えるほどに大柄で見るからに立派。かつての125ccのオフ車たちもそうだったように、ナンバーがピンク色でなければ原付二種とは到底思えない。
フロントフォークは倒立式でインナーチューブ径41mmと太く頼もしい。リアサスペンションもモノショックのリンク式と本格的で、ストローク量はフロント240mm、リア200mmと申し分のないスペック。ブレーキはABSを標準装備し、ディスクも放熱性・排泥性に優れるウェーブタイプで、フロント260mm径、リア220mm径と現代的、非の打ち所がない。そして何より、イタリアンブランドらしく外装がスタイリッシュなところがいい。
エンジンはセルスターターを押すと元気よく目覚めた。昔のは大半がキックスタートのみだったが、現代版になるとボタンひとつでエンジンがかかる。競技用モトクロッサーでもキックペダルが外され、セルスターターを装備する時代なのだから当たり前だ。
そして少し走ると、すぐにわかった。低速でトコトコ粘るノンビリしたエンジンではなく、DOHC4バルブらしく軽やかに吹け上がるピックアップの良い特性。高回転までフラットに吹け上がり、トップエンドの伸びも気持ちがいい。アクセルをどんどん開けて、アグレシッブな走りに自然となっていく。
前後サスペンションも見かけ倒しではなく、初期荷重ではしなやか、ストロークの奥ではしっかり踏ん張りの効くコシのあるセッティング。ハンドリングにもクセがなく、ニュートラルで軽快だから細々とした市街地走行でもキビキビ走ってくれる。
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普段は街乗り、休日はツーリングへ
高速道路には乗れないが、郊外へツーリングに出掛けてもさほど疲れないだろう。ゆったりとしたライディングポジションと硬めでコシのあるシートで、長時間の走行も苦にならないからだ。普段は通勤通学の街乗りメインでフル稼動し、休日は林道などダートを目指したツーリングへ。現存する貴重な125ccフルサイズオフローダーは、そんな使い方を想像せずにはいられないオールマイティな1台だった。
ディテール解説
![ゼッケンスペースのあるヘッドライトバイザーを備えたフロントマスクはスポーティ。ヘッドライトはマルチリフレクター式だ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641282_201809181031100000001.jpg)
![シンプルなデジタルメーターはオド、トリップ、時計、バッテリー電圧など各種情報を表示し、機能性は申し分ない。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641283_201809181032100000001.jpg)
![インナーチューブ径41mmの倒立式フロントフォークは、240mmのホイールトラベルを誇り高い走破性を実現した。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641284_201809181032370000001.jpg)
![アグレッシブな走りを予感せずにはいられない「レッドファン」とネーミングされた鮮やかなグラフィック。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641285_201809181033210000001.jpg)
![高回転域までフラットに吹け上がるDOHC4バルブエンジン。クルマの流れをリードできる強力なパワーユニットだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641286_201809181034220000001.jpg)
![ライダーが前後移動しやすいフラットなシートは、本格派オフローダーに必須な装備。シート高は905mmと高め。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641287_201809181035270000001.jpg)
![200mmのクッションストロークを持つリアサスペンションはリンク式で、プログレッシブな特性を獲得している。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641288_201809181036480000001.jpg)
![スイングアームはスチール製。リヤブレーキはフローティングキャリパーと220mm径ウェーブディスクの組み合わせ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10005709/big_641289_201809181037430000001.jpg)
主要諸元
全長×全幅×全高 2,115mm×820mm×1,170mm
シート高 905mm
車両重量 134kg
エンジン 4ストローク水冷単気筒 DOHC 4バルブ
総排気量 124.2cc
ボア × ストローク 58 mm × 47 mm
最高出力 15HP/10,700rpm
最大トルク 11.3Nm/8,000rpm
燃料供給方式 電子制御燃料噴射システム、マレリ製Φ32 mm スロットルボディ
点火方式 電子制御イグニッションシステム
潤滑方式 ウェットサンプ
始動方式 セルフ式
トランスミッション 6速リターン
変速比 (1 速)11/33 (2 速)15/30 (3 速)18/27 (4 速)20/24 (5 速)25/27 (6 速)23/22
一次減速比 29/69
最終減速比 13/69
クラッチ 湿式多板クラッチ
燃料タンク容量 7.5 L
フレーム ツインチューブスチールフレーム
サスペンション(F) Φ41 mm テレスコピック倒立フォーク
ホイールトラベル 240mm
サスペンション(R) スチール製スイングアーム、プログレッシブリンク式モノショック ホイールトラベル 220mm
ブレーキ(F) Φ260 mm ウェーブディスク
ブレーキ(R) Φ220 mm ウェーブディスク
ABS ボッシュ製 9.1ML
ホイール(F) 1.85 x 21
ホイール(R) 2.15 x 18
タイヤ(F) 90/90-21
タイヤ(R) 120/80-18
外部リンク
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