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ダイムラー:都市部における自律かつ安全な自動運転技術を目指す@CITYプロジェクト

MotorFan / 2018年9月19日 19時25分

ダイムラー:都市部における自律かつ安全な自動運転技術を目指す@CITYプロジェクト

 自動運転車両は近い将来、整理された高速道路などから複雑な都市部の交通でも活躍するようになり、我々の日常生活に欠かせないものになるだろう。しかし都市部での自動運転の実現は簡単ではなく、開発者や研究者にとって大きな挑戦となっている。高速道路などと異なり交通ルールは格段に複雑で、膨大な数のシナリオを考慮しなければならないからだ。
 
 都市部での自動運転をより便利に、安全に、そして効率よくするには様々なコンポーネントの統合が不可欠だ。具体的には非常に精密な地図データや洗練されたセンサー技術、更にアルゴリズムを駆使した状況の把握などが挙げられる。これらを実現するために発足したのが@CITY 共同プロジェクトと@CITY-AFパートナープロジェクトだ。

 @CITYプロジェクトは2017年末に発足し、共同開発の成果を実際の自動運転機能に落とし込む目的で2018年7月1日にスタートしたのが@CITY-AFだ。自動車メーカー、コンポーネントサプライヤー、ソフトウェア開発企業など全部で15社が両プロジェクトに参加している。ドイツ連邦経済技術省(BMWi)はこれに2千万ユーロ(約26億円)の支援をしている。

より良く感知し、より早く処理し、より適した動きをする自動運転車両へ

 都市部での自動運転の開発はそれ自体が目的である。「我々は自動運転に都市部での交通事故の数を大幅に下げるポテンシャルを見出しているだけでなく、既存の交通インフラをより効率よくすることができると確信している」と@CITYプロジェクトの主任Ulrich Kressel氏は言う。

「それに加えて人口構造が大幅に変化し都市化が急速に進む中、我々はすべての交通利用者が自由なモビリティを実現できる基礎を敷いていると考えている」

 @CITYが幅広い分野を扱うため、同プロジェクトは7つのサブプロジェクトに分かれている。

環境や周囲の状況を理解する自動運転

 どのような道になっているのか? ほかにどのような車両や利用者がいるのか? 彼らは何をしようとしており、それからどのようなことを結論付けることができるのか?

 このサブプロジェクトでは自動運転車両を人間の脳と同じように”学習”させることが目標だ。このため、開発陣は最新のセンサー技術や実証的なノウハウ・デジタル地図を駆使する。

デジタル地図や位置情報システム

 地図データは都市部での自動運転には欠かせないものだ。車両に搭載されたセンサーと組み合わせることで、信頼性のある最新の環境モデルがあるだけでなく、未来のHDマップは高度なローカルデータも充実している。数㎝単位で縁石の位置までもが地図データから把握できるのだ。

コンセプトから実用化へ

 自動運転車両がある地点Aから地点Bまで道路交通法を守りながら移動するには適切なタイミングで適切な判断を下さなければならない。これを実現するにはジャンクションやラウンドアバウトなどにおいて事実上すべてのシナリオを瞬時に予測しなければならない。開発陣はこれをベースに、適切な運転手法を身に着けたアプリケーションを実証する。

人間と車両の相互作用

 このサブプロジェクトでは車両のユーザーと自動運転車、そして周囲のユーザーとの3方向のやりとりがメインのテーマとなる。いいかえると、それぞれがお互い何をしようとしているのかを予測しなければならない。自動運転の研究者たちはドライバーが日常の運転中に行うアイコンタクトやジェスチャーなどのコミュニケーションをいかに自動運転車両にも適応できるかを模索している。

大都市ハブを通る自動運転

 非常に混雑した道や複雑な交通ルール。ジャンクションやラウンドアバウトは都市部の交通でも特に事故が発生しやすい場所だ。自動運転機能はこのような場所での安全性を大幅に高めることができる。例えば周囲を把握するセンサーは何回も運用しても疲れたりすることはなく、人間より多くの物事を察知することができる。しかし、これは大きな技術課題となっている。なぜならこのような場所は都市によってレイアウトは様々であり、複雑だからである。

都市圏における自動運転

 幹線道路・高速道路に比べると、大都市の交通は複雑で膨大な走行シナリオが存在する。高層ビルや路肩で停車中のクルマ、バス停などの静的・動的ボトルネックが適切な自動運転システムの確立の障害となっている。

交通弱者と自動運転車両

 都市部では自転車や歩行者、道路上の作業者などが常に交通網の中に存在する。このサブプロジェクトでは自動運転車両がいかにしてこのような歩行者の行動を予測するかを検証する。

@CITY自動運転車両が構築する大都市でのインテリジェントな交通

 @CITYプロジェクトは15の自動車企業やサプライヤー、ソフトウェア開発企業や大学が参加している。@CITY及び@CITY-AFは姉妹プロジェクトとして、複雑な都市部での自動運転の様々なコンセプトをプロトタイプ化し最終的には市販化することが狙いだ。同プロジェクトは未来の交通システムをより安全・便利でなおかつ効率よくすることを目的としている。@CITYプロジェクト(2017年9月1日~2021年8月31日予定) は自動運転車両の環境認知や状況把握及びデジタルマップの研究に注力しており、@CITY-AF (2018年7月1日~2022年6月30日予定) は@CITYプロジェクトでの研究成果を具体的な自動運転車両の機能に組み込むことを目的としている。プロジェクト全体で4500万ユーロ(約58億円)が投入され、うちドイツ連邦経済技術 省は2千万ユーロ支援している。

プロジェクト参加企業・大学・研究機関は以下の通り:
AUDI AG, Daimler AG, MAN Truck & Bus AG, component suppliers Aptiv Services Deutschland GmbH,Continental Automotive GmbH, Continental Safety Engineering International GmbH, Continental Teves AG & Co. oHG, Robert Bosch GmbH, Valeo Schalter und Sensoren GmbH, ZF Friedrichshafen AG, 3D Mapping Solutions GmbH andresearch organisations German Aerospace Centre, Technical University of Chemnitz, Technical University of Darmstadt 、Technical University of Munich.

詳しくは www.atcity-online.de


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