排気量258ccアップ。マツダCX-3が積むSKYACTIV-D1.8はなぜ排気量を大きくしたのか?
MotorFan / 2018年9月21日 18時10分
■ S8-DPTS "SKYACTIV-D1.8” シリンダー配列 直列4気筒ディーゼル 排気量 1756cc 内径×行程 79.0×89.6mm 圧縮比 14.8 最高出力 116kW/4000rpm 最大トルク 270Nm/1600-2600rpm 給気方式 ターボチャージャー カム配置 DOHC ブロック材 アルミ合金 吸気弁/排気弁数 2/2 バルブ駆動方式 ロッカーアーム 燃料噴射方式 DI VVT/VVL ×/◯
これまでマツダのSKYACTIVのディーゼルエンジンは、1.5ℓと2.2ℓの二本立てだった。ここに1.8ℓ版D1.8が追加された。まず搭載したのは、CX-3である。D1.8は、今後のディーゼルの流れを強く意識して開発されたエンジンなのだ。
マツダCX-3の商品改良で1.5ℓ直4ディーゼルであるSKYACTIV-D1.5がカタログから落ち、その代わり1.8ℓのSKYACTIV-D1.8が登場した。マツダの商品戦略から考えても、ほかのD1.5搭載モデルも順次D1.8へとへ換装していくのだろう。超高応答マルチホイールピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボ(シングルターボ)など技術をあらたに採用したSKYACTIV-D1.8。もちろん、もっとも大きな進化は、排気量が258cc増加したことだ。
ボア×ストロークは
D1.5が82.6×76.0mm
D1.8が89.6×79.0mm
これにより、ボア/ストローク比が0.92から0.882になった。
排気量が258cc(17.2%)も大きくなったのに、最高出力は11ps、最大トルクは変わっていない。では、なぜ、排気量アップをしたのか?
排気量を1.5ℓから1.8ℓへアップした背景は、RDE(リアル・ドライビング・エミッション)に対応するという意味が大きい。排気量の余裕を生かしてエンジン回転数を抑えながら高トルク領域でもEGR(排ガス再循環)を使ってNOxの発生を抑えている。D1.5は1600rpm以上で、発生トルク200Nmを超えるとEGRを使うことができなかったが、D1.8はフルトルクでも10%以下ならEGRを使えるようになった。
RDEで使われる領域は広く、すべての領域でEGRを使う意味は大きい。その代わり、高温の排ガスを処理するSCR(選択還元触媒)の採用が避けられなくなる。マツダも2019年モデルのD2.2にSCRを導入するようだ。
2000rpm時のグラフを見ると排気量300ccアップで低負荷から高負荷までほぼ全域で燃費が改善している。排気量増加分を出力ではなく排ガス対策と燃費に使うというのはライトサイジングの考え方だ。
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