1灯、14万円! LED信号機のメリットと意外なデメリット! 今さら聞けない交通信号機のトリビアな話 5【交通取締情報】
MotorFan / 2019年2月15日 11時15分
導入以来4半世紀、もはや見慣れた感のある「LED」信号機だが、すでに全国の信号機の半分以上が、LED化されている。家庭や車用品などでも、LEDが多用されているが、確かに、その様々なメリットは魅力的ではある。が、実は、デメリットもあるということは意外と知られていないのではないだろうか?
確かにメリットは大きいが、実はLEDならではのデメリットもある!
LED信号が導入されたのは平成6年(1994年)、愛知県と徳島県に設置されたのがその始まりだ。で、そのメリットだが、警察庁によると…
1.疑似点灯現象の防止
電球式では西日等が当たった場合に、点灯しているように見えることがありますが、LED式では、そのような現象が防止されます。
2.省エネルギー効果
LED式は、電球式に比べて消費電力が6分の1程度であるため、省エネルギー効果が高く電気料金が低減され、また、地球温暖化の原因となっているCO2の削減にも効果があります。
3.長寿命
電球式の場合、約半年から1年程度の寿命であるのに対し、LED式の寿命は、概ね6年から8年と見込まれており、今後の技術進歩によりさらに長くなることも期待されます。
※警察庁公式サイトより
と、まさにいいことずくめ、だが、実はLEDならではのデメリットもある。特に、降雪地域では、一応、雪よけの傘がついているものの、吹雪等でLEDに雪が付着した場合、発熱がほとんどないため雪が溶けず、表面が真っ白になってしまうそうだ。ドライバーはどうしていいかわからなくなること請け合い。その対策としてヒーターを付ければ手っ取り早いが、電気代などを考えれば、なんだか本末転倒のような気も。他にもカプセル型のカバーを付ける(富山県、秋田県、福井県、滋賀県、青森県などが導入)とか、県警ごとにいろいろなアイデアを実践している。ちなみに、最近、よく見かけるフラット型の信号機も雪対策に効果ありと思われたが、いまいちうまくいかなかったということだ。
また、電球式と違って、常に点滅していることも意外な副作用を生んでいる。今、トレンドのドライブレコーダーによっては、西日本と中部地方の一部では、電力の周波数の違いにより、LED信号の点滅周期とドラレコのフレームレート(1秒間に撮影する枚数)が同期した場合、信号の灯火が写らないことがあるというのだ。「警察官に覚えのない信号無視の嫌疑をかけられ、動画で無実を証明しようとしたら黒信号だった」なんてことになったら目も当てられない。最近はフレームレートを変えるなど、これに対策した機種をが出回っているので、購入時にしっかり確認しましょう!
東京都と長崎県はLED化をほぼ完了!
ところで、平成29年末で全国に設置されている車両用信号機の総数は1,268,000灯あまり。内、57.8%にあたる733,073灯が、すでにLED化されている。中でも警視庁管内(東京都)では99.9%、長崎県で98.3%、福岡県でも94.9%とLED化がほぼ完了。他の都道府県も順次、LED化が進められて行くはずだ。
逆に、LED化率が低いのが、北海道(21.9%)、広島県(28.8%)、静岡県(33.6%)といったところ。北海道を別にすれば、上記の雪害の影響とは言えないようだ。
ちなみに、1灯(光る部分だけ)のコストが14~15万円(設置費用も含む)と言われるだけに、単純に計算すると日本中の信号をLED化するのに約1,800億円かかることになり、もちろん税金で賄われるわけだが、電球式にくらべて約7~10倍という寿命および消費電力の差を考えれば、国民も納得、かな。
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