『下町ロケット』で佃製作所が開発する「トランスミッションのバルブシステム」ってなんだ?
MotorFan / 2018年10月15日 17時40分
いよいよ放映がスタートしたTBS日曜劇場『下町ロケット』。人気作家池井戸潤さんの『下町ロケットゴースト』と『下町ロケット ヤタガラス』が原作のこのTVドラマ。第一回をご覧になった方も多いだろう。ここで阿部寛さん演ずる佃航平社長の会社、佃製作所が、ドラマのなかで開発にトライするのは、「トランスミッションのバルブシステム」だという。これってなんだろう?
『下町ロケット』第一回放送分をご覧になった方も多いと思う。ものづくりの技術と情熱だけは、他に絶対負けない、という佃製作所は、ロケットの水素バルブシステムを開発し、ドラマのなかでは帝国重工のスターダスト計画のロケットのなかで重要なパーツを担っている。
今秋始まった続編では、トラクターのトランスミッションの弱点から、ロケットで培った技術を使ってトランスミッションのバルブシステムを開発する……というお話だった。
はて? トランスミッションのバルブシステムとはなんだろう?
トランスミッションは、トルコンATもDCTもCVTも変速するための力を油圧が担っている(MTの場合は、この力は、シフトレバーを操作する人力が担当している)。
力の源は、オイルポンプが作り出した油圧だが、この油圧を、「リニアソレノイド」と呼ばれる連続制御式の精密電磁バルブでコントロールして、変速するわけだ。
自動車のトランスミッションの場合、バルブシステムと油路(油が通る回路)をセットで「トランスミッションのバルブボディ」ということが多い。
油圧回路の油路は、複雑怪奇。それを変速動作に応じて最短距離で油圧を送りと届けるのがリニアソレノイドの役割。これが高応答でないと、変速時間が長くなったり、燃費やドライブフィールに悪影響がでるわけだ。
もちろん、油圧だけでなく、電磁バルブを使うという方法もあるが、現在の自動車用(そしておそくらトラクター用も)トランスミッションの場合は、油圧制御が圧倒的。トランスミッションには潤滑が不可欠なので、潤滑と変速を同じオイルでできるメリットもあるからだ。
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