【2018-2019日本カーオブ・ザ・イヤー受賞!】これがボルボXC40の実燃費! 都内〜高速〜山岳路「200km燃費テスト」
MotorFan / 2018年12月7日 16時40分
ポップでスポーティなのに、どことなく上品で汗臭さを感じさせない。ターゲットとされた若年層や女性はもちろん、ミドルエイジの男性からも注目を集め、バックオーダーを抱える人気となっているボルボXC40。いま最も熱いコンパクトSUVのド真ん中をいくモデルだ。さらには2018-2019日本カーオブ・ザ・イヤーも受賞。しかしちょっと待て。確かにデザインは気が利いているし、安全性にも文句のつけようはない。ただ、実際に購入したら、やはり財布を直撃するのはガソリン代だろう。今回は、ちょいと意地の悪い条件でXC40の実燃費を計測してみたのである。 TEXT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
燃費が決め手にはならなくとも、常に頭の片隅にあり続ける
ボルボXC40が人気だ。現在、日本の路上を走っているのは2018年春に発売された「T5 AWD R-DESIGN ファーストエディション」がほとんどで、通常グレードのXC40はデリバリーが始まったばかり。だから人気といっても、実際に登録された台数はまだ少ないのだが、バックオーダーや正規ディーラーへの来店者数などをトータルで見ていくと、どうやらボルボ会心の作といっても間違いなさそうなのだ。
そして本日、ついに2018-2019日本カーオブ・ザ・イヤーまで受賞してしまった。
そんな人気モデルであればなおさら、自動車専門メディアとしてはしっかり本当の実力をお伝えしていかねばならない。今回はひとまず主観を捨て去り、厳密に燃費だけを淡々とレポートしたい。燃費だけが購入の決め手になるわけではない、という読者諸賢も少なくないだろうが、実際にオーナーになれば、常に燃費は頭の片隅にあるはず。燃料タンク容量と併せ、一回の給油でどれくらい走れるか、あとどれくらい走ったら給油しなければならないのか、多くのドライバーが意識しながら走っていることだろう。
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10006082/big_804459_201810151835050000001.jpg)
JC08モード燃費は13.2km/L
今回のテストに供されたのは最高出力190psと最大トルク300Nmを発生する直列4気筒2.0Lガソリンターボを搭載し、8速ATを介して4輪を駆動する「T4 モメンタム AWD」だ。JC08モード燃費は13.2km/Lだが、標準では18インチのところ、試乗車はオプションの19インチホイールを履いており、燃費面では少々不利と言えるかもしれない。
今回の燃費計測は、当サイトでありがちな「さぁ、長距離を走って燃費を計ってやるぞ!」というものではなく、別企画の撮影のために走行を重ね、単純にその結果を報告してしまおうというもの。自動車専門誌やウェブサイトの撮影というものはとくに燃費に厳しく、ちょっと動かしては停め、停めたと思ったらまた微調整……の繰り返しである。走行シーンの撮影時も、カメラマンの指示にアクセル操作だけで即座に対応できるよう、低いギヤに固定することが多く、みるみる平均燃費表示の数字が悪化していく。
今回は非情にも、そんな状況下の燃費を晒してしまおうというわけである。
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10006082/big_804463_201810151847430000001.jpeg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10006082/big_804463_201810151846570000002.jpeg)
それでもカタログ越えの13.3km/Lをマーク!
まずは早朝、5時から「ボルボXC40のすべて(11月8日発売予定)」の表紙撮影を行う。言うまでもなく表紙の撮影はデリケートで、車両とカメラやストロボの位置の微調整の繰り返し。それが終わって6時半頃、誌面用の走行シーンの撮影、続いて細部カットの撮影と、それぞれ許可を取っている場所が異なるため、その移動のために通勤ラッシュの始まった都内を右往左往。撮影と移動を合わせて計38kmを走行し、燃費は8.7km/Lとなった。平均速度は17km/hだった。
軽食をとった後、10時20分頃に銀座インターチェンジから首都高速に乗り、4号線を経て中央道に入る。相模湖東インターチェンジまでの61kmを走り、ここでは15.9km/Lをマークした。全体的に上り坂傾向で、平均速度は81km/hだった。
相模湖東インターチェンジからは、後に当モーターファンjpに掲載する記事作成のための試乗、撮影、ボディ計測のために牧野〜秋山周辺の山間セクションを走行する。途中に昼食をはさんで17時頃まで取材を続け、走行距離は41km、平均速度は31km/h、燃費は11.8km/Lとなった。こちらも計測シーンの撮影などでちょこまかと場所の微調整を繰り返し、燃費を大きく悪化させてしまった。山岳路の走行中はおおむね13〜14km/L台を表示していたのだが……。
そして相模湖インターチェンジから編集部を目指して中央道を東へひた走る。小仏トンネルの手前と高井戸インターチェンジの手前で上り坂はあるものの、全体的には下り傾向で、燃費表示は常に20km/L以上をキープする。しかし高井戸インターチェンジの手前で渋滞に突入し、首都高速4号線の新宿インターチェンジまでの間に数字が漸減してしまい、燃費は19.2km/Lとなった。このセクションの走行距離は53kmで、平均速度は71km/hだった。
かように燃費は状況によって大幅に変動するため、よほど長期のスパンをもって計測しなければ「本当の実燃費」は弾き出せないが、今回の計測はかなりシチュエーションの振れ幅が大きかったため、読者のみなさんがそれぞれのセクションをご自分の使用状況に当てはめやすいのではないかと思っている。
総合結果は走行距離193kmで、平均速度は50km/h、平均燃費は13.3km/Lだった。燃費が伸びる高速セクションの恩恵はあったものの、都内と山岳セクションの過酷な状況を鑑みれば、カタログ燃費の13.2km/Lを僅かながらも上回ったのは素直に評価していいだろう。
![復路、首都高速4号線の永福パーキングエリアでの車載燃費表示。この時点では19.3km/hを示していた。](https://motor-fan.jp/images/articles/10006082/big_804466_201810152000340000001.jpg)
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