日立製作所:生産工程全体の最適化を支援する「IoTコンパス」を販売開始
MotorFan / 2018年10月20日 8時45分
日立製作所は、生産設備の稼働状況や環境情報などのOT*1データおよび生産計画や在庫管理などのITデータをデジタル空間上で紐付けることで、継続的かつタイムリーなAI分析やシミュレーションを容易にし、生産工程全体の最適化を支援するソリューション「IoTコンパス」を11月19日から販売開始する。
本ソリューションは、鋳造やプレス加工、溶接、塗装、組み立てなどさまざまな生産工程における業務と、各業務で発生し点在するOT/ITデータを、データ間の「つながり」で定義・連結する独自のデータモデルによりEnd To Endで紐付け、必要なデータの抽出や分析を容易にする。これにより、従来は専門的な知識や膨大な時間を要していた複数工程のOT/ITデータの利活用を促進し、外部環境にあわせ組み替えが頻繁に行われる複雑な生産ラインにおいても、データ分析から得られる予測を常に更新しながら、生産計画の最適化や安定稼働など現場改善へ適用することが可能になる。
なお、本ソリューションは、トヨタ自動車との高効率生産モデル構築に向けた協創*2の一環として、自動車製造を担うモデル工場での共同実証に先行適用している。現在、さまざまな現場のOT/ITデータを活用し、全体最適に向けた高速PDCAによる改善に取り組んでいる。
近年、製造業では、顧客ニーズの多様化やデジタル化の進展などにより、市場環境が急速に変化しており、デジタルツイン*3の考え方に基づいた高効率な生産システムの構築が注目されている。その実現には、生産現場の各工程に点在する多種多様な現場データを集約して工程全体をデジタル空間上に再現し、全体最適化視点によるデータ分析を継続的に試行することが重要だ。しかし、各工程に保管されているさまざまな設備稼働データや個別に構築している各種業務システムのデータを統合し分析するためには、データサイエンティストなどが有する高度な専門知識と膨大な時間が必要であり、工程全体のデータを分析して得られた予測をタイムリーに現場改善に反映する上で大きな課題となっていた。
本ソリューションは、さまざまな工程に個別に蓄積されているOT/ITデータの集約・整備を容易にし、AI分析やシミュレーションによる継続的な生産業務の改善を可能にするデータ活用基盤を提供する。
今回、日立は、自ら製造業として長年培ってきたノウハウと、データ間の「つながり」を記録するグラフデータベース*4の考え方を基に、生産業務と4M*5データから構成される独自のデータモデルを確立した。このデータモデルを用いて各工程の個別システムに蓄積されているOT/ITデータ間の関連付けを簡略化することで、生産工程全体にわたるさまざまな業務とデータの関係を視覚的に分かりやすく見える化する。また、生産工程の追加や変更が発生した場合にも同じデータモデルを用いて速やかにデータ連携を行うことが可能。これらにより、現場作業員や生産管理者などITの専門知識を有していない担当者でも必要なときに必要なデータを容易に抽出・統合することができるようになり、データ分析のPDCAサイクルを回す工数を大幅に削減する。例えば、ある工程で特定製品に不具合が発生した場合、その他の工程の材料や品質のデータ、生産計画データなどを抽出し分析することで、不具合の原因や影響範囲を迅速に特定するなど、工程全体の最適化に向けた取り組みを外部環境の変化に応じて継続的に行うことが可能だ。
*1 OT:Operational Technology(制御・運用技術)
*2 2017年10月4日ニュースリリース「トヨタと日立がIoTプラットフォームを活用した高効率生産モデル構築に向けて協創開始」
*3 工場や製品などに関わる物理世界の出来事を、そのままデジタル上にリアルタイムに再現するコンセプト。実際に製造する工場や出荷する製品をあたかも双子のように現実世界を模したシミュレーション空間を構築し、現実の工場の制御と管理を容易にする手法。
*4 モノとそのつながりを抽象化して表すグラフ構造を持つデータベース。ノード(人やモノ)を起点として、つながりをたどることで、条件にあったデータの検索が可能。
*5 4M:Man(人)、Machine(設備)、Material(材料)、Method(方法)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本オートマチックマシン、ビジネスエンジニアリングのIoT技術を組み込んだ全自動端子圧着機を提供開始
PR TIMES / 2025年1月14日 14時45分
-
【抄訳】GlobalLogicとHitachi Systems Trusted Cyber Managementが最先端のセキュリティ監視センター(SOC)をポーランドに開設
PR TIMES / 2025年1月10日 12時45分
-
【設備監視DX】ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングのBizStack活用事例を公開
PR TIMES / 2025年1月9日 11時15分
-
京葉銀行の次世代勘定系システムが稼働開始
PR TIMES / 2025年1月6日 18時15分
-
日立の統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia」に、AI を活用したバッテリー充放電制御、空調計画最適化の機能を拡充
PR TIMES / 2024年12月17日 14時15分
ランキング
-
1賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
ねとらぼ / 2025年1月15日 7時30分
-
2「室内寒暖差がつらい…」その要因と対策が明らかに! - 三菱電機が紹介
マイナビニュース / 2025年1月14日 16時10分
-
3芸能人なぜ呼び捨て?「日本語呼び方ルール」の謎 日鉄会長の「バイデン呼び」は実際に失礼なのか
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 9時20分
-
4バイトをしているコンビニでは廃棄商品の持ち帰りは禁止されています。もう捨てる商品なのになぜダメなのでしょうか? 捨てるほうがもったいない気がします。
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月14日 5時0分
-
5靴下真っ黒で徘徊…87歳老母が冷凍庫に隠していた「うなぎパック50個」の賞味期限を知った50代娘の切なさ
プレジデントオンライン / 2025年1月15日 10時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください