古河電工:準ミリ波レーダによる「逆走検知システム」を開発
MotorFan / 2018年11月26日 17時25分
古河電工は、自動車の先進運転支援システム(注1)用として量産している「24GHz(注2) 周辺監視レーダ」の技術を応用して、高速道路での逆走による事故の未然防止に貢献する「逆走検知システム」を開発した。
高速道路での逆走は重大事故につながる可能性が高いため、これまで逆走を起こさせないための各種の取り組みがなされてきたが、発生件数は横ばいである。このことから逆走が起きた場合、逆走車のドライバーに気づかせることや他のドライバーに逆走車が走行していることを知らせるための信頼性の高い検知システムが求められていた。
古河電工の開発した準ミリ波レーダによる逆走検知システムは、従来の一般的な検知方式(カメラ画像処理方式、レーザ方式等)と比べて、昼夜を問わず日射の影響を全く受けず、更に雪・雨・霧などの気象条件下でも安定した検知が期待できる。
■ 移動体の位置・速度・方向を検知
移動体の位置、移動方向と移動速度を一定時間検出追跡することで逆走車かどうか判定する。このためノイズや飛来物などの誤検知要因の影響を受けにくい設計になっている。
■ 屋外環境下で安定した検知
レーダは24GHz帯の電波を使用しているため、昼・夜・逆光などの日射の影響を受けない。また、雪/雨/霧の影響を受けにくいため、様々な屋外環境下で安定した検知が期待できる。
■ 容易な設置
レーダは道路脇のポール等に取り付けることができる。このため車線規制を伴う道路上での作業を削減できる。
古河電工は平成29年3月に「高速道路における逆走対策技術の公募」(注3)で選定され、実道路において各種天候下で昼夜の検証を行い、高いレベルでの検知率を実現した。
なお、古河電工は2018年11月28日(水)、29日(木)に東京ビッグサイトで開催されるハイウェイテクノフェアに出展する。
(注1) 自動車に搭載されたレーダ・カメラ・各種センサーを利用し、自動車を安全に運転できるよう支援する車載システムの総称。
(注2) 古河電工の準ミリ波レーダは、周波数24.05~24.25GHzを使用する“移動体検知センサー用特定小電力無線局”として認可されている。
(注3) 国土交通省では、2020年までに高速道路での逆走事故をゼロにすることを目指しており、この方針を受けて平成28年11月に、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会が、社民間企業等から逆走対策技術を募集した。古河電工は「テーマ[Ⅱ]道路側で逆走を発見し、その情報を収集する技術」に選定された。
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