富士通:「高知県園芸品生産予測システム」を開発し、AIで生産量を予測する共同実証を開始
MotorFan / 2018年12月6日 15時30分
富士通は、高知県、Nextremerと共同で、生産者の安定的な農作物の生産と取引の実現に向けて、「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド AkisaiPF(アキサイプラットフォーム)」を活用し、農作物の生育から出荷までのデータを一元管理するとともに、AIを活用し最長3週間先の生産量を予測する「高知県園芸品生産予測システム」を開発し、2019年1月下旬より、実証を開始する。高知県は本システムにより、農産物の出荷情報の迅速なフィードバックや、生産性や質の向上に向けたきめ細かい営農指導を生産者に対して行えるようになる。また、生産量を高精度に予測することで、高知県が目指す大口予約相対取引(注1)の増加につながることも期待できる。高知県では、本検証結果を踏まえて、2019年3月より、「高知県園芸品生産予測システム」の本運用を開始する予定。
高知県では、農業協同組合様の各集出荷場からの農作物の出荷時に、機械で等階級(注2)を自動判別するとともに、長さや太さ、曲がりなどの品質データを記録し、翌日以降に出荷データとして生産者に紙で手渡していますが、農作物の生産過程に活かされておらず、また、販売面においても、近年増加傾向にある量販店などの大口予約相対取引において、最低でも2~3週間先の出荷量を把握できないと有利な条件で取引できないという課題があった。
これらの課題を解決し、生産者の安定的な生産と取引を支援するため、3者は、ハウス内の環境データや気象データを含む生育データおよび出荷データを一元管理し、AIで最長3週間先の生産量を予測する「高知県園芸品生産予測システム」を共同開発し、本システムの実証を開始する。
「高知県園芸品生産予測システム」の共同実証の概要
■ 目的:
・農作物の生育から出荷までのデータを一元管理し、生産性と品質向上に向けた営農指導を強化
・農作物の生産量を予測することで安定的な取引を支援し、大口予約相対取引を強化
■ 期間:2019年1月下旬から2019年2月28日まで(予定)
■ 場所:高知県、高知市、安芸市、芸西村の各生産者
■ 対象データ:
ハウス内の環境データ(温度、湿度など)、気象データ(気温、降水量など)、生育データ(着花数や着果数など)、出荷データ(農作物の荷受重量や正味重量など)、品質データ(等階級、長さや太さ、曲がりなど)
■ 対象農作物:ナス、キュウリ、ピーマン
■ 実証内容:
1. 農作物の生育から出荷までのデータを一元管理
対象となる生産者が、ハウスで生産する、ナス、キュウリ、ピーマンの生育データや環境データ、気象データ、および集出荷場に持ち込んだ農作物の品質データと出荷データを「高知県園芸品生産予測システム」で一元管理し、営農指導への活用などにおける有効性を検証。
2. 出荷情報を生産者へ迅速に共有
生産者は最短で出荷翌日に、パソコン、タブレット、スマートフォンなどから本システムで管理する出荷情報を確認でき、品目ごとに組織される生産者部会(注3)単位でも閲覧できる。これにより、生産者における生育管理や収穫時期の調整などへの有効性を検証する。
3. AIを活用し農作物の生産量を予測
生産者がハウスで栽培するナスの生育データ(着果数など)とハウス内の環境データおよび気象データ(予報)をNextremer社が開発した生産予測AIに教師データとして学習させ、最大3週間先の収穫量を予測できる。また、キュウリ、ピーマンについても順次生産予測を開始する予定。
高知県では、本実証で得られる知見を生かし、生産予測の精度向上を行い、生産者向けのサービスのさらなる充実を目指す。富士通は、同様のサービスを全国に展開し、効率的な農作物の栽培管理や単価上昇による収入増加など生産者の方への貢献も目指す。
注1 予約相対取引:卸売業者と仲卸業者または売買参加者との間において、あらかじめ締結した契約に基づいて確保した物品の卸売りを行うこと。
注2 等階級:農作物の品質を表す等級と大きさを表す階級の総称
注3 生産者部会:農作物の生産者の集まり。地区ごと、作物ごとに生産者部会が結成されることが多い。
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