AGC:5G向け合成石英ガラスアンテナを開発
MotorFan / 2018年12月6日 16時0分
AGCは、伝送損失が低くて透明な、5G※1向け合成石英ガラスアンテナの開発に成功した。今後、車載用や室内外用アンテナ等での実用化に向けた研究開発を進め、2019年からサンプル提供を開始する。
あらゆるモノがインターネットに接続するIoTの時代を迎え、2020年頃から5Gの運用開始が見込まれており、28GHz帯以上の高周波数帯を利用するアンテナ用基板には、伝送損失の低い材料が求められている。そこでAGCは、伝送損失が極めて低く、周波数28GHz帯以上を利用する機器デバイスやインフラに最適なアンテナの開発を進めてきた。
今回開発した合成石英ガラスアンテナは、28GHz帯向けとしてAGCが開発したアンテナ設計技術を、同社の合成石英ガラスAQに適用させることにより、超低伝送損失※2特性を実現している。また、独自の微細加工を行うことによりアンテナパターンを透明化することに成功。視認エリアへ設置しても美観や景観を損なわず、視界の遮りを極力抑えることができることから、車載用や室内外用といった分野において最適なアンテナとなる可能性がある。
AGCグループは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」において、モビリティおよびエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付けている。なかでも 5G の実用化を大きな事業機会と捉えており、これまでコネクテッドカー向けオンガラスアンテナや既存窓を基地局化できるガラスアンテナの開発、プリント基板用材料フッ素樹脂の生産増強、米国企業のプリント基板材料リジッドCCL(銅張積層板)事業部門の買収などに取り組んできた。今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化させ、次世代高速通信技術の発展に貢献すると共に、積極的に事業を拡大していく。
※1 第5世代移動通信システムのこと。「高速大容量」「超高速信頼性・低遅延」「超大量接続」が要求特性。
※2 通信線路上に流れる電気信号の劣化度合いが極めて低いこと。
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