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639psと900Nm! ハイパフォーマンスサルーンの頂点現る AMG GT 4ドアクーペ

MotorFan / 2018年12月16日 11時55分

639psと900Nm! ハイパフォーマンスサルーンの頂点現る AMG GT 4ドアクーペ

GTを名乗るからには、それに相応しい超高性能でなければならない。メルセデスAMGが新たに開発したGT4ドアクーペはポルシェ・パナメーラやアウディRS7スポーツバックを倒すべく登場したハイパフォーマンスGTだ。639㎰を発する4ドアモンスターを一般道とサーキットで堪能した。 REPORT◉島下泰久(Yasuhisa Shimashita) PHOTO◉Daimler AG

打倒パナメーラ


 ポルシェをライバルと見据えるメルセデスAMGのオリジナルモデル最新作がメルセデスAMG GT4ドアクーペである。車名から想像するのはメルセデスAMG GTのストレッチ4ドア版だが、実は中身もコンセプトも別物。911イーターの2ドアに対して、こちらの標的はポルシェ・パナメーラである。

 全長5mを超える4枚のドアとテールゲートを持つボディは、アルミボディの2ドアとは構造的に共通点の無いスチール製モノコック。つまりCLSやEクラスなどのデザイン違いかと思いきや、ホワイトボディを見ると要所に軽量かつ高剛性のアルミダイキャスト製パーツが奢られ、補強用のガゼットやクロスメンバー、ステーがあちこちに取り付けられた上に、後席バックレスト背後の隔壁とラゲッジフロアをCFRP製とするなどして、まるで別物の強靭な体躯が造り出されている。

 ラインナップは4.0ℓV型8気筒ツインターボエンジンを積むGT63/GT63 S 4マティック+に加えて、3.0ℓ直列6気筒ターボエンジンと電動スーパーチャージャー、ISGを組み合わせたGT53 4マティック+、そしてGT43 4マティック+まで揃う。いずれも可変トルク配分式のAMGパフォーマンス4マティック+を採用。シャシーは、V型8気筒モデルにエアサスペンション、電子制御式LSD、後輪操舵機構などを搭載し、それ以外はコイル式サスペンションに減衰力可変式ダンパーを組み合わせる。また、フロントエプロン下部のパネルとリヤスポイラーを速度など走行状況に応じて可変させるアクティブエアロシステムも装備する。


 インテリアは2ドアと違って、ラグジュアリーな最新のメルセデス・ベンツ様式に準じる。ドライバーの眼前にはお馴染みワイドスクリーンコクピット。2ドアに通じる雰囲気のセンターコンソールには、1個1個にTFTディスプレイを埋め込んだ各種スイッチが並ぶ。また、ドライブプログラムの選択ダイヤルが、ポルシェと同じようにステアリング上に移されている。

 雰囲気はラグジュアリーだが、フロントシートはタイトなホールド感を持ち、空間的にもスポーツカー的な囲まれ感がある。後席は、背もたれの角度は起きているし座面も大きくはないが、3人掛け、左右独立の2人掛け、さらにはその大型コンソール付きとバリエーションは豊富だ。

最新メルセデスの流儀に倣った12.3インチコクピットディスプレイを採用する。速度計、タコメーター、ナビの案内などの情報を表示することが可能だ。ドライブモードはステアリングスイッチから選択できるようになった。

 ラゲッジスペースの容量は395ℓで、床下にも60ℓの収納が用意される。ベンチタイプの後席を選べば、バックレストを前倒しして、最大1324ℓというスペースを確保することも可能となる。

 テキサス州オースティンで行われた今回の国際試乗会。まず乗ったGT63 S 4マティック+は、そのボディの剛性感の高さに唸らされた。これほどガッチリしたボディ、市販車で他に乗ったことがあっただろうか? サスペンションは相当締め上げられているのに、鋭い突き上げも難なくいなすその乗り味には、それだけで圧倒されてしまう。



GT63 S 4マティック+のフロントシートはホー ルド性に優れるスポーツシートを採用する。ラゲッジスペースは395ℓとなり、床下に60ℓの収納スペースも用意されている。

 最高出力639㎰、最大トルク900Nmを誇るだけに動力性能も申し分無い。2tを超える車重も何のその、凄まじい加速を披露する。しかもこのエンジン、初めてボールベアリング式タービンが採用されていて、吹け上がりがより緻密で滑らかになっているから、回さなくても豊かな味わいが感じられるのだ。

 F1アメリカGPの舞台としても知られるサーキット・オブ・ジ・アメリカでの試乗は素晴らしい体験となった。アップダウン激しく、複合コーナーが続くコースをまったく苦にすることなく、思った通りのラインを容易にトレースできるコントロール性の高さ、ステアリングの正確さは、クルマの大きさ、重さを忘れさせる。テールスライドも漸進的で、滑りながらもクルマが前へ前へと進んでいくから、どうにでもコントロールできるという気になる。ブレーキの効きも秀逸。パワーについては改めて言うまでもないという感じで、期待をはるかに超えるドライビングプレジャーを味わえた。

GT63 S 4マティック+に搭載されるのは最高出力639㎰、最大トルク900Nmを発生する4ℓV8ツインターボエンジンとなる。このほか3ℓ直6ターボを積むGT53もラインナップ。

 続いて一般道で乗ったGT53 4マティック+も、サスペンションがそこまで締め上げられてはおらず、強靭なボディと相まって乗り心地は極上。直列6気筒のスムーズさと相まって、上質なスポーツ性を満喫できた。サーキットに行かないならば、この選択もアリだろう。

 正直に言うと、EクラスやCLSのデザイン違いプラスアルファくらいのクルマなのではと想像していて、それ故に乗ってとにかく驚いたし感動させられたというのが本音である。パナメーラの購入を検討している人は、一度立ち止まって考えてもいいかもしれない。ただし、導入は来年中盤辺りになりそうだ。

※本記事は『GENROQ』2018年12月号の記事を再編集・再構成したものです。

メルセデスAMG GT63 S 4マティック+4ドアクーペ
■ボディサイズ:全長5054×全幅1871×全高1447㎜ ホイールベース:2951㎜ トレッド:Ⓕ1669 Ⓡ1664㎜
■車両重量:2120㎏
■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3982㏄ 最高出力:470kW(639㎰)/5500~6500rpm 最大トルク:900Nm(91.8㎏m)/2500~4500rpm
■トランスミッション:9速AT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕ4リンク Ⓡマルチリンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ(リム幅):Ⓕ265/40R20(9.5J) Ⓡ295/35R20(11J)
■パフォーマンス 最高速度:315㎞/h 0→100㎞/h加速:3.2秒 
■環境性能(EU複合モード) CO2排出量:257g/㎞ 燃料消費率:11.3ℓ/100㎞

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