ハーレーダビッドソンの新型7車種を一気試乗! キャラの違いが丸わかり
MotorFan / 2018年12月19日 19時30分
最新モデル試乗会には既報のソフテイルFXDR114をメインに多くのバリエーションが揃えられた。ツーリングファミリーに搭載のインフォテイメントシステムも日本語対応の最新バージョンに進化。金沢をスタートし二日を掛けて石川県の日本海沿岸沿いから能登半島を横断するルートで7台の新機種をチェックした。 REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO⚫️ハーレーダビッドソン ジャパン
ソフテイル FXDR114 ・・・・・・・・・・・2,862,000円〜
![怒涛のダッシュ力を誇るド迫力マシン。低く身構えて前方に睨みを利かす走りは凄みがある](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846348_201812131427020000001.jpg)
ソフテイルは10機種のラインナップを誇るが、その多くは1745ccのミルキーウォーキーエイト107を搭載。3機種に関しては114も選択できるが、唯一114専用としているのがFXDRだ。最大トルクは160Nmを3500rpmで発生する。手足を前方に伸ばすスタイルとなるライディングポジションは大柄だが乾いたズ太い排気音と共に迫力満点な乗り味を直感。
スロットルレスポンスに遅滞はなく、確実に地面を蹴りだしてドカンとダッシュする加速フィーリングは凄味があり、ドラッグレーサーをイメージしたコンセプト通りの仕上がりに、「なるほど!」と頬が緩んでくる。バンク角は左右共に33度弱でコーナリングを得意とするタイプではないが、操縦性はとても素直。しかもタイヤのグリップ力は確かで、少々乱暴なスロットル操作に対しても滑る気配は感じられず、安心感がある。右手ひと捻りで得られる怒濤の加速力は魅力。気分をリフレッシュできる事は請け合いである。
![これほどまで大胆なデザインはFXDRならでは](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846350_201812131628070000001.jpg)
![車体はボリューム感たっぷりだが、シート高は720mm。ご覧の通り足つき性は良い](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846350_201812131628070000002.jpg)
■主要諸元
エンジン Milwaukee-Eight 114
排気量 1,868cc
ミッション 6速
全長 2425mm
シート高 720mm
フロントタイヤ 120/70ZR-19 60W
リアタイヤ 240/40R-18 79V
燃料タンク容量 16,7L
車両重量 303kg
ツーリング・ストリートグライドスペシャル・・3,280,800円〜
![ツーリングファミリーの中では、使い心地が軽快。気軽な旅道具に良い。虹に迎えられてしばし日本海の夕景を眺める](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846354_201812131557090000001.jpg)
ツーリングファミリーの中では比較的スマートに仕上げられたデザインが印象的。実際車重はロードキングに次ぐレベルの軽さで380kgに満たない。フロントのフェアリングも比較的コンパクトなデザインがマッチされており、大きく重いウルトラ系と比較すると第一印象はかなり親しみやすい。
あくまで比較論であり400kg近い車重が軽いハズはないのだが、跨がり、車体を引き起こす時の挙動と雰囲気は、間違いなく軽いと感じることができた。ツーリングファミリーとは言え、長旅向きはウルトラ系に任せ、日帰り等の少々ライトな旅に相応しい仕上がりに差別化されているわけだ。
しかもこのスペシャルには標準搭載の107(1745cc)ではなく114(1868cc)エンジンを搭載。前者の最大トルクは150Nm/3250rpmに対して後者は163Nm/3000rpmを発揮する。当然、スロットルレスポンスは逞しく快適な走りには常に余裕綽々の乗り味が楽しめる。
■主要諸元
エンジン Milwaukee-Eight 114
排気量 1,868cc
ミッション 6速
全長 2425mm
シート高 690mm
フロントタイヤ 130/60B-19 61H
リアタイヤ 180/55B-18 80H
燃料タンク容量 22,7L
車両重量 379kg
ツーリング・ウルトラリミテッドロウ・・・・・3,864,800円〜
![足つき性抜群。渋滞等、発進停止が頻繁なシーンでも安心して扱える](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846358_201812131444580000001.jpg)
既に上級の117(1923cc)エンジンを搭載するCVO系もラインナップに加わっているが、ハーレーダビッドソンのブランドを古くから牽引してきた定番中の定番モデルがFLH系と呼ばれるこれ。今はウルトラ系と呼んだ方が、通りが良いかもしれない。今回特別に試乗させて頂いたULTRA LIMITED LOW。基本的にはULTRA LIMITEDそのものだがシート高を低くおさえたデザインを採用。もともと740mmのシート高は、一気に65mmものローダウンに成功し675mmになっていた。車重はなんと412kg。巨大な重量車を扱うのはとかく慎重になるものだが、大きなシートにリラックスして腰を落とした状態でも、両足は楽に地面を捉えることができ、膝にも大きなゆとりがある。
にも関わらず、サスペンションの衝撃吸収性は悪くない。荒れた路面もスムーズに衝撃をいなしてくれ、乗り心地の快適性は損なわれていなかった。体格的に不安を抱えている人には素直にお薦めできる1台だ。
■主要諸元
エンジン Milwaukee-Eight 114
排気量 1,868cc
ミッション 6速
全長 2600mm
シート高 675mm
フロントタイヤ BW 130/80B-17 65H
リアタイヤ BW 180/65B-16 81H
燃料タンク容量 22,7L
車両重量 412kg
スポーツスター・フォーティエイト・・・・・・1,490,000円〜
![峠道でもなかなかスポーティな走りを楽しむことができる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846362_201812131449010000001.jpg)
スポーツスターはミッション一体型の空冷Vツイン・エボリューションエンジンを搭載しているのが特徴。バリエーションとしてはこの1202㏄の他に883ccエンジンもあって、ハーレーブランドの中では親しみやすい存在。エンジンの基本設計が古いだけに昔ながらの雰囲気があり、ハーレーらしい乗り味が楽しめるバイクでもあるのだ。軽量シンプルデザインを誇りピーナッツタンクと呼ばれる燃料タンクも容量は7.9Lと小さめ。写真からもわかる通りハンドルバーの下側にマウントされたブラックミラーは目立たず、シングルシートを合わせた外観デザインはスッキリとスマートかつエンジンは大きく見えて堂々たる雰囲気が漂う。
相変わらず右膝にあたるエアクリーナーが邪魔だが、走り始めるとそんな事はどうでも良い気分になり、早くもハーレーマジックにかかる自分に気付くだろう。太いトルク感と排気音。エンジン回転を上げなくても余裕ある出力特性はライダーの気持ちを大きくしてくれる。
■主要諸元
エンジン 空冷Evolution
排気量 1,202cc
ミッション 5速
全長 2165mm
シート高 710mm
フロントタイヤ 130/90B-16 73H
リアタイヤ 150/80B-16 77H
燃料タンク容量 7,9L
車両重量 252kg
スポーツスター・フォーティエイトスペシャル・1,524,400円〜
![標準的アメリカンフォルムは、自由なライフスタイルを象徴してくれる](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846366_201812132214210000001.jpg)
基本的な構成はエンジンや車体、ホイールもFORTY-EIGHT と共通だが、シリンダーヘッドはブラックアウトされ、逆にクランクケースカバーは綺麗に輝く仕上げが成されている。マフラーやタンクの意匠も差別化されているが、一番大きな違いは大胆にアップされたプルバックハンドルの装備にある。
両手足を前方に伸ばす様な姿勢となるFORTY-EIGHTに対して、同スペシャルはホースバックライディングを彷彿とさせるいわゆるアメリカンスタイル。ライダーの上体が起き、前方からの風を全身で受け止めつつ、パノラマの様に広がる前方視界をフルに楽しみながらクルージングするに相応しい感じだ。
1202㏄の空冷Vツインエンジンは、3500rpmで96Nmの最大トルクを発揮。早く走ろうとは思わないが遅い印象は皆無。むしろ逞しさに溢れるスロットルレスポンスと湧き出るような底力が気持ち良い走りを楽しませてくれるのだ。
■主要諸元
エンジン 空冷Evolution
排気量 1,202cc
ミッション 5速
全長 2165mm
シート高 705mm
フロントタイヤ 130/90B-16 73H
リアタイヤ 150/80B-16 77H
燃料タンク容量 7,9L
車両重量 256kg
スポーツスター・アイアン1200・・・・・・・1,366,200円〜
![風を心地良いと感じられる。全身で風を受け止める爽快感は格別](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846370_201812132220210000001.jpg)
どこかスポーツスターの原点を彷彿とさせるスタイリング。12.5L容量タンクのグラフィックデザインも、70年代風である。一人乗りと割り切ったシングルシートやエイプハンドルと呼ばれた大胆なプルバックハンドルの装備。そしてフロント19/リヤ16インチタイヤの装着に懐かしさを覚える。
搭載エンジンは1202ccの空冷エボリューション。クランクと5速ミッションが一体構造の45度Vツイン。アメリカの人気TVムービーで、放浪の旅をしながら数々のドラマに遭遇する主人公がこの手のスポーツスターに乗っていたのが思い出された。
エンジンの鼓動を感じられる震動と排気音やあえて低回転を使った時に生じる身震い。直進安定性に富む乗り味など、先程の自由を謳歌するドラマの主人公と思いが重なり、とても自由気ままな開放された気分に浸ることができる。その快適性がたまらない。日本でも大き過ぎないサイズ感も魅力的である。
■主要諸元
エンジン 空冷Evolution
排気量 1,202cc
ミッション 5速
全長 2200mm
シート高 735mm
フロントタイヤ 100/90B-19 57H
リアタイヤ 150/80B-16 77H
燃料タンク容量 12,5L
車両重量 256kg
ソフテイル・ストリートボブ・・・・・・・・・1,799,000円〜
![お手頃価格で最新のミルウォーキー・エイト107 の走りが楽しめる。走りはスムーズで逞しい](https://motor-fan.jp/images/articles/10006995/big_846374_201812131541100000001.jpg)
ハーレーダビッドソンの中で最も多くのバリエーション展開を図っている人気ブランドがソフテイルだ。最新のFXDRを加えて実に10機種、エンジン違いも含めると14機種ものラインナップがある。その中で最もベーシックな存在がこのストリートボブだ。まずは価格が唯一200万円を切る、ビビッドブラックを選べば179万9000円である。そしてミルウォーキーエイトのエンジンを搭載する中で最も廉価だ。余談ながら同エンジン搭載車で唯一車重が300kgに満たないのもこれである。
1745ccの45度Vツインエンジンから発揮される最大トルクは145Nm/3000rpm。このエンジンは強力なトルクをスムーズに発揮してくれ、その余裕ある走りが気持ち良い。別体式トランスミッションは6速でクルージング時のエンジン回転も低めで快適。極端にアップされたブラックバーハンドルで風はまともに食らうが、それを気持ち良いと感じられる季節に走らせると頬が緩むことは間違いない。後方へストレートに伸びるブラックのツインマフラー。前後スポークホイールのリムもブラック仕上げ。フロントフォークにはラバーブーツが採用され全体的にワイルドな雰囲気も漂い気分転換には最適である。
■主要諸元
エンジン Milwaukee-Eight 107
排気量 1,745cc
ミッション 6速
全長 2320mm
シート高 680mm
フロントタイヤ 100/90B-19 57H,BW
リアタイヤ 150/80B-16 77H,BW
燃料タンク容量 13,2L
車両重量 297kg
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