日本未導入のまま消えるボクサーディーゼル──スバルEE20
MotorFan / 2018年12月24日 10時35分
■ EE20 シリンダー配列 水平対向4気筒 排気量 1998cc 内径×行程 86.0mm×86.0mm 圧縮比 16.3 最高出力 110kW/3600rpm 最大トルク 350Nm/1600-2400rpm 給気方式 ターボチャージャー カム配置 DOHC ブロック材 アルミ合金 吸気弁/排気弁 2/2 バルブ駆動方式 ロッカーアーム 燃料噴射方式 DI VVT/VVL ×/×
スバルのアイデンティティである水平対向レイアウトを、ディーゼルにも適用した世界初の乗用車用ボクサー4ディーゼルとして2008年デビュー。ボアピッチは6気筒ガソリンのEZ36と共通で他にも多くの部分の寸法をEZと共用している。
ショートストローク一辺倒だったスバルで、ボア×ストロークが初めてスクエアとなったのが大きな技術的トピック。ガソリンエンジンのFBシリーズではさらにロングストロークとなっているのでこれが限界ではないはずだが、高圧直噴のディーゼルではボアが小さいと噴射した燃料がシリンダー壁に付着してオイルを希釈し潤滑に問題を発生するから、寸法的には妥当なところなのだろう。最新のFA20DITではオープンタイプとなるシリンダーがEJシリーズと同様のセミクローズなのはディーゼルならでは。燃焼圧力が高く音振的に厳しいディーゼルだが、完全バランスの水平対向形式はバランサーの装備を不要にしている。
2015年には下に挙げるアップデートを施し、ユーロ6への対応を実現させている。しかしながら、2020年をめどにディーゼルエンジンは生産中止となる。
EE20の燃料インジェクターは従来からの専用品で、短い全長でも高い性能を発揮するデンソー製。2015年のリファインで噴射圧を180MPaから200MPaに引き上げた。複雑な配管は水平対向ならではの難しさである。
排気ポート直後から排ガスを取り入れて吸気に混ぜるEGRの配管も見直された。水平対向はここがトランスミッションとの狭い隙間となっていて、レイアウトが難しい。
こちらは新たに追加されたロープレッシャーEGRで、エンジンから遠い場所で温度の下がった排ガスを取り込む。EGRクーラーも加えて燃焼温度の低下とレスポンスの向上を図っている。
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