スズキ・ジムニーシエラ、クロスビー、ホンダ・ヴェゼル コンパクトカーのSUV&スペシャリティクラス比較(1)【写真で見るライバル比較シリーズ】
MotorFan / 2018年12月26日 12時10分
◆世界的に人気のSUVと、大注目の新型ジムニーシエラ 『SUV&スペシャリティクラス』
◆SUV&スペシャリティクラスとは?
都会派のトップセラーとなるヴェゼルを筆頭に、スタイリングとパワートレーンに優位性を持つCX-3。はたまた本格クロカン4WDのジムニーシエラ、ワゴンとSUVが融合したかのようなクロスビー、コンパクトハッチとSUVテイストが盛り込まれたイグニス、本格4WDスタイルながら洗練スタイルのエスクードなど、このクラスのスズキの充実ぶりにも注目したい。
①オーバーフェンダーで差別化したワイド版ジムニー・・・スズキ・ジムニーシエラ
![スズキ・ジムニーシエラ](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879964_201812251532220000001.jpg)
伝統のラダーフレームを継承
後席シート格納でフラットに
世界最小にして最強の悪路走破性を備えるのが、スズキ・ジムニー。その登録車版が、ジムニーシエラだ。
基本構造は、軽ジムニーとまったく同じのジムニーシエラ。はしご形に組まれた強固なフレームの上に、ラバーマウントを介して鈑金製のボディを載せている。
サスペンション形式も、前後3リンクコイルリジッド式と同じだが、軽の寸法枠に縛られないため、アクスルチューブを伸ばしてトレッド(左右のタイヤの距離)を拡大。タイヤサイズもジムニーの175/80R16に対し、シエラは195/80R15と、太くて空気量の大きいものを使用している。
ジムニーシエラのボディシェルそのものは、軽ジムニーと完全に共用で、全長の違いはバンパーのデザインによるもの。全幅の違いはオーバーフェンダー(とトレッド)によるものなので、室内の広さや使い勝手は、軽ジムニーとまったく変わらない。コンパクトカークラスとしては広いとは言えないが、平均的日本人男性なら普通に座れる後席空間も確保されている。
ジムニーシエラのグレード構成は「JC」と「JL」のふたつだけで、廉価グレードの「JL」でも、後席は5対5分割でリクライニング&折り畳みが可能。人数分のヘッドレストも標準装備される。
後席を折り畳み、前席をフルリクライニングさせれば、身長180㎝ぐらいまでなら横になれるスペースがつくれる。荷物の置き場を工夫する必要があるが、車中泊しやすいのはアウトドア派にうれしい。
![悪路走行時に車体の傾きを把握しやすい直線基調の無骨なデザイン。箱型の計器風メーターパネル(ボルトは雰囲気を演出するダミー)を採用して懐かしい80年代の“ヨンク” テイストを盛り込むなどツボを刺激する意匠が秀逸だ。ナビは見やすい位置で好印象。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879966_201812251538230000001.jpg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879966_201812251538230000002.jpg)
②遊び心溢れる唯一無二のクロスオーバー・・・スズキ・クロスビー
![スズキ・クロスビー](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879969_201812251547140000001.jpg)
ワゴンとSUVの良さを両立
操作性に優れ広々室内も美点
新ジャンルを産み出すのが得意なスズキから、またまた新カテゴリーが登場した。その名も小型クロスオーバーワゴン「クロスビー」である。
ワゴンとSUVのいいとこ取りをした……と聞くと、大ヒットを記録した軽自動車のハスラーが思い浮かぶが、こちらのクロスビーは「デカハスラー」の呼び声も高いほど、デザインもよく似ている。
そのおかげで、ワゴンの利便性はそのままに、SUVの逞しさや走破性を盛り込み、四角いボディの丸目という永遠のアイドル顔デザインを施すといった、今の時代の最強モデルに仕上がっている。
インパネまわりなどはラフロードでも傾きがわかりやすい水平基調を採用。トグルスイッチなどで遊び心を持たせつつ、そのスイッチを大き目にすることで、グローブをはめたままでも操作できるようにとの配慮が伺える。
さらに後部座席はビックリするほど広い。ベースとなるのがソリオなので、スペースは広々。飛行機のごとく前席の後ろにテーブルが装備されているのも納得できるほどだ。その上、後部座席は165㎜ほどスライドするので、荷物の量に合わせてフレキシブルに対応できる。
パワートレーンは、1.0ℓ直列3気筒ターボ。99㎰/15.3㎏mを発揮する。車両重量がFFで960㎏、4WDでも1,000㎏しかないので、とにかくパワフルなのも、クロスビーの特徴のひとつなのだ。
![ナビ画面下やシフトレバー左側の空調スイッチなどアウトドアギア的な武骨さを表現するとともに、ホワイトのパネルをコーディネートして個性を強調。ウォークスルー性を考えたインパネシフトの採用はワゴン的だが、一方でスイッチの操作性の良さは隠れた美点。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879971_201812251547140000001.jpg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879971_201812251547140000002.jpg)
③グローバル市場を席巻する大ヒット作・・・ホンダ・ヴェゼル
![ホンダ・ヴェゼル](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879974_201812251603030000001.jpg)
格上の居住性と荷室空間
外装はSUVとクーペの融合
コンパクトカーというには、見た目も実寸も大きいヴェゼル。全幅1,770㎜は、コンパクトカーの中で最もワイドなサイズといえる。とはいえSUVとして見れば、グローバル市場ではBセグメントの範疇で“HR-V”の名で販売されて好評を博す。その一方、日本でもデビューから3年連続SUVの年間販売台数第1位を獲得するヒットモデルとなっている。
ホンダ・ヴェゼルの人気の秘密は、ひとクラス上の居住性と荷室空間。通常は後席の下に置く燃料タンクを前席下に移動した“センタータンクレイアウト”によって、後席居住性や荷室はCセグメント並みを確保する。
パワーユニットは1.5ℓ直噴ガソリンエンジンと、それに電気モーター+7速DCTを組み合わせたハイブリッドの2機種を用意。後者の動力性能は2.0ℓ並みで、走りでもCセグメントに挑戦状を叩きつける。この点でCセグからパイを奪っているのも、売れ行き好調の理由のひとつだ。
そんなヴェゼルのもともとのねらいは、21世紀版スペシャリティカー。20世紀末に一世を風靡した3ドアクーペでは時代に合わないため、人気の高まっているSUVで、その再現を目論んだ。それが如実に表れているのが、クーペ風に見せるためのウインドウグラフィックスと、3ドア風に見せるためのリヤドアハンドルの処理。スタイリッシュで実用性も高いとなれば、人気が出るのは当然と言えるだろう。
![登場から約4年半になるが、旧さはあまり感じさせない。直近のマ イナーチェンジで新た に「Apple CarPlay 」 と「Android Auto 」に対応するなど、時代に合わせて機能や使い勝手を向上させている。 撮影車の内装色は、黒とのコントラストが鮮やかなジャズブラウン。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879976_201812251603030000001.jpg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007196/big_879976_201812251603030000002.jpg)
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