マツダCX-3/日産ジュークなどSUV&スペシャリティクラス(2)【写真で見るライバル比較シリーズ】 4車種
MotorFan / 2018年12月28日 7時0分
◆世界的に人気のSUVと、大注目の新型ジムニーシエラ 『SUV&スペシャリティクラス』
◆SUV&スペシャリティクラスとは?
都会派のトップセラーとなるヴェゼルを筆頭に、スタイリングとパワートレーンに優位性を持つCX-3。はたまた本格クロカン4WDのジムニーシエラ、ワゴンとSUVが融合したかのようなクロスビー、コンパクトハッチとSUVテイストが盛り込まれたイグニス、本格4WDスタイルながら洗練スタイルのエスクードなど、このクラスのスズキの充実ぶりにも注目したい。
①エンジン換装で深化した走行性能・・・マツダCX-3
![マツダ・CX-3](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883820_201812251615030000001.jpg)
躍動感ある独自のフォルム
年次改良で商品力を常に強化
マツダ待望のコンパクトSUVであるCX-3がデビューしたのは2015年2月のこと。発売からすでに3年半が経過したものの、そのスタイリングは今でも十分に新鮮で魅力的。全長は4.3mに満たないが、スラリと長いノーズを筆頭とした躍動感に溢れるスタイリングで、思わず走り去る姿を目で追いたくなる存在感の持ち主だ。
当初の国内仕様はディーゼル専用モデルという扱いが大きな特徴であったものの、後にガソリン車を追加。直近の改良でディーゼル車の排気量を1.5ℓから1.8ℓへと向上させた。常にリファインの手を加え続けているのも、見どころだ。
実際、“大幅改良”を謳う2018年5月の変更で、デビュー後の改良は4回目。「開発が済んで完成された内容は、定期的なタイミングを待たずして現行モデルへと導入していく」というのが、CX-3のみならず昨今のマツダ車全体に共通する基本ポリシーなのだ。
ちなみに、最新バージョンでディーゼルエンジンが換装されたのは、「排ガス測定法が、より現実に即したWLTCモードへと変更されることも踏まえて、環境性能や実用燃費がより優れるように排気量を“適正化”した」というのが開発陣によるコメント。ただし、各部パーツの軽量化を行なうことなどでエンジン重量は従来と変わらず、「振動やレスポンスの面でもマイナスの影響はない」と報告されている。
![インパネ中央の7インチディスプレイは全車に標準装備、カーナビとして使うにはオプションのナビゲーション用SDカードが必要だ。 タッチパネル機能もあるが、シフト後方のコマンダー操作がスマー ト。ベーシックグレードを除き、タコメーターが中央に配置される。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883822_201812251619450000001.jpg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883822_201812251619450000002.jpg)
②個性全開なSUVブームの火付け役・・・日産・ジューク
![日産・ジューク](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883825_201812251627160000001.jpg)
独創クーペデザインを纏う
豊富なカラーと種類も美点
国際モーターショーの話題を独占したコンセプトカーを、ほとんどそのまま量産化したのが日産ジューク。と言うより、実は先に市販仕様が完成しており、その理由付けのためにコンセプトカーがつくられたという説も流れたほどの野心作だ。発売は8年前で、そろそろフルモデルチェンジの噂も飛び交う昨今だが、今でも独自の存在感は濃厚だし、長くつくり続けられた安心感も漂うので、真剣に購入を検討する価値はある。
何よりの特徴はデザイン。当時まだ武骨な箱型が常識だったSUV界に思い切ったクーペ感覚を持ち込み、動物の胎内を思わせるインテリアともども異端児を気取ってみせた(が、今やそれが主流になりつつある)。それとともに見た目の演出にもこだわり、2014年からは特別仕様車の「パーソナライズパッケージ」をさらに発展深化させ、ボディカラーとインテリアカラーの組み合わせなどで総計100色ものいでたちを選べるようにもなった。
グレード展開も幅広く、基本的に同じ5ドアボディながら、細分すると16車種にもなり、自慢のパーソナライズパッケージは基本の「15RX」を除けばノーマル系の全車種で選択
可能。フロントに横置きの4気筒エンジンは1.5ℓの114㎰、1.6ℓの190㎰、それにニスモ専用チューンを施した214㎰の3機種が用意され、すべてCVTと組み合わせられる。ほとんどがFFで、4WDも一部に設定する。
![エクステリアに負けず劣らず、インテリアも個性的なデザインを採用。オートバイの燃料タンクをモチーフにしたセンターコンソール は、「パーソナライゼーション」の場合、カラーを3色から選ぶことができる。メーターもバイクから転用したユニークなデザイン](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883827_201812251627160000001.jpg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883827_201812251627160000002.jpg)
③欧州生まれの質実剛健な実力派・・・スズキ・エスクード
![スズキ・エスクード](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883830_201812251635520000001.jpg)
最上級プラットフォームに
本格的な4WD性能を搭載
興味深いことに、現在のスズキは小さなSUVが「よりどりみどり」の状態である。スズキには当然ながら軽自動車のSUVもあるが、それを除いても、現行国産SUVで全長の短い「スモールスリー」はジムニーシエラ、イグニス、クロスビー。つまり、すべてスズキ。続いて4番目に小さいSUVは日産ジュークだが、それを挟んで5番目に小さいのもスズキ……のエスクードだ。
現在のエスクードの骨格は、CセグメントのSX4 Sクロスと共通プラットフォームの短縮版。またSX4 Sクロスと同じく、ハンガリーで生産される輸入車でもある。
横置きエンジンのモノコックといういまどきのSUVそのものの基本設計だが、「オールグリップ」と呼ばれる四輪制御システムが備わり、最低地上高も185㎜と、昨今のSUVとしては本格派の部類に入る。
エンジンは2種類。駆動系はどちらも前記の電子制御4WD=オールグリップ+6速ATとなる。上級の1・4ℓ直噴ターボは今のスズキでは事実上のフラッグシップエンジン。スイフトスポーツのそれと同血統だが、より燃費と実用トルクに振られたチューニングが施されている。
考えてみればSX4 Sクロスと共通のプラットフォームも、今やスズキ最上級。通算四代目となる現行エスクードは先代からひとまわり以上ダウンサイジングされているのだが、結局のところは、今もなおスズキではフラッグシップに近い存在だ。
![アナログ時計とエアコン吹き出し口を3連として、それぞれにレッドアルマイトのリングを加えた部分がアクセ ントになっている。アルミペダルの装着と相まってスポーティな印象が強い。エンジンフードは先端まで視認でき、ノーズ位置を把握しやすいのも美点だ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883832_201812251635530000001.jpg)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883832_201812251635530000002.jpg)
④通を唸らせる独創的な魅力が光る・・・スズキ・イグニス
![スズキ・イグニス](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883835_201812251652220000001.jpg)
運転がしやすくタフさも自慢
マイルドHVは全車に搭載
すぐ隣のカテゴリーに属しながら、互いに雰囲気も客層もバッティングさせないのがスズキの特技。軽自動車にジムニーとハスラーがあるように、Aセグメントの小型実用車分野で並び立つのがジムニーシエラに、新作のクロスビーと、ちょっとだけタフなイメージのイグニスだ。細かく見ると、乗用車的なクロスビーに対し、皮一枚分だけ荒野に近いのがイグニス。猛々しい演出はないが、氷雪、泥濘、砂地などを難なく走破できると同時に、乗用車に求められる乗り心地も静けさも合格点の力作だ。フロントに横置きの4気筒エンジンは自然吸気の91㎰で、どのポイントでも無理なく働く。これに3.1㎰の小型モーターを組み合わせたスズキ式マイルドハイブリッドが大きな特徴だ。
リヤサスペンションは、FFが簡潔なトーショナルビーム式、4WDが入り組んだアイソレーテッド・トレーリングリンク式と異なるが、そこそこ攻めてもはっきりした差は出ない。すべてハイブリッドを名乗るグレードは、「MG」を基本として「MX」、「MZ」の3種類だが、安全装備など重要なものはすべて共通。タイヤも基本的に差がないので、普
通に使う限り違いは感じない。と言うより、無用なメカニズムや性能で飾り立てず、じっくり基本に忠実に仕立てたイグニスを大事に転がす方が、いかにもクルマを理解した人物として、これからの時代をリードすることになるだろう。
![アイポイントが高く、ダッシュボードもすっきりとしているため視界が広く感じる。エンジンフードも視認でき、狭い場 所でのノーズ位置も把握しやすいのは美点。インテリアカラーはオレンジとチタンの2色を用意する。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883837_201812251652230000001.jpg)
![「MZ」と「MX」はオーディオやハンズフリーフォン用スイッチをステアリングに装備する。対応するヘッドユニットを選びたい。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007198/big_883837_201812251652230000002.jpg)
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