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FFスペシャリティハッチは“バブルマツダ”の申し子:ユーノス・プレッソGT-A

MotorFan / 2019年1月5日 12時20分

FFスペシャリティハッチは“バブルマツダ”の申し子:ユーノス・プレッソGT-A

有象無象のモデルが次々と乱発され、 モデルラインアップの把握が困難を極めたバブル期のマツダ。 そんな中から今回はユーノスプレッソGT-Aをピックアップ。 オートザムAZ-3を兄弟車として持つこのモデルはデビュー当時、 世界最小排気量のV6エンジンを搭載していたが、 たった3ヵ月でミツビシに“下をくぐられた”悲しい過去(!?)を持つのだ。


性能向上を果たした後期型K8-ZEを搭載 パワー感やサウンドが気分を盛り上げる

 1989年のロードスター、翌90年のコスモに続き、ユーノチャンネルのスペシャリティスポーツ第三弾として91年にデビューしたプレッソ。兄弟車としてオートザムAZ-3があったけど、プレッソには新開発となる1.8ℓV6のK8-ZE型(140ps/16.0kgm)、AZ-3には1.5ℓ直4のB5-ZE型(115ps/13.5kgm)と、搭載エンジンを棲み分けていた。
 93年にマイナーチェンジが行なわれ、プレッソに1.5ℓモデルが、AZ-3には1.8ℓモデルが追加されてエンジンを共通化。K8-ZE型にはパワー&トルクアップを果たし、新たに設定されたグレード、今回の取材車両であるGT-A(とGT-X)に搭載された。
 Aピラーを大きく寝かせて全高を1310mmに抑え、そこにV6エンジンが収まっているとは思えないほど低くスランとしたノーズを持つスタイリングは、5ナンバー枠でのワイド&ローを巧みに演出。また、大きく回り込んだ複合曲面ガラスを採用するリヤゲートが個性的なサイドビューとリヤビューの要となっている。塊感と躍動感の共存。プレッソのエクステリアデザインを端的に表現すると、そうなる。
 スペシャリティカーは、とかくスタイル優先になりがちだけど、走りでも唸らせてくれるのがプレッソのいいところ。パワーアップを果たした後期K8-ZE型は高回転志向を強めてることもあって、俊敏な吹き上がりとともにパワーを稼ぎ出していく。タコメーターの針を4500rpm以上にキープしておけば、レッドゾーンが始まる7500rpmまで右足の動きに直結したような快感レスポンスを満喫できる。それも、耳を心地よく刺激してくれるハイトーンなエキゾーストサウンドとともに。
 それから、ハンドリングもクイック。ステアリング操作量に比例して、オン・ザ・レール感覚を伴いながらノーズをグイグイと内に向けていく。ロードスターを表現する"人馬一体"という言葉があるけど、それはプレッソにも当てはまると、走りながら思った。
 というか、ハンドリングに関しては、特に中速以上のコーナーでステアリング操作に対する反応が過敏に思えるほど。攻め込んでいくとリヤの落ち着きのなさが顔を出し始めるけど、腕に覚えのあるひとなら積極的にタックインを使って向きを変えていく…そんな乗り方が合っているように思う。
 試乗前はあまり期待してなかったけど、なにごとも食わず嫌いじゃダメなことを痛感。そう、プレッソGT-Aは正真正銘のFFスポーティカーだった!

使用ガソリンをレギュラーからハイオクに変更し、圧縮比を9.2から9.5へと高めたことで従来比5ps/0.2kgmのスペック向上を果たしたK8-ZE型。1991年のデビュー時には世界で最も排気量が小さいV6エンジンだったけど、3ヶ月後には三菱が1.6tℓV6を市販化したことで、その座を明け渡すことになった。


走りのモデルらしく、シンプルでスポーティな雰囲気のダッシュボード周り。ステアリングホイールはモモ製3本スポークタイプが装着される。メーターは右からタコ、スピード、水温計、燃料計が並ぶ。レッドゾーンが7500rpmから始まるタコメーターに注目だ。


前期型ではヘッドレスト一体型のハイバックタイプシートを採用していたけど、後期型でヘッドレスト別体型に変更。運転席の座面は前後別々に高さを変えられるため、微妙なポジション調整にも対応する。後席も、前期型は背もたれが低く乗車を考えているようには思えなかったけど、後期型はヘッドレスト付きに改められた。背もたれは一体可倒式でラゲッジルームの拡大が可能。

ドアを開けると目に飛び込んでくるスカッフプレート。ステンレス製で中央にEUNOSのロゴが箔押しされ、その前後には黒×黄のチェッカー柄があしらわれる。かなり凝ったもので、スポーティ感を高めるのにひと役買っている。

プレッソはエキゾーストサウンドに対するこだわりもあり、サイレンサーをチューニング。ノーマルにしては音量が大きめだけど、中興回転域では突き抜けるようなV6サウンドが耳を楽しませてくれる。

ホイールは後期型の純正15インチアルミ。基本は同じ5本スポークタイプでも、前期型に比べてずいぶんとシンプルなデザインになっていた。タイヤは標準装着される205/55R15サイズのポテンザアドレナリンRE003をセット。

車両型式:EC8S
全長×全幅×全高:4215×1695×1310mm
ホイールベース:2455mm
トレッド F/R :1460/1465mm
車両重量:1120kg
エンジン型式:K8-ZE
エンジン形式:V6DOHC
ボア×ストローク:φ75.0×69.6mm
排気量:1844cc
圧縮比:9.5:1
最高出力:145ps/7000rpm
最大トルク:16.2kgm/5500rpm
トランスミッション形式:5速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/ストラット
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:FR205/55R15

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