NEC:関西電力が実施する多数の蓄電池を活用する周波数制御技術に関する実証試験に独自技術を提供
MotorFan / 2018年12月31日 8時0分
NECは多数の需要家蓄電池を遠隔よりリアルタイムで制御する当社独自技術(階層協調制御方式・仮想統合制御技術、注1)の研究開発を進めている。このたび同技術が、関西電力にて1月7日より実施される需要家蓄電池を活用した周波数制御技術に関する実証試験用システムにおいて採用されることが決まった。
本技術は1万台規模の需要家蓄電池を遠隔から高速監視制御し、電力系統の安定化に寄与する「周波数制御」と蓄電池本来の「利便性(エネルギーマネジメント、BCP対策等)」を同時に実現する、同時マルチユース(注2)を実現するもの。
関西電力の実証試験では複数タイプの需要家蓄電池を秒単位で充放電制御し、システムからの指令に対する蓄電池の応動時間や制御精度を検証することにより、電力系統における周期の短い負荷変動に対する蓄電池の応答性能を確認する。この結果を踏まえ、2019年度以降、実用化に向けた技術の確立を目指す。
多数の蓄電池を遠隔より高速充放電制御することにより、再生可能エネルギー導入における電力系統安定化への貢献と、同時に需要家が従来の蓄電池の利便性を損なわずに蓄電池の未利用電力を有効活用する、蓄電池の利用価値向上を実現していく。
■ 実証試験の内容
・2016年度(実績)蓄電池の同時マルチユース制御技術の開発
・2017年度(実績)遠隔からの蓄電池制御も含めた一連動作の実証試験
・2018年度(予定)複数の異なるタイプの需要家蓄電池を対象とした本格実証試験
(注1)
・階層協調制御方式:蓄電池個々への出力分配の全体最適化とリアルタイム・同期制御を可能とする制御情報の配信方式
・仮想統合制御技術:蓄電池個々の状態や台数、上位システムの要求に基づき、各蓄電池の出力を最適分配する技術
(注2)1台の蓄電池で、需要家向けの利便性(太陽光発電との併用等エネルギーマネジメント、災害時などの万が一の停電時の非常用電源としての利用)と、電力系統向けの周波数調整力の提供を同時に実現すること。
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