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アウディA7 Sportback S line 1st edition :A8とA7スポーツバックは見た目の印象以上にキャラクターが違う。A7は断然ドライバーズカーだ。

MotorFan / 2018年12月31日 15時0分

アウディA7 Sportback S line 1st edition :A8とA7スポーツバックは見た目の印象以上にキャラクターが違う。A7は断然ドライバーズカーだ。

2代目となったアウディA7は、全長が5mに届かんとする大型で流麗な4ドアクーペ(実際は5ドアハッチバック)だ。A8のクーペ版かという問いに、ジャーナリスト、世良耕太が答える。 TEXT&PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)


 アウディの説明によれば、「スポーツバックはクーペの美しさにセダンのプレステージとアバントの機能性を兼ね備えた独自のコンセプト」ということになる。その頂点に位置するのが、A7スポーツバックだ。7年ぶりにフルモデルチェンジを果たし、2代目に移行。国内では2018年9月6日に販売が開始された。

 A7スポーツバックは同時期に導入されたA8と同じデザインランゲージでまとめられているし、48Vのマイルドハイブリッドを搭載しているし、新しいユーザーインターフェイスを採用し、先進の安全運転支援システムを搭載する(2019年1月移行に販売される車両は順次、レーザースキャナー非装着のシステムに切り替わる。つまり、センサーの総数は22個になる)。そのため、A8のクーペ版に見えなくもない。

 実際にステアリングを握ってみると、A8とA7スポーツバックは見た目の印象以上にキャラクターが異なるのがわかる。A8にはフォーマルとかジェントルといった形容が似合う。自分でステアリングを握ってもいいが、後席の乗員になるのも悪くないと思わせるムードを醸し出している。

左に見える箱状のものがレーザースキャナー(LiDAR)。アウディが採用するのはヴァレオ製だ。


 一方、A7スポーツバックは断然ドライバーズカーだ。数年前になるが、取材でヨーロッパを訪れた際、あるモータースポーツ系の開発・製造業を営むオーナーのもとを訪れたことがあった。話が一段落し、「ランチに行きましょうか」といってそのオーナーが駐車スペースから引っ張り出してきたのが、A7スポーツバック(初代)だった。

 山と湖に彩られた自然豊かな土地で会社を営む男性が乗り回すクルマとして、なんと粋な選択なのだろうと感心した。オーナーはA7スポーツバックを転がし、行きつけのイタリアンレストランに案内してくれた。A7スポーツバックで森を抜けて、ときに湖を横に見ながら通勤し、ランチはA7スポーツバックを引っ張り出して近くのイタリアンに行く。なんとスマートな生活。ちなみに、食事代は筆者がもった(スマートだ。どっちが?)。



 初代A7スポーツバックは3.0ℓ・V6スーパーチャージャー過給エンジンを搭載していたが、新型は3.0ℓの排気量とV型6気筒のシリンダー配列・シリンダー数は同じで燃料噴射も同じ直噴だが、ターボチャージャーで過給する。Vバンクの内側が排気の「ホットV」なのはA8の4.0ℓ・V8と同じだが、V8がツインターボなのに対し、V6はシングルだ。

 A8にも3.0ℓ・V6直噴ターボエンジン搭載グレードの設定はあるが、A8が8速ATを組み合わせるのに対し、A7スポーツバックは先代と同様、7速DCTを組み合わせる。トランスミッションが異なるせいばかりではないだろうが、エンジンの主張はA8よりも断然、A7スポーツバックのほうが強い。

Vバンク内に収められたターボチャージャー。

 A8の4.0ℓ・V8直噴ターボと比べてしまえば3.0ℓ・V6の排気量は4分の3(75%)だが、最高出力/最大トルクは250kW(340ps)/500Nmもあって、車両重量が1900kgであっても不満を述べたくなるようなレベルではない。なにしろ、S4やS5が積むエンジンである。それに48Vのマイルドハイブリッドシステムを加えたことにより、インテリジェントな振る舞いを身につけるようになった。どれだけインテリジェントかは、A8のレポートを参照されたい。(編注:これから記事を掲載します)

 A8のレポートで触れていない機能をひとつだけつけ加えておくと、アイドリングストップ中に前のクルマが動き出すのを確認した場合は、ドライバーがブレーキペダルを踏んだままであってもエンジンは再始動する機能を備えている。フロントカメラと連携することで、実現した機能だ。



 A8と同様にA7も、アウディの新しいユーザーインターフェイスを採用した。ステアリングの奥にある液晶ディスプレイにアナログメーターのようなグラフィックの速度計やエンジン回転計を表示するのは、すでにアウディの他のモデルで採用済み。この機能を新型A7も踏襲する。そのうえで、新型A7は(A8も)センターに設置する表示系もすべて液晶ディスプレイに切り替えた。インストルメントパネル上には10.1インチのアッパースクリーンを設置。センターコンソールには8.6インチのロワースクリーンを設置する。アッパーは主にナビ表示。ロワーはエアコン表示がデフォルトだ。

 ナビの操作もエアコンの操作も「タッチ」で行なうのが基本である。従来はダイヤル式のコマンダーで行なったが、タッチ操作になったのでダイヤルやスイッチ類が排除され、センターコンソールはすっきりした。スクリーンの表示は黒と白を基調としたシンプルな色づかいで、シックである。ただ、使い勝手に関しては好みの分かれるところだろう。スマホのような直感的な操作を歓迎する人がいる一方で、ダイヤルコマンダーに手を固定して操作できる利便性をありがたがる人もいるに違いない。


 また、旧ユーザーインターフェイスのアウディはナビのスクリーンが空調ルーバーの上にあったが、新ユーザーインターフェイスでは空調ルーバーの下に移動している。デザインを優先した結果なのか、視認性の面でユーザーフレンドリーとは言えない気がする。ナビがそんなに気になるなら目の前のスクリーンに映せばいいだろう、ということだろうか。

 現時点での難は、システムの起動に時間がかかることだ。エンジン始動の際、システムが起動するまでに相当の時間を要する。「さっさと目的地を設定して出発したいんだけど」という状況では、もどかしい思いをするかもしれない。起動中の画面を見ていたら、機能拡張のアイコンが順番に表示されていくのをじぃーっと見守った、その昔のマック(Macintosh)を思い出した。

 起動が遅いという声はアウディに上がっているはずで、遅かれ早かれ解消されるに違いない。アッパーのスクリーンもロワーのスクリーンも、タッチ操作をすると触感と音によるフィードバックがあり、どちらも強弱の調節が可能だ。ダイヤルコマンダーからタッチ操作へのユーザーインターフェイスの変更が使い勝手に与える影響は大きく、アウディは重大な決断をしたことになる。


アウディA7 Sportback S line 1st edition
■ボディ寸法
全長×全幅×全高:4970×1910×1415mm
ホイールベース:2925mm
車両重量:1900kg
サスペンション:F/R5リンクダブルウィッシュボーン
駆動方式:AWD
■エンジン
形式:V型6気筒DOHCターボ
型式:DLZ型
排気量:2994cc
ボア×ストローク:84.5×89.0mm
圧縮比:11.2
最高出力:340ps(250kW)/5200-6400rpm
最大トルク:500Nm/1370-4500rpm
使用燃料:無鉛プレミアム
■トランスミッション
7速DC
■燃費
JC08モード燃費:12.3km/ℓ
価格○1161万円

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