いい仕事してますね。ちゃんとスポーツカーに見えます。トヨタ・スープラのデザインをスバルの前デザイン部長難波治教授が見る
MotorFan / 2019年1月13日 14時50分
東京オートサロン2019の会場には、カーデザイン的に注目度の高いモデルが展示されていた。これを難波治教授(スバルの前デザイン部長で現首都大学東京教授)と見て回った。シリーズに第3弾は、いよいよ新型スープラ。注目のスポーツカーを教授は、どう見たか。 COMMENT◎難波 治(NAMBA Osamu/首都大学東京教授) TEXT & PHOTO◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi/MotorFan.jp)
トヨタのブースには、新型スープラの開発車(おなじみのカムフラージュ仕様)とスーパーGTのGT500マシン、GRスープラ スーパーGTコンセプト が並んで展示されていた。人混みをかき分け、難波教授がスープラを後ろから見てみる。
つねづね、モーターショー会場、室内での新車発表会では、造形評価を正しくするのは難しいとおっしゃる教授。高速道路を走っている姿や街中でほかのクルマたちと走っている姿を見て初めてデザイン評価ができる、と難波教授は言う。だから、今回のスープラのデザインについては、あくまでも短評。ほんの第一印象と考えていただきたい。
難波:まず、いい仕事していますよね。力強い。だからボリューム感がちゃんとある。それで、バランス、その量的なバランスとか含めて、スポーツカーらしい、いいバランス、いい肉づきしています。かつ、いくつかのディテールな、これまでのスープラの、スープラである記号性みたいなのあるじゃないですか。そういうものをちゃんと散りばめてあって、それで作ってある。誰もが多分、「あ、スープラだ」って認知できる範疇で、いいんじゃないですかね、とっても。スポーツカーらしいですよ。ボディがマッチョで、それでキャビンがギュッと凝縮しているのは、やはり一番スポーツカーらしいんじゃないですか。トヨタ86にはちょっとそれが足りないですよね、キャビンとボディのバランスが。新型スープラはスポーツカーに見えますね。
MF のっけからいい第一印象ですね、教授。
難波:こっちは、ドアの後ろ側のインテークですかね。エアインテーク。
MF:でも閉まってるんですよ、これ。空気は通り抜けないんです、
難波:だからこれ、もし、なんの用もしていないんであれば、こういうのは多分、本当にクルマ好きな人は 嫌ですよね。うん。こういうのギミックですからね。
MF:でもこれは、結局リヤフェンダーをこれだけ膨らませているじゃないですか。そのときにどっかに線が入らないとカッコがつかないから、ってわけじゃないんですか?
難波:いや、そんなことはないでしょう。だって、ポルシェとか別にみんな、フェンダーが膨らんでるクルマ、このスリット作っているわけではないですからね。
MF:兄弟車のBMWのZ4をお目にかけましょう(といって、Z4の写真を見せる)。
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007640/big_925451_201901131441510000001.jpg)
難波:はい。うん。なるほど。っていうことはやっぱり、あそこにはインテーク的な必要はないはずなんだよな。トヨタ専用でも。もう一度フロントの写真を見せて。うん。やっぱりBMWはデザインのディテール要素として半歩進んでますね。トヨタよりね。でも、スープラは、全体的なシルエットの動きとか、ボリュームのつけかたとか、らしさとか、全然負けていないと思います。
MF:Z4とスープラを重ね合わせてみました。
難波:ふーん。うんうん。スープラらしくていいですよね。Z4よりもある意味マッチョなスポーツカーぽい感じ。Z4はちょっとスマートにデザインしすぎているかもしれないね。だから、ギミック的な処理はは本当はして欲しくなかったんですけど。このボンネットの膨らみとか、ルーフのこうかぶさったところ、ウインドウがやや狭めに見えるところとか。スポーツカー的にとってもいいような気がします。
難波:でも、タイヤはね、じつはやっぱり少~し、うん、このボディにおいてはタイヤの存在が弱いですね。基本的にはタイヤをもうちょっと外に出ししてほしいし、インチ数も大きくしていけばもうちょっといいと思うんです。ただフロントの、グリルっていうか、ヘッドランプからとタイヤの位置関係ね、サイドまで視線が周り込んでいったときに、タイヤだけ少し下がったりしないので、タイヤの小ささはそんなに目立ちはしない。でも、このクルマ全体のボリュームを受け止めるクルマとしては、タイヤの存在がまだ弱いと思いますね。フロントクオーターから見た、リヤフェンダーと、そのリヤフェンダーを受け持つリヤタイヤの存在感とか踏ん張り感とか、もう少しあったら、もっと良いでしょうね。あとはね、新しい魅力、スポーツカーの新しい魅力みたいなものが、もう少し入っていれば、もっと良かったろうな、って思いました。
MF:でも、ベースのプロポーションは、悪くない?
難波:クルマのプロポーションは、悪くないですよ。でも、タイヤの大きさとか、スタンスまでプロポーションだって入ると、見る角度によってね、もう少し改善する方法はあるだろうになぁ、とは思います。せっかくこれだけ魅力的なフェンダーで、ボリューム感出しているんだから、それをしっかり受け止める、ホイール、タイヤの位置とか大きさとか、できればいいと思います。でも、新型スープラは、かなりいいです。日本のスポーツカーのなかでは、力強くてそのパワー感をカタチにちゃんと表現できている。スポーツカーってやっぱりそういうの欲しいじゃないですか。だからそういう演出、スタイリングによる演出がちゃんとできていて、いいな、って思います。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【2024年】新車で買える国産&外車スポーツカー16選! 選び方や注意点も解説
MōTA / 2024年7月19日 19時0分
-
日産「新型 オーラNISMO」初公開! まるで”国産ポルシェ”な「小さい高級車」! GT-Rチューンな4WDも新搭載の「すごいノート」の実力とは
くるまのニュース / 2024年7月18日 16時40分
-
トヨタが「新型GR86」発表! 「走りの変化」が凄い! 「登場“3年目”の改良」で何が変わった?
くるまのニュース / 2024年7月17日 17時0分
-
「えっ…!」ライバル同士ではない? 一緒にクルマを作り上げた「共同開発車」3選
くるまのニュース / 2024年7月5日 12時50分
-
トムス GR86 TSは「一緒に育てていく」スポーツカー いい意味でオタッキーなのだ(小沢コージ)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月29日 9時26分
ランキング
-
1「健診でお馴染み」でも、絶対に"放置NG"の数値 自覚症状がなくても「命に直結する」と心得て
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 17時0分
-
2扇風機の羽根に貼ってあるシール、はがしてはいけないって本当?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年7月21日 20時15分
-
3新型コロナワクチンの定期接種、10月から開始…全額自己負担の任意接種費は1万5000円程度
読売新聞 / 2024年7月21日 19時21分
-
4日本カレーパン協会「カレーパン美味い県ランキング」発表 3位北海道、2位京都…1位は?
オトナンサー / 2024年7月22日 8時10分
-
5平日は毎日「レッドブル」を飲んでいます。「1日の飲料代」として高すぎますか? また、体への悪影響はないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月20日 3時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)