トヨタ社長がアメリカを笑わせた! スープラ発表時の豊田章男社長のスピーチ全文

MotorFan / 2019年1月15日 18時0分

トヨタ社長がアメリカを笑わせた! スープラ発表時の豊田章男社長のスピーチ全文

 北米のモーターショーのプレス・コンファレンスで必要なのは、実は「笑い」を取ることなのだ。いかに面白く語れるかは、本当に重要。そこでどんなユーモアで語れるかで、トップの人の人格もわかるというもの。

 なかでも大爆笑となったのが、スープラの良さを表現するのに使った”LIT”(リット)という言葉。普通には点灯などの意味なのだが、子供達はこれを「すごく、楽しい」とか「まじ、楽しい」みたいに使っているという。

 そんな言葉を、社長が使ったのだが、観衆には一瞬(あれ、知らないで使ってるのかな)と思わせ、「息子によるとLITは最高という意味だそうです」 と真面目に語る。その違和感に大爆笑となったのだ。(やっぱりわかってないんじゃん! と思わせる演出)

 ここではその全文を、和訳でお伝え。ちょっと臨場感は伝わらないけど、でもそのほかの感動的な話も必読もの。

 途中でアロンソも出てきて、非常にいい感じです。

この大観衆。爆笑とともに喝采も。往年のスープラに深い思い入れを持ち、待ち望んだ人たちはプレスにも。

以下トヨタ自動車によるオフィシャル和訳で……

このクルマいいね。ずっと乗っていたかったよ……。
皆さん、こんにちは。
皆様に再会できたこと、そして、私の最も親しい友人であり、公然の秘密でもある、新型スープラを皆様に紹介できること、とても光栄です。
いかがでしょうか?
最後のスープラが生産ラインを出てから…そして、スープラが「ワイルドスピード」でフェラーリを破ってから、17年が経ちましたが、スープラは、当時と変わらず愛され続けています。
皆さんそれぞれの人生において、特別な愛着を持ち、あなたの心の中で特別な場所を占めるクルマが、1台はあると思います。私にとっては、それがスープラです。
ずいぶん昔ですが……私はマスタードライバーになるための運転訓練で、中古のスープラと、数えきれない程多くの時間を過ごしました。
他のメーカーが美しく新しいプロトタイプで走行しているなか、私に向けられた視線や冷やかしは、想像できるでしょう。私は、スヌーピーに出てくるチャリーブラウンのクリスマスツリーの様に、何の飾りっけのないクルマを走らせていたわけです。
スープラは素晴らしいクルマでしたが、でも、やっぱりね……。
ですから、トヨタは新しいスープラをつくる計画はありませんでしたが、世界中の多くの熱狂的なスープラファンの皆さんと同様、私は密かに、このクルマを復活させたい、と願っていました。
(北米デザインスタジオの)キャルティの少人数のデザイナーグループも、同じことを考えていました。
数年前、彼らは、FT-1と彼らが呼んでいたコンセプトの図面を私に見せました。そして更に彼らは、そのプロトタイプをグランツーリスモのビデオゲームに追加してしまったのです。
ここに、私が彼らのスタジオで運転している写真があります。
デザイナーの皆さん、上司にコンセプトカーを承認させるには、このアプローチはおすすめしますよ。
ゲームオーバーでした。その時私は、私の古い友人が、とうとう帰ってくるのだと、心の中で思いました。
同時に、私はその新しいスープラの期待値は高く、オリジナルよりも、もっといいクルマにしなければいけないことを知っていました。だからこそ、この新しいスープラの運転性能をつくりこむために、ガズーレーシングチームの協力を仰ぎました。
実は、ガズーレーシングチームは、2007年にニュルブルクリンクで、クルマをテストするスカンクワーク(特命チーム)のように始まりました
なぜなら、全ての自動車メーカーが知っているように、クルマをテストするのであれば、このグリーン・ヘル(ニュルブルクリンク)以上に最適な場所はないからです。
我々は、公式なトヨタのレースチームとしてスタートしたわけではありませんでしたし、実際、当時のガズーレーシングチームは会社には認められていませんでした。
どちらかと言えば、先輩とつるみ、ブラートヴルストを食べることがかっこいいと思っている、友人集団のようなものでした
それが、少しずつ、毎年学び、成長し…本当のレースチームになっていったのです
実際に、トヨタガズーレーシングは、昨年WRCとルマンで優勝しました
この新しいスープラは、そんな彼らの手によってニュルブルクリンクで鍛えられ、生まれたのです。その結果、私は正直に『新型スープラは、走る楽しさ以上の経験を提供できる、まさにLIT(最高)なクルマになった』と言うことができます。
私の息子によると、LITは最高という意味だそうです。
この新しいスープラは、そのヘリテージのもとにつくられました。
デザインもパフォーマンスも、1967年式Toyota 2000GTと強い関連性があります。
いくつかのキーとなるデザインと技術について、紹介しましょう。
それらにより、スープラは、すべてのクルマファンが運転のスキルに拘らず運転を楽しむことができるクルマになっているのです。
最初に生産されるスープラは、実は特別なマットグレーメタリックに塗装されています。その色は、全てのレースカードライバーを魅了すると思います。

(編集部注:ここでグレーのスープラが登場し、中からフェルナンド・アロンソが!)

豊田章男
フェルナンド!良い運転だね、良いクルマだね。

フェルナンド
こちらこそ。LIT(最高)

豊田章男
今年、ル・マンで優勝してくれてありがとう。あなたをチームに迎えることができて、光栄です。

フェルナンド
どういたしまして。

豊田章男
あなたは、その新型スープラを運転する機会があったと聞きました。どうでしたか?私の前だからって、良い事を言わなければ、とは思わないで下さい。

フェルナンド
了解。
でも真面目な話…日本でスープラを運転して、あなたがつくりこんだ「味」をしっかりと感じましたよ、章男さん。
あなたとあなたのチームがニュルブルクリンクでチューニングしただけのことはあります。
本当にレースカーに乗っているようにハンドルを切れ、コーナリングは素晴らしかった。素早く変速でき、加速が速く、ブレーキの性能もいい。電気系統も洗練されていると感じました。
まるで、日常的に快適に運転できるレースカーのようだと思います。皆、このクルマを愛すると思いますよ。私も是非最初の1台が欲しいです!

豊田章男
実は、最初の1台は、今週土曜日に行われるBarrett-Jacksonオークションにチャリティのために出展するのです。
このクルマに似ているけれど、特別な赤のアクセントと赤の内装で仕立てます。

フェルナンド
あなたがエンジンカバーにサインをしたと聞きましたよ。

豊田章男
確かにサインをしました。あなたがサインした方が、価値が上がると思いますが!そのことは、あとで話しましょう!
そう言えば、デイトナで走ると聞きました。トヨタのクルマではないですが、頑張ってくださいね!
皆さん、フェルナンド・アロンソ選手でした!

ラリーやレースは、道から多くの事を学ばせてくれ、クルマをより良くすることができます。それが、スープラがNascar Xfinity seriesに参戦する理由です。
我々のために走ってくれるドライバーはクリストファー・ベル選手です。彼が運転免許を取れる年齢か確認が必要でしょうか…冗談です。
SUVも素晴らしいです。でも、タイトな、後輪駆動のスポーツカーに勝るものはあるでしょうか?
ここだけの話ですが、これだけが、将来トヨタから出す唯一のスポーツカーにならないことを願っています。
皆さん、待ち人には福があると言いますが、もちろん、本当に長い間待った人にも福があります。今ついに、物語の次章が始まります!
今日、レジェンドがついに復活しました。
スープラは、これまで以上にいいクルマとして戻ってきました!
ありがとうございました!

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