エボリューションの名に偽りなし パジェロエボリューション MIVECの咆哮
MotorFan / 2019年1月30日 19時55分
ミラクルミツビシ 日本が誇る迷車メーカー、その核心に迫る!! 今回のテーマは、三菱パジェロ エボリューションだ! TEXT&PHOTO:廣島健太郎
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970245_201901291516420000001.jpg)
SPECIFICATIONS
車両型式:V55W
全長×全幅×全高:4075×1875×1915mm
ホイールベース:2420mm
トレッド(F/R):1590/1590mm
車両重量:1990kg
エンジン型式:6G74
エンジン形式:V6DOHC MIVEC
ボア×ストローク:φ93.0×85.8mm
排気量:3496cc
圧縮比:10:0,1
最高出力:280ps/6500rpm
最大トルク:35.5kgm/3000rpm
トランスミッション:5速AT
サスペンション形式(F/R):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ:FRベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:FR265/70R16
見た目だけでなく中身も大幅に改良。カタチはパジェロだけど別の乗り物だ。
初代が発売された翌1983年からバリ〜ダカールラリーに参戦し続けてきたパジェロ。転機が訪れたのは4回めの総合優勝を飾った97年で、レギュレーションの変更により、翌年から市販車改造クラス(T2)での参戦が決まった。そのベース車両として開発されたのがパジェロエボリューションだ。
全身にエアロパーツをまとい、全幅で90mmのワイド化が図られた外装にまずは目が行くけど、中身もハンパない。エンジンは専用設計となる6G74型3.5ℓV6DOHCのMIVEC仕様を搭載し、ミッションは5速MTとINVECS-Ⅱ5速MTとINVECS-Ⅱ5速ATが用意される。
さらに、足回りはワイドトレッド化が図られると同時に、リヤサス形式を3リンクリジッドからマルチリンク式に変更。ダブルウィッシュボーン式のフロントサスにも鍛造アームが使われるなど、専用4輪独立懸架サスペンション(ARMIE)が与えられている。また、前後ベンチレーテッドディスクに、新開発4チャンネル制御方式のマルチモードABSが採用されるのもエボリューションならではだ。
取材車両はINVECS-Ⅱ5速AT仕様。ドアを開け、よじ登るようにして運転席に収まる。張りがあって座り心地も硬めな純正レカロはやたらサポート性に優れ、目前の9000rpmフルスケールのタコメーターと、フロントウインドウ越しに見えるボンネット上のエアインテークの盛り上がりが、ただのパジェロではないことを伝えてくる。
走り出してまず感じたのは足回りの硬さ。オフロード走行に照準を合せてるのか、路面の凸凹を逐一ゴツゴツ感として伝えてくる。その硬さ…というかストローク感の希薄さは、今までの経験からするとFD2シビックRに匹敵し、2420mmという短いホイールベースもあって絶えずピッチングしているような状態だ。正直、ここまで乗り心地がハードだとは思わなかった。
それだけに、ハンドリングは2トンの車重を感じさせないほどにクイックかつダイレクト。ただし、重心が高い分、ロール感も大きいから舗装路でコーナーを攻める気にはなれない。
エンジンは、MIVECが高速カムに切り替わる5500rpmあたりからハイトーンなサウンドを放ち始める。そこからレッドゾーンの7000rpmまで淀みなく回り、メーター読み1速で60km/h 、2速で110km/hまで伸びてくれるから、動力性能は文句ナシだ。
バリダカを戦うために生まれてきたモデル。そのエボリューション度は、もしかしてランサー以上かもしれない。
POWER UNIT
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970250_201901291517220000001.jpeg)
![MIVECと合わせて電子制御可変呼気システムも採用された6G74。わずか1250rpmで30kgm以上のトルクを発生し、6500rpmで280psを稼ぎ出す。高回転、高出力に対応するため、ヘッド周りでは中空呼気バルブやチタンバルブリテーナー、ナトリウム封入中空排気バルブなどを採用。さらに、大型コアを持つ13段オイルクーラーやボンネット上の大型インテークダクト、オーバーフェンダーに設けられたエアアウトレットなど、冷却&放熱性能も高められている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970251_201901291520410000001.jpeg)
REAR VIEW
![ワイドトレッド化に伴って前面投影面積が増加。必然的に低下する空力性能を補うため、優れた整流効果を生む前後エアロバンパーやサイドエアダム、ウイングフィン付きリヤスポイラーを装備する。このカタチには大きな意味があるのだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970253_201901291532530000001.jpeg)
EXTERIOR
![パジェロエボと言ったら、圧巻のワイドボディだ。1590mmまで拡げられた前後トレッドに合わせ、カタログモデルのメタルトップワイドZRに対して全幅を90mm拡大。それに伴ってサイドステップも専用の幅広タイプとなる。このボリュームはハンパない。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970255_201901291535280000001.jpeg)
EXHAUST MUFFLER
![運転席に座るとイヤでも目に入ってくる大型インテークダクト。ここから取り込まれたエアはフロントオーバーフェンダー後端のアウトレットダクトから放出され、エンジンルームをクーリングする。また、ボンネットはアルミ製でフロントオーバーハングの軽量化と重心の低下に貢献。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970257_201901291537550000001.jpeg)
![経年劣化によるものなのか、アイドリング時ですら、とてもノーマルとは思えないような大きな排気音を放っていたマフラー。MIVECが高速カムに切り替わったあとのサウンドはスポーティのひとことだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970258_201901291539060000001.jpeg)
INTERIOR
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970260_201901291544210000001.jpeg)
![本革巻きステアリングホイールを始め、メーターベゼルやエアコン吹き出し口、センターコンソールなどに配されたカーボン調パネルがエボリューション専用品。メーターはセンター上部に水温計と燃料計、下部にATポジション&4WDインジケーターが備わり、右側に9000rpmフルスケールのタコメーター、左側にスピードメーターが並ぶ。また、取材車両はマニュアルモード付き5速AT(INVECS-Ⅱ)だったけど、3ペダルの5速MTモデルも用意されていた。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970261_201901291547420000001.jpeg)
![センターコンソール最上段の3連メーターは、右から方位&外気温度計、油圧計、電圧計。これらはベースのパジェロにも装備される。その下のエアコン吹き出し口とデジタル式時計、フルオートエアコン操作パネル、2DIN分のオーディオスペースを配置。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970262_201901291551090000001.jpeg)
SEAT
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970264_201901291551270000001.jpeg)
![着座位置が高く乗降性はいまひとつだけど、座ってしまえば身体をしっかりとホールドしてくれるレカロ製セミバケットシート。ヴィルトファブリック&バイアスニット生地がエボリューション専用となる。後席は50:50のセパレートタイプで個別にリクライニングやダブルフォールディングが可能。両端は手前に倒すとアームレストになり、ドリンクホルダーも付く。ちなみに、乗車定員は4名でなく5名だ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970265_201901291554090000001.jpeg)
BACK DOOR
![横開き式のバックドア内側には車内から開閉するためのドアノブの他、リヤワイパー用ウォッシャータンクや車載工具も装備。本来デッドスペースとなるところを有効活用するナイスアイデアだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970267_201901291556560000001.jpeg)
TIRE&WHEEL
![サスペンションやアクスル構造の変更に合わせて専用設計された16インチアルミホイール。1ピース構造を採用し、強度と軽さを両立している。標準装着タイヤは265/70R16サイズだけど、取材車両には275/70R16のジオライダーH/T-Sが組み合わされる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970269_201901291559410000001.jpeg)
SUSPENSION
![3リンク式リジッドからマルチリンク式に改められたリヤサスペンション。入力に対するタイヤ接地性を最適化し、コーナーでのコントロール性を高めている。アーム類はすべて鍛造品で十分な強度と剛性を確保。また、フロントサスペンションは形式こそベース車と同じダブルウィッシュボーンながら、ダンパー同軸式コイルスプリングやアルミ鍛造アッパーアーム、鍛造ロウアーム&ナックルなどを採用。ジオメトリーも専用となる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007893/big_970271_201901291600060000001.jpeg)
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