マツダの現行アクセラ、買うとしたらどれにするか
MotorFan / 2019年1月31日 15時40分
Mazda3の評判が非常によろしい。いま、世界中のクルマ好きの耳目を集める一台だろう。しかし待ってほしい。現行のマツダ・アクセラも登場時には多くの話題をさらい、その性能はいまなお一級品である。あえて現行車を買うという気概のあるアナタのために、ラインアップからおさらいしてみよう。
![マツダのウェブサイト、アクセラのページより](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972785_201901311353410000001.jpg)
現行アクセラはマツダの基幹車種だけあって、バリエーションが非常に富んでいる。機械的な選択肢が数々あり、それらを組み合わせるとさまざまな車両が生み出せるという格好だ。
▶︎ボディ 5ドアハッチバック/4ドアセダン
▶︎エンジン ガソリン/ディーゼル
▶︎変速機 6速AT/6速MT/THS-II
▶︎駆動方式 FWD/AWD
ボディから選ぶ
![2013年式、つまり登場時のアクセラ。画像は北米仕様。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972788_201901311306260000001.jpg)
ハッチバックが好きとか、セダンでないと困るとか、好みにも大きく左右されるであろうボディスタイル。トランクがうしろに備わっているだけにセダンはハッチバックよりずいぶん長いんだろうと決めつけていたのだが、こうやって並べてみると大した差がないことに驚く。数字を調べてみたらセダンの4580mmに対してハッチバックは4460mm(後期型は4470mm)と、120mm(110mm)しか違わなかった。
積載性能を考えると、一般的にハッチバックはバックドアが備わり大開口部が設けられるから荷物の搬出入性に優れる。一方のセダンは荷物の積載レベルがトランクフードまでという制限があるものの、キャビンと隔絶されているので載せ降ろしの際に外気温の影響を受けない。また、停車時に荷物がまったく目に触れないという点も安心だ。
ボディ剛性という視点からは、大開口部があるハッチバックに対してセダンは相対的にリヤセクションを頑丈にすることができる。アクセラはリヤサスペンションにマルチリンク式を用いていて、アーム/リンク類がきちんと動くためにはボディの剛性が必要。決してハッチバックの絶対剛性値が低いということではないが、セダンに対しては……というのはあるだろう。
スタイリングについては先述のとおり、好みに大きく左右されるポイント。ルーフラインがボディエンドまで滑らかに続くハッチバック、弧を描きリヤフードに流れるセダン。アクティブなハッチバックに、フォーマルなセダン。いろいろな選び方があるだろう。リヤドアが共通部品なことにも驚き。なお、2種のホイールベース値は2700mで同一だ。
エンジン/変速機で選ぶ
![ガソリンエンジン。左から1.5ℓ、2.0ℓ、2.0ℓハイブリッド(変速機込)](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972791_201901311350390000001.jpg)
![ディーゼルエンジン。左が1.5ℓ、右は2.2ℓ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972792_201901311351060000001.jpg)
パワートレインは多岐にわたる。整理すると以下のラインアップである。
▶︎エンジン 1.5ℓのガソリン、2.0ℓのガソリン、1.5ℓのディーゼル、2.2ℓのディーゼル
▶︎変速機 6速AT、6速MT、THS-II式ハイブリッドトランスミッション
マツダといえばディーゼル!という方も少なくないはず。「圧縮比」という、聞いたことはあるけど一体何に寄与しているのかよくわからなかった概念を14という数字とともに広く一般に認識させ、一気にプレミアムなエンジンという印象に仕立て上げたマツダの手腕と実力にはあらためて脱帽である。エンジン性能から考えると、アクセラには明らかにオーバースペック。つまり、相当なパフォーマンスが望めるエンジンである。
後期型からは1.5ℓディーゼルが追加された。CX-3で登場を果たしたユニットで、アクセラのボディサイズからするとちょうどいい性能を発揮する。実用ディーゼルを狙うならこのエンジンが狙い目だろう。
かといってガソリンエンジンの分が悪いのかといえばまったくそんなことないのがSKYACTIVの実力である。1.5ℓは自動車税でランクを下げられるメリットがあり、高負荷で使うことがないのなら軽くて小さいからクルマの回頭性に優れる。
2.0ℓはSKYACTIV-Gの中核機関だけに非常に洗練されている燃焼感覚。余裕トルクがあるだけに、どのような走行シーンでも搔痒を感じないのも美点だ——ったのだが、後期型ではラインアップから外れている。
![3種の変速機。左からAT、MT、ハイブリッド。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972794_201901311344230000001.jpg)
6速ATは変速スピードの速さに心血を注いだ力作。ステップ比の絶妙さとも合わせて、シフトアップ/ダウンには「よくわかっているなあ」と感心することしきり。多段ATの意義を見誤っているクルマが散見されるところ、地に足ついた設計と制御にぜひ触れてみてほしい。3種いずれのエンジンでも選択可。
変速機にMTが選べるのも近年のマツダ車に人気が集まる点だろう。苦手な意識がある方にこそ、ぜひ選んでもらいたいMT。6速MTは1.5ℓガソリン/2.2ℓディーゼルで選択が可能だ。
ハイブリッドは、トヨタからの供給ユニット。エンジンは2.0ℓガソリンの専用品が組み合わされ、変速機との最適相乗効果を図る。燃費をとにかく追求したいならコレである。ハイブリッドのみアクセルペダルは吊り下げ式だ。なお、ハイブリッド車はセダンボディのみのラインアップである。
駆動方式から選ぶ
![i-ACTIV AWDの概念図。リヤデフユニット前端に備わるカップリングユニットで、FWD/AWDを切り替える仕組み。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972797_201901311402320000001.jpg)
マツダのAWDシステム「i-ACTIV AWD」は、後軸へトルクを常時わずかに流しておき、前輪のスリップを検知した瞬間に電子制御式カップリングユニットを締結、AWDモードにするという仕組み。普段の高効率と万一のスタビリティの両立を高度に図ったシステムで、通常走行時の違和感がないのも特徴である。冬季に積雪に見舞われるエリア、頻繁に氷雪路へ赴く用途などでは非常に有用だ。
とはいうものの、そのような走行シーンに行かないと明らかなら、常時回っているプロペラシャフトやリヤデフユニットは、FWD走行時には抵抗/デッドウェイトになってしまう。使用条件をよく考えた上での選択が求められる。
![じゃあお前はどれにするんだと訊かれたら、ハッチバックの2.0ℓガソリン+6速AT、FWDモデルにします。この組み合わせが走る曲がる止まるのバランスにおいていちばん好みに合っていました。](https://motor-fan.jp/images/articles/10007938/big_972799_201901311402450000001.jpg)
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