マツダ・ロードスターの30年を振り返る Part 2〈三代目「NC」&四代目「ND」編〉
MotorFan / 2019年2月9日 17時0分
マツダ・ロードスターが誕生したのは、バブル真っ盛りの1989年。今年は生誕30周年のアニバーサリー・イヤーであり、2月9日から一般公開されるシカゴ・オートショーでは3000台限定の30周年記念車が発表される。自動車を取り巻く環境が激変してきた30年間、オープン・2シーターという決して万人受けはしないパッケージングにも関わらず、四世代に渡る命脈を繋いできたことは奇跡としか言いようがない。あらためて、その偉大なる足跡を振り返っていこう。第二回目は、二代目「NC」と三代目「ND」である。 TEXT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)
三代目「NC型」マツダ・ロードスター(2005〜15年)
三代目となるNC型ロードスターは、2005年のジュネーブショーで発表。NB型がNA型の基本設計を継承していたのに対し、NC型はRX-8と共有される新規プラットフォームを採用。全幅が1720mmとなり、初めて3ナンバー登録車となった。
デザイン的には前後ホイール間を絞り込んだ伝統的なコークボトルシェイプを改め、大幅に拡大されたトレッドをそのまま活かしたスムーズな面構成を採用。それにより室内幅が広がり、サイドエアバッグのためのスペースも確保された。ソフトトップは開閉が容易なZ折りタイプを採用している。
エンジンは従来のB型からL型の直列4気筒DOHCに変更され、日本を含む全市場向けに2.0Lを採用。欧州仕様のみ1.8Lも用意されていた。トランスミッションの設定も仕向地で多少異なるが、日本仕様には新開発の6速MT、5速MT、6速ATの全タイプがラインナップされた。205/45R17のタイヤが標準設定となり、その性能をフルに発揮させるべく、ジオメトリーを最適化。サスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーンで、リヤに新設計のマルチリンクが採用された。
2006年8月には歴代初となる電動格納式ハードトップを備えた、ロードスター・パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)を発売。08年12月にはマイナーチェンジが実施され、フロントグリルの形状が変更されている。
四代目「ND型」マツダ・ロードスター(2015年〜)
そして現行モデルである四代目のND型が、2015年に発売。SKYACTIVテクノロジーとデザインテーマ「魂動(こどう)」を採用した全面刷新が施され、初代に立ち返ったような軽量コンパクトボディ、乗る人が際立つプロポーションを実現。スポーツカー冬の時代と言われる現代に、希望の光を与える存在として大きな話題となった。
エンジンはSKYACTIV-G 1.5と呼ばれる1.5L直列4気筒DOHC直噴ガソリンエンジンを採用。13.0という高圧縮を実現し、動力性能と燃費性能を両立させた。トランスミッションは6速MTと6速ATの組み合わせ。ちなみに北米市場には当初から2.0LのSKYACTIV-G 2.0が導入されている。
16年にはハードトップバージョンのロードスターRFを追加。18年6月には商品改良が実施され、1.5Lと2.0Lのエンジンがともに改良を受けたほか、予防安全装備であるi-ACTIVSENSEの性能向上と標準装備化が実現された。
初代のNA型から始まったロードスターの累計生産台数は、NC型の生産期間である07年に80万台、同じく11年に90万台に到達。そして現行のND型に至り、16年に大台の100万台を突破した。いずれの時も「ふたり乗り小型オープンスポーツカーの生産台数」において当時のギネス世界記録に認定されており、その記録は今なお更新され続けている。
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