e+の加速は、40kWh版よりスゴイのか? 日産リーフe+の加速Gを測ってみた
MotorFan / 2019年2月21日 8時0分
日産リーフに追加されたグレード「e+」に公道で乗る機会を得た。ノーマルリーフに比べて高機能版であることは先刻承知、実際にどれくらいのパフォーマンスなのかを計測してみた。
「シートバックに押し付けられるような強烈な加速」とは時折見かける表現だが、イメージは伝わるもののいかにも漠然としている。というわけで何か数値で伝えられないかと思い、G-Bowlアプリを使って測ってみた。停車状態からフル加速して計測すると、以下のような結果が現れた。
Dレンジ:最大加速度0.46G、最大加加速度0.56G/S
Bレンジ:最大加速度0.46G、最大加加速度0.63G/S
実はお借りしたクルマの空気圧が高いことがわかっていて(250kPa指定のところ310kPa充填状態)、念のため指定空気圧に戻して同じように計測してみた。
Dレンジ@250kPa:最大加速度0.47G、最大加加速度0.63G/S
Bレンジ@250kPa:最大加速度0.47G、最大加加速度0.60G/S
ご存じBレンジはアクセルオフの減速度を強める制御走行モードだが、こうしてみると加速時には大きな違いは見受けられなかった。しかしいずれにせよ、最大加速度0.47G、最大加加速度0.63G/Sというのは結構な値である。日産がゼロ発進対決でリーフとスポーツカーを比べるテレビCMを打つ理由もうなずける。
いっぽうでe-Pedalの減速制御ではどのような数値を示すのか。同じようにG-Bowlアプリで測ってみた。e-Pedalをオンにして、停車位置を見定めてふんわりとペダルを抜いていくとき、何も考えずにいきなりオフにするときの2種を計測したのが下の結果だ。
ふんわり:最大加速度(減速度)0.23G、最大加加速度0.25G/S
いきなり:最大加速度(減速度)0.58G、最大加加速度0.81G/s
日産のe-Pedalの説明によれば「アクセルペダルを戻すとブレーキペダルを踏んだ場合と同等の減速感(最大0.2G)を発生。精確なモーター制御により坂道での減速もスムーズ」とあり、おそらくこれは日常でのペダル操作についての言及だろうから、上記の0.23G@ふんわりにも通じる。
ぜひ、e+のみならず40kWh仕様車(つまりノーマル)でも同じように計測してみたかったのだが——今回の試乗会では用意がなかった。ご参考に、広報I(アイ)氏によれば、絶対馬力ではe+が勝るものの40kWh車は車重の軽さが幸いし、ゼロスタートでの発進ではむしろ勝るシーンもあるという。ぜひ、ノートe-Powerも含めて(なんならNISMO Sも含めて)挑戦してみたい。
![装着タイヤはダンロップ・エナセーブEC300。](https://motor-fan.jp/images/articles/10008243/big_1043771_201902201724330000001.jpg)
62kWhパックのテクノロジー
リーフe+の技術的トピックといえば、62kWhまで増量したバッテリー容量。すでにあちこちで報告されているとおり、セル数を288としたことで実現した数字である。
試乗会後に、あらためてバッテリーのお話を聞くことができた。
パックにおけるセル数・192/288という数字は、96という数字をベースに組み立てられているという。つまり、直列セル数96=350Vという電圧値だ。
日産はハイパーミニとティーノハイブリッド(ともに2000年)の時代から、システム電圧を変更していない。さらに言えば、オートモーティブ・エナジー・サプライ社から調達するラミネート型リチウムイオンセルの電圧が変わっていないということとも同義である。
システム電圧を350V固定とすることで、開発時の変動要素を抑え、モーター/インバータの開発にも効率化が図れる。今回のe+の登場に際しても、モーターはEM57型を継続使用、インバータも最高出力時の効率向上を図るための熱損失低減制御などは盛り込んでいるものの、ハードウェア改変としては最小限に抑えている。
つまり、62kWh仕様を仕立てるためには288セルという数字は不可避、次なるステップは96×4=384という数字が現れるということだろう。
しかし192セルの筐体にさらに96を詰め込むというのは相当な難儀である。それゆえ、レーザ溶接を用いるフレキシブルモジュール生産方式が考案された。レーザ溶接を完遂するためには相当な寸法精度が必要。しかしバッテリーセルの電極タブは柔らかい合金である。それをどのようにしてバスバーと確実に接合するのか。
「タブを丸めてバスバーに押し当てているんです。裏側からスキャンして確実な接触を確認し、その後レーザを照射して接合します」
なるほど。確かにそうすれば確実な接触とすることができる。プレゼンテーションで公開した工法で二度の照射をしているのが気になったが、前段はインスペクション/後段はウェルドということをしていたというわけだ。
![192セル仕様、40kWhのパック。](https://motor-fan.jp/images/articles/10008243/big_1043776_201902201720460000001.jpg)
![車両後方の3列目モジュールは立てて搭載する。ご覧のように電極や間隙は大きめ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10008243/big_1043777_201902201721540000001.jpg)
![288セル62kWhパックではフレキシブルモジュールとしており、電極もバスバーを用いる。隙間はごくわずか。](https://motor-fan.jp/images/articles/10008243/big_1043778_201902201723390000001.jpg)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ヒョンデの650馬力EV『アイオニック5 N』、インドネシア向けは現地製に
レスポンス / 2024年7月24日 16時15分
-
日産、新型『セレナe-POWER』をインドネシアに投入 プロパイロットは「1.0」搭載
レスポンス / 2024年7月22日 17時30分
-
日産ノートオーラNISMOに待望の4WD追加! ちょっと刺激的なドライビングフィールを体感する
レスポンス / 2024年7月18日 21時30分
-
ヒョンデ アイオニック 5 N(IONIQ 5 N)試乗記・評価 驚異の走りと脅威な価格
CORISM / 2024年7月14日 20時6分
-
急坂もスイスイ進む力強さ! 電気で走る小型トラック「eキャンター」試乗で感じたEV活躍の場
くるまのニュース / 2024年7月4日 15時40分
ランキング
-
1トヨタの新型「ランドク“ルーミー”」初公開!? 全長3.7m級「ハイトワゴン」を“ランクル化”!? まさかの「顔面刷新モデル」2025年登場へ
くるまのニュース / 2024年7月23日 11時50分
-
2ダニ繁殖シーズン到来…アレルギー持ちや痒くてたまらない人はカーペットと畳に注意
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分
-
3【520円お得】ケンタッキー「観戦バーレル」本日7月24日から期間限定発売! SNS「絶対に買う」の声
オトナンサー / 2024年7月24日 12時40分
-
4いい加減にして!何でももらってくる“自称・節約上手”の母のせいで衝撃の事件が…
女子SPA! / 2024年7月24日 8時47分
-
5話題作なく総崩れ?「夏ドラマ」評価分かれる背景 クドカン新作と日曜劇場は厳しい評価の一方…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)