ランボルギーニ・ウラカンの新モデル、EVOは優れた頭脳を持つ、最高に楽しいスーパーカーだ!
MotorFan / 2019年3月4日 2時40分
ランボルギーニのV10ミッドシップ、ウラカンに新たに加わった新モデルがウラカンEVOだ。ウラカンとしては初のAWSを採用し、フィードフォワード制御も持つLDVIを搭載している。その走りをバーレーンで試してみた。
ウラカンはデビューからすでに5年が経つが、その間に様々なバリエーションを登場させている。このたび、また新たなバージョンがそのラインナップに加わることになった。それがウラカンEVOだ。2017年にウラカン・ペルフォルマンテが登場しているから、それから2年足らずでのニューモデルの登場である。
搭載されるエンジンはペルフォルマンテと同じ640ps、600NmのV10エンジンだ。だが、ペルフォルマンテで採用されている先進のエアロダイナミクス、ALAはEVOには搭載されていない。その代わりに四輪操舵とトルクベクタリング、が採用されている。ちなみにウラカンにAWSが組み合わされるのはこれが初めてだ。
そして注目は新開発のLDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)。これはアクセル開度やブレーキ、左右と垂直方向のGやステアリングの切れ角など、車両のあらゆるデータをモニターし、AWDの前後トルク配分やトルクベクタリング、ダンパーや動的挙動のすべてを制御する装置だが、このLDVIのすごいところはフィードフォワード制御を持つ点だ。つまりそれまでのデータを基に先の動きを予測するロジックが加えられており、前述のさまざまな車両のリアルタイムのデータ、ANIMAのモードなどを分析し、この先にどのような動きが求められるかを判断して各部に指令を与えるのだという。
これのおかげでウラカンEVOは優れたパフォーマンスをあらゆる環境で多くの人が楽しめるスーパースポーツカーに仕上がっているという。実用性も重視されており、そのために大きなリヤウイングを持つALAは装着されていない。その代わりにウラカンEVO には新デザインのフロントバンパーやリヤウイング、ディフューザーなどが与えられている。見た目は大人しいが、ダウンフォースはスタンダードのウラカンの7倍にもなる。
センターコンソールには大きな縦型モニターが装備された。大型モニターの装着もウラカンとしては初めてだが、これも実用性を大いに高めるだろう。このモニターにはナビだけでなく前後のトルク配分やAWSのリアルタイムの作動状況を表示することもできる。
試乗の舞台となったバーレーン・インターナショナル・サーキットのピットをスタートし、加速していく。ブレーキングでシフトダウンしつつターンインしていくと、スーッとクルマ素直に向きを変え、そこからアクセルを踏んでいけば、強烈なトラクションでクルマは前へと突き進む。右足と直結しているかのような自然吸気V10のレスポンスの鋭さと湧き上がるパワーは、素晴らしい快感だ。
ANIMAはSPORTモードで走っていたのだが、これがかなりオーバーステアな設定のようで、ペースを上げていくとタイトなコーナーではテールが流れ出す。しかしその流れ出しの挙動が実に自然で動きがスムーズなものだから焦ることはまったくない。おそらくクルマの中枢ではLDVIがあらゆるデータを計算して各タイヤのトルク配分やダンパー、ステアリングなどに細かく指示を出しているのだろうが、運転している方はまったくそれを知ることなく、ただこのハイパワーと自由自在の走りを楽しめるのだ。
今回はサーキット走行だけでなく、通常のウラカンとスラロームを比較走行することもできたが、これが両車ではかなり違っていた。
ウラカンEVOはドライバーを中心にクルマが回転するかのように向きを変え、ステアリングの切り角もウラカンより少ない。まるでクルマが小さく、ホイールベースも短くなったようで、しかも動きが軽い。素のウラカンも十分に軽快でよく曲がるのだが、ウラカンEVOと比べるとその違いは大きい。サーキットでのターンインのスムーズさも、4WSとトルクベクタリングがかなり貢献していたはずだ。
テクノロジーの進化により、現代のスーパースポーツは超高性能を安全に提供できるようになった。ウラカンEVOは安全に加えて、その性能を引き出す楽しさも与えてくれる。まさに現代スーパースポーツの一つの究極の姿だと言えるだろう。
SPECIFICATIONS
ランボルギーニ・ウラカンEVO
■ ボディサイズ:全長4520×全幅1933×全高1165mm ホイールベース:2620mm ■車両重量:1422kg ■エンジン:V型10気筒DOHC ボア×ストローク:84.5×92.8mm 総排気量:5204cc 最高出力:470kW(640ps)/8000rpm 最大トルク:600Nm(61.2kgm)/6500rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:FRダブルウイッシュボーン ■ブレーキ:FRベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック) ■タイヤサイズ(リム幅):F245/30R20(8.5J) R285/30ZR20(11J) ■パフォーマンス最高速度:325km/h 0→100km/h加速:2.9秒 ■車両本体価格:3223万736円
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
1000馬力超え! スバル新型「“和製”スーパーマシン」! 「ヤマハ製パワトレ」搭載で“最速”目指す「STI E-RA」とは
くるまのニュース / 2024年9月12日 14時10分
-
TOYOTA GAZOO Racingが「GR Supra GT4 EVO2」を発売! パフォーマンス、信頼性、操作性を向上
バイクのニュース / 2024年9月11日 15時10分
-
スバルが作った「究極のBRZ」って何? 「速いだけじゃない…」 アイサイトも搭載されるの凄くない? S耐マシンに試乗!
くるまのニュース / 2024年9月3日 20時30分
-
「気分はパイロット」電動ランボルギーニ第2弾『テメラリオ』、新デザインDNAの注目ポイント
レスポンス / 2024年8月29日 21時0分
-
新型「“MR”スポーツカー」世界初公開! “1万回転”まで回る「V8」搭載! 斬新「六角形デザイン」が超カッコイイ「ランボルギーニ」登場
くるまのニュース / 2024年8月23日 5時50分
ランキング
-
1「血糖値」下げるつもりが、じつは無意味な習慣4つ 「健康的な面」だけにフォーカスを当ててもダメ
東洋経済オンライン / 2024年9月16日 15時0分
-
2小泉進次郎を称賛し、自民党に投票するのは「レベルが低い」から? 知的エリートが陥りやすいワナ
オールアバウト / 2024年9月19日 21時15分
-
3なぜ「肌の接触」が必要なのか? ハグやマッサージが幸福感をもたらす理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月19日 17時50分
-
4「特需」に沸き立つ日本の港湾用クレーンメーカー…米中対立の余波で“棚ボタ”ウハウハ(重道武司)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月19日 9時26分
-
5コスパが良いと思うエアコンのメーカーランキング! 2位「ダイキン」、1位は?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年9月18日 20時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください