プジョーのライオンは高性能ノコギリの象徴! 自動車エンブレムストーリー
MotorFan / 2019年3月24日 3時0分
プジョーのエンブレムには横向きのライオンのイメージが使われています。でもなぜ、ライオンなのでしょうか? 世界最古の自動車メーカー、プジョーとそのエンブレムのストーリーを紐解いてみましょう。
フランスを代表するブランドであるプジョー。このプジョーのエンブレムにライオンが使われているのはご存知ですね。ではなぜ、プジョーはエンブレムにライオンを使っているのでしょうか。
プジョーの歴史は非常に古く、1810年ごろから製鉄工場を営み始め、工具やスプリング、コーヒーミルなどの製造を始めました。この頃からすでにプジョーの製品にはライオンマークが刻印されるようになり、1858年には商標登録を行なっています。
どうしてライオンだったのかというと、当時の主力製品であったノコギリの刃とライオンが連想づけられたからのようです。また、最高の品質を表す象徴としても、百獣の王であるライオンがふさわしいと判断したのでしょう。当時のノコギリの広告では
「ノコギリの刃の堅牢さは、ライオンの歯のごとく」
「ノコギリの刃のしなやかさは、ライオンの強靭な肉体のごとく」
「ノコギリの刃の切れ味の良さは、獲物に飛びかかるライオンのごとく」
と謳っています。プジョーのライオンマークは、そもそもノコギリの品質の高さをイメージしたものだったのですね。
その後プジョーは1885年に自転車の製造を始め(つまりプジョーの自転車の歴史はクルマよりも古い)、次は自動車製造に進出、1889年には第一号車を完成させますが、これはまだ蒸気機関を使用したものでした。しかし1890年にはドイツ・ダイムラーのガソリンエンジン(パナール・ルバッソール社がダイムラーのパテントにより製造したもの)を搭載したガソリンエンジン車を製造し、自動車メーカーとしてのプジョーが始まったのです。そしてライオンのエンブレムはプジョー社の自転車にもクルマにも当初から装着されていたのでした。
今のエンブレムは後足で立ち上がった横向きのライオンが使われていますが、この絵柄が初めて用いられたのは1948年です。1960年代にはライオンの頭部のみがモチーフとなったこともありましたが、1975年に再び後足で立ち上がった姿がエンブレムに採用され、以後デザインは変わりながらも現在まで続いています。
ちなみに現在のエンブレムは2010年から用いられています。従来よりも直線的でシャープなデザインとなり、それまであったライオンの舌がなくなっているのが特徴です。
プジョーのライオンマークは、その歴史の中で何度もデザインを変えています。約170年の歴史を持つ世界最古の自動車エンブレムは、世界で最もデザインが変わったエンブレムかもしれません。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ斬新「クラウン“ミニバン”」がスゴイ! 「エステート」じゃない“全長5m”超えSUVモデルも! 日本では買えないユニークな「クラウン」とは?
くるまのニュース / 2025年1月22日 14時50分
-
両側“電動スライドドア”の「3ドア“コンパクト”」がスゴイ! 全長3.7m級でMT設定もアリ! 斬新すぎる「プジョー 1007」とは
くるまのニュース / 2025年1月14日 22時10分
-
ダイハツ「4ドア“クーペ”」がスゴイ! まさかの「普通車サイズ」ボディ&旧車デザイン採用! “メーカー初”の普通乗用車オマージュのコンセプトカー「DNコンパーノ」とは?
くるまのニュース / 2025年1月14日 10時10分
-
「技術の日産」を象徴する名車たちのヒストリー 対照的なトヨタの存在、最先端のEV技術は健在
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 11時0分
-
現存する会社設立の古いバイクメーカーはどこ?(国内、海外)
バイクのニュース / 2024年12月29日 10時10分
ランキング
-
1「昔は銃メーカーでした」 ルーツが意外すぎる世界のビックリ自動車企業 トホホな転身の理由も
乗りものニュース / 2025年1月22日 9時42分
-
2所要時間わずか「3分の1」に!? 練馬の「平和台トンネル」開通効果がスゴかった 環八の“地獄渋滞”交差点を丸ごとスルー!?
くるまのニュース / 2025年1月24日 7時30分
-
3【風呂キャンセル界隈】「お風呂に入らないことがある」女性は半数以上 - 最も面倒だと感じる工程は?
マイナビニュース / 2025年1月23日 17時48分
-
4モヤモヤする「フジテレビのガバナンス問題」 中居正広さんは芸能界引退発表、関係者も言及
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 8時20分
-
5「女帝逮捕」東京女子医大の再生は可能なのか 新理事長と学長が単独インタビューに応じる
東洋経済オンライン / 2025年1月24日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください