ZF 「coPILOT」の走行の安全性と快適性を向上
MotorFan / 2019年4月22日 9時0分
ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン(ZF)は18日、走行の安全性、快適性を向上させるインテリジェントな先進運転支援システム(ADAS)「ZF coPILOT(コパイロット)」を発表した。
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10009253/big_1240548_201904221902120000001.jpg)
このシステムは、AIと包括的なセンサーセットを活用することで、特に高速道路におけるさまざまな自動運転機能を可能にする。さらに「ZF coPILOT」は音声コマンドにも対応。また、交通状況を認識し、車両操作を感知し、ドライバーを監視するよう設計されており、即座に制御システムに介入し、危険な状況の事前回避をサポートする。「ZF coPILOT」は、「ZF ProAI」セントラルコンピュータと「NVIDIA DRIVE」プラットフォームを活用している。量産用に設計されており、2021年から提供を開始する予定。
NVIDIA社の「DRIVE」ソフトウェアを稼働させる初のシステムとして「ZF ProAI」の採用を発表したわずか3ヶ月後、ZFは「ZF coPILOT」を上海モーターショーで公開した。両社は協力して、「レベル2+」のシステムを提供し、乗用車走行の安全性、快適性の向上を目指す。ZFでオートノマス・モビリティ・ソリューションを統括するトーステン・ゴレウスキー氏は次のように述べている。
「ZF coPILOTは、AI、360度のセンサーセット、パワフルなZF ProAIセントラルコンピュータ、およびNVIDIA DRIVEプラットフォームから構成されています。そのため、通常の自動運転レベル2を上回る自動運転機能および安全性を提供します」
「ZF coPILOT」を搭載した試作車は上海モーターショーで世界初公開され、その機能性やドライバーにとっての快適性、安全性のメリットが披露された。例えば、適切な条件下であれば高速道路への進入や離脱を自動で行うなどの機能が備わっている。高速道路での走行をさらに快適なものにするために、「ZF coPILOT」では、アクティブ・ステアリング・アシストやレーンキープアシストが先進のクルーズコントロールと組み合わされている。さらに、「ZF coPILOT」は車線変更、追い越し、合流をプロアクティブに行うほか、車両周囲の環境を常に分析し、歩行者、対向車、交差点を認識する。
「ZF coPILOT」にはドライバーを監視するセンサーや機能も搭載されており、潜在的に危険な状況では警告を発する。このような状況には、例えば、ドライバーの注意が散漫になっていないか、目の前の交通状況からはるかに離れたところに焦点が合っていないか、または、眠気に襲われている兆候はないかなどが含まれる。さらに「MyRoute」(以前に走行したルートを認識するマップ機能)を含む高性能なナビゲーション機能に加え、「ZF coPILOT」には音声認識機能も搭載されているため、音声コマンドによるドライバー・アシスタンス機能の有効化や実施、キャンセルも可能だ。
![「ZF coPILOT 」のセンサーセットは、フロントレーダー、4個のコーナーレーダー、合計8台のカメラにより構成。システムのコアは第2世代の「ZF ProAI」。](https://motor-fan.jp/images/articles/10009253/big_1240550_201904221901060000001.jpg)
今回の試作車に搭載されているZFセンサーセットは、フロントレーダー、4個のコーナーレーダー、合計8台のカメラにより構成されている。2台のカメラは前方、1台は後方を捉えており、さらに2台が各サイドミラーと一体化し、1台はドライバーの監視用となっている。
包括的なセンサーセットからリアルタイムに収集された膨大なデータを分析するためには、高性能な処理能力が必要だ。その役目を果たすのが、「ZF coPILOT」に搭載された第2世代の「ZF ProAI」セントラルコンピュータ。高性能かつ高エネルギー効率の演算能力を有する「NVIDIA DRIVE Xavier」プロセッサをコアに、「ZF ProAI」はドライバー・アシスタンス機能のための学習済みアルゴリズム統合し、完全な制御を行う。柔軟性、拡張性に優れたこのシステムは、シームレスな更新が可能。要望に応じて、車両メーカー独自の、またはZFの開発による機能を追加することができる。
「ZF ProAI」の製品シリーズにはレベル0からレベル5までの範囲で4つのモデルが存在し、自動車のあらゆるカテゴリーを網羅している。最上級モデルの「ZF ProAI RoboThink(ZFプロAIロボ・シンク)」は, 毎秒600兆回(600テラOPS)までの計算が可能な演算能力を有し、現在のモビリティ業界において最も高性能なAI機能を有するスーパーコンピューター。
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10009253/big_1240552_201904221901380000001.jpg)
高度な自動運転であるSAEレベル3は多くの国においてまだ許可されていないため、「ZF coPILOT」は部分自動運転のSAEレベル2をベースとしており、ドライバーは常に交通状況を確認することが求められている。しかし、ZFおよびNVIDIA社が提供するレベル2+テクノロジーにより、「副操縦士」のようにサポートする、信頼性、利便性の高いアシスタント機能が可能となった。
ゴレウスキー氏は次のように述べている。「ZF coPILOTのようなレベル2+のシステムは自動車メーカーにとって非常に魅力的であるという自信があります。幅広い機能により、消費者に安全性、快適性における多大な付加価値を魅力的な価格で提供することを可能にします」
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