NTTドコモ:IoT向け通信規格「LTE-M」を活用して運搬車両の運行状況を見える化
MotorFan / 2019年4月22日 9時0分
NTTドコモと米国現地法人であるNTT DOCOMO USAおよび、伊藤忠ロジスティクスと米国で物流業を展開するITOCHU LOGISTICS (USA) は、IoT向け通信規格「LTE-M」を活用して、傭車(自社保有ではない運搬車両)の運行状況を見える化するソリューションの実証実験を2019年5月1日(水)から、米国で開始する。
配送事業の需要が増える一方で、傭車を使用した運送においては、運行状況を把握するIoT機器の常設が難しいという課題があった。本ソリューションは、低消費電力通信が可能な規格「LTE-M」を利用して、バッテリーやソーラーで駆動する、取り外しが可能なIoT端末を傭車に設置し、運行状況把握の自動化を図ることで、効率的な運送管理をめざす。
傭車に設置したIoT端末から、「LTE-M」により、位置情報や急ブレーキの頻度などの運行状況を自動収集する。これまではドライバーへ電話確認で到着確認を行っていたが、本実証実験では専用のポータルサイトで、位置情報や急ブレーキの頻度を表示しリアルタイムで閲覧できるようにするほか、傭車が配送先に近づくと配送先の顧客と伊藤忠ロジにメールで通知し、運行状況の見える化を図る。メール通知がされることで配送先の顧客は配送状況を把握できるため時間を有効活用することができる。
本実証実験では、ITOCHU LOGISTICS USAの配送ネットワークを活用し、運送の位置管理や安全管理の有効性を検証する。伊藤忠ロジが取得可能な情報として、他にも温度や湿度、明るさなどもあり運送するものに合わせたニーズに対応可能なため、傭車を選択する際に役立てることができる。
本実証実験は、法人の顧客のIoT製品のグローバル展開のために、ドコモがグローバル回線・オペレーション・コンサルティングをワンストップで提供するマネージドサービス「Globiot(グロビオ)」および 伊藤忠ロジの物流ソリューションの一環。今後は、本ソリューションを米国以外に日本およびアジアでも展開していくことをめざす。
本実証実験概要
1.目的
傭車の運行状況を見える化するソリューションにおいて、必要な機能や各種センサーの最適閾値(いきち)を検証し、「LTE-M」を活用したソリューションの有効性を評価。
2.実証実験期間
2019年5月1日(水)~2019年6月28日(金)
3.検証機能
(1)目的地到着時間の履歴閲覧機能
配送先の顧客と伊藤忠ロジは、対象の荷物が目的地に何時に到着したか、履歴をポータルサイトの画面から24時間閲覧が可能。
(2)目的地への配送状況のリアルタイム把握機能
配送先の顧客と伊藤忠ロジは、現在の荷物の位置(5分ごとに更新)をポータルサイト上でリアルタイムに把握可能。
(3)設定エリア圏内への到着通知機能
配送先の顧客と伊藤忠ロジへ傭車が目的地に一定距離まで近づいたらメールで通知。
4.実証実験で使用するIoT端末の仕様
(1)内蔵センサー
GPS位置情報、明るさ、温度、加速度、湿度、バッテリー残量、気圧
(2)省電力
LTE-M/NB-IoTのデュアル対応
3400回の通信が可能(1日1回更新の場合、約10年利用可能※)
※ 今回の実証実験では約10か月の利用が可能。
(3)防水防じん
IP66 Rugged & dust / water-resistant enclosure
(4)サイズ
高さ約123mm×幅約81mm×厚さ約32mm
5.各社の役割
ITOCHU LOGISTICS USA
・傭車における本ソリューションの利用
・本ソリューションで使用する専用端末の設置と管理
(各種センサー閾値の最適化への協力を含む)
・本ソリューション利用に関する運送会社や配送先顧客からのフィードバックをドコモUSAに提供
ドコモUSA
・本ソリューション(専用端末、ポータルサイト含む)の提供と各種設定
・専用端末の各種センサー閾値の調整と変更
ドコモ・伊藤忠ロジ
・本ソリューションの日本およびアジアでの展開を検討
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