梅本まどかの全日本ラリーレポート 第3戦唐津/後編「広報としての立場でラリーを見て分かったこと、感じたこと」
MotorFan / 2019年4月24日 14時30分
怪我のため、コ・ドライバーとして参戦予定だった全日本ラリー第3戦唐津は無念の欠場となった梅本まどか。今回はチーム広報としてラリーに帯同し、改めて、ラリーに出られなかったことの重さを感じるとともに、広報としての立場だからこそ感じたことや、新しい発見があったようだ。そんな梅本まどかの全日本ラリー唐津戦のレポート後編をお届けしよう。
今回は怪我のため欠場となってしまった全日本ラリー選手権第3戦「ツール・ド・九州in唐津」。初日のレグ1を2位で終え、最終日となる2日目をレポートしたいと思います!
レグ1を終えた車両は、規則により車両保管、つまりパルクフェルメとなります。そこで、レグ2の朝、ホテルからサービスまでの移動はみんな一緒のクルマでの移動となりました。
これはTGRラリーチャレンジの時にはなかったのでびっくりしました。
今回は、2日目にホテルをチェックアウトするため、チームメンバーの荷物がたくさんあり、監督はサービスパークとホテルを2往復して、選手はもちろんチーム全員を送ってくれました。監督、ありがとうございます。
サービスパークに到着すると、チームではまずタイヤ選択の相談をします。そして、今日はどんな戦略でいくかを考えます。
ちなみにレグ1では、私達の40号車 WELLPINE MOTORSPORTは、DUNLOPのS11というソフトタイヤを履きました。
車両保管解除の時間になったら、選手はパルクフェルメに向かいます。
サービスインし、メカニックさんが走行前の作業をしてくれます。
選手は朝からインタビュー。
板倉選手かっこよく車両と撮ってもらっていました。
こういうのも選手のお仕事です!
今回はスペシャルステージがサービスのすぐ横。ということで、空いた時間には他の選手の走りを観察します。
板倉選手は「ジムカーナみたいなコースは覚えられないし、難しそう……」と、朝いちばんのSSに向け、少し不安気な様子でした。
そんな中、コ・ドライバーの蔭山選手は淡々とタイム管理と準備をしています。
メカニックさんが朝からしっかりメンテナンスをして下さりいよいよ出発☆
不安そうだった板倉選手は、この辺りで少し雰囲気が変わった気がしました。
いよいよ始まる!という空気に変わったのがわかりました。
かっこよかったです。
選手がサービスアウトしたら、次は監督が取材を受けています。
ラリーの記事では選手の言葉が載ることが多いですが、監督はチームのコンセプトがしっかりと伝わるように、記者の方にたくさんお話しをしているようでした。
チームの方向性、目標。監督の熱い気持ちが伝わってきた気がしました。
取材が終わったら、レグ1同様、速報タイムなどを照合しながら、ラリーの状況を把握していきます。
そんななか、選手とスタッフのご飯の調達へ。
今日はいろんなブースが出ていたのでそこで購入しましたよ☆
レグ2は、レグ1に比べるとSSの距離が短いのであっという間にサービスインの時間になりました。
その前にリグループがあるのでその場所に行くと前の車両も、その前を走っているはずの車両もギリギリか、少し遅れて到着。
なかなか戻ってこない40号車にはらはら。
どうやら一般道で道路混雑に逢い、ほとんどの選手が遅れてしまっていました。
ラリーは到着時間が決められており、「遅着」も「早着」もペナルティの対象となりますが、渋滞などの明確な理由が認められれば、ペナルティの対象にはならないケースが多いようです。
監督も「CROが来てるし、遅着でも大丈夫なはず。」と教えて下さり一安心。
※編集注:CROとは、参加者と主催者と審査委員会の間に立ち、様々な内容を調査し、参加者にアドバイスを行ってくれる競技役員。
リグループへ。
写真では撮れなかったですが、蔭山選手が窓から手を出して、オフィシャルにタイムカードをすぐに渡せる姿勢をとっていたのもとても勉強になりました。
リグループが終わりサービスイン。
※編集注:リグループとは、リタイアや遅延などで競技車の走行間隔に狂いが生じた場合に、間隔を詰めて調節すること。
サービスでは、メカニックさんやスタッフさんが、タイヤ交換やマシンのチェック、タイムの集計をしたりしてくれていました。みんなで力を合わせて30分のサービス時間でそれぞれのお仕事を頑張ります。
選手はこの時間にもインタビューを受け、監督は写真を撮ったり、UPしたり、選手から話しを聞いたり。サービス時間の30分はあっという間に過ぎていきます。
選手を送り出したら、みんなで撤収作業に入ります。
サービスで行ったメンテナンス内容の報告書を技術本部に提出行った時に40号車を、見つけたのでそっと覗いてみました。
板倉選手は一生懸命スペシャルステージのルートを確認! 蔭山選手はTCに向け準備していました。
午前よりもペースアップし、なお監督の「パイロンタッチやペナルティーを受けず戻ってくる事」と話していたのですが、無理はせずしっかりと走りSSも残り2本です。
戻ってくるとちょうどSS13が終わった所で吉報が!!!!!!
なんと!!!40号車SS13でクラストップタイムを出したとのこと!
1位を独走していた大倉選手が、雨が降ったことで安全マージンを確保してペースダウンしていたみたいなのですが、全日本ラリー2戦目にしてクラス1位のSSタイムを出せるなんて!!!!
嬉しい反面かなりのプレッシャーが私を襲いかかりました。
でも、ホントにホントに嬉しくみんなで喜びながらも雨足が強くなってきたので、監督は「抑えて走るように」と選手に連絡。
無事SS14も終えてレグ2も終了です!
板倉選手、蔭山選手ホントにおめでとうございます☆
そして、お疲れ様でした。
喜びもつかの間、チームは選手が戻る前に迎え入れる態勢をつくります。メカニックさんは最後に車を洗車するサービスを行います。
雨の中、サービスイン☆
監督と板倉選手と終わってからのお話し合い。
板倉選手はカメラに気づき満面の笑みでピースしてくれました!
車を綺麗にしてもらい、それからセレモニアルフィニッシュです。
雨の中の撤収です。
大変そうでしたが、チームのみなさんが一生懸命片付けてくれました。
監督は「この雨の中の撤収は辛いけど、いい走りをして帰ってきてくれるとみんな頑張れるよね☆」と話していました!
ホントにそうだなと心に響きました。
今回の全日本ラリー選手権第3戦結果はクラス2位ということで、監督も満足の結果に終わりました!
板倉選手・蔭山選手
ホントにおめでとうございました!
今回、ドライバーとしてではなく、チーム広報として参加し、色々な方からお話しを聞くことができ、チームの動きなどたくさんのことを知る機会を頂けて本当に良かったです。
「コドライバーは経験値だ」とよく言われますが、やはりラリーは準備でどれだけできるかも鍵になってくるのだと今回チームとして参加し感じました。
ここで学べた事を活かしながら、怪我の治療や準備をしっかり頑張りたいと思います!
次戦は板倉選手と第4戦の久万高原ラリーに出場します。
時間がないのですが、今回声をかけて頂いたファンの皆さんの期待にも応えられるように頑張ります!
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