X7は最新BMWラインナップが誇る絢爛豪華なSUVである
MotorFan / 2019年5月6日 16時0分
BMWの最上級SUVにラインナップされるラグジュアリーモデルがX7だ。大型のキドニーグリルに迫力満点のボディサイズ、最新のインフォテインメントシステムを採用したインパネなどまさにBMWのフラッグシップSUVに相応しいモデルに仕上がっていた。 REPORT◉島下泰久(Yasuhisa Shimashita) PHOTO◉BMW AG ※本記事は『GENROQ』2019年5月号の記事を再編集・再構成したものです。
BMW製SUVの最高峰
BMWのスポーツ・アクティビティ・ヴィークルと呼ぶSUVラインナップの最高峰として新たに登場したX7は、全長5151×全幅2000×全高1805mmという堂々たる体躯を誇る。しかも左右が連結された過去最大級のキドニーグリル、その大きさをさらに強調する天地に薄いLEDヘッドランプなどによって構成されたフロントマスクは迫力十分だから、試乗の舞台となったアメリカ、しかもピックアップトラックが闊歩する南部の街ではそれほどでもないかと思ってしまうが、きっと日本の街中では、相当な存在感を発揮するに違いない。
最新のデジタルコクピットを採用したインテリアは、ダッシュボードなどにX5との共通点もあるものの、よりラグジュアリーな雰囲気で仕立てられている。十分なスペースを有するのは言わずもがなだが、高い目線からの眺めは非常に良く、上々の開放感を得ることができる。
もちろん、サイズの恩恵がさらに大きいのは2列目以降である。左右独立の人掛けと3人掛けベンチが選べ、スライドとリクライニングが可能な2列目は、3列目にほぼ等しいスペースを割り振っても膝の前に30㎝近いスペースを確保できる。しかも後方に行くに従って着座位置が高くなるシアターレイアウトにも関わらず、頭上には握り拳が縦に2個入るほどの余裕がある。低いベルトラインのおかげで視界も上々だ。
3列目は、さすがにそこまでの余裕はないものの、大人でも十分座ることができる。さらに着座位置が高く閉塞感はないし、頭も肘も干渉することはない。それどころかアームレストも独立したエアコンも備わるのである。
この3列目を起こした状態でも、荷室は326ℓの容量を確保している。2列目、3列目のバックレストをすべて折り畳んだ状態では2120ℓにも達するから、遊びのギアをたっぷり詰め込みたいというニーズも大いに満足させるに違いない。
試乗車は3ℓ直列6気筒ターボエンジンを搭載したX7 xドライブ40i。スペックは最高出力340㎰、最大トルク450Nmに達し、8速AT、電子制御式4WDシステムと組み合わされる。
そのアウトプットは大柄な車体に対しても十分と言え、発進の瞬間から走りは軽やか。わずか1500rpmから最大トルクを発生するフレキシビリティを切れ味の良い8速ATが巧みに引き出している。
驚かされたのが、その乗り心地である。4輪エアサスペンションを標準としたシャシーは「コンフォートモード」では想像以上にソフトな設定で、いかなる入力も柔らかく包み込むように走ってくれる。試乗車はオプションの22インチタイヤ&ホイールを履いていたにも関わらずだ。その分、うねった路面などで時に揺り返しのような動きが出ることもあるが、そういうものだと思っていれば特に不快なわけではない。
しかも車内は非常に静か。バルクヘッドを二重構造とし、リヤゲートのそれ以外、全面に厚みを増した遮音ガラスを採用するなどの対策が功を奏して、エンジン音も風切り音も非常に低いレベルに抑えられているのである。
そんなX7での長距離巡航は至極快適。クルマ自体は殊更まっすぐ走りたがる感じではないが、これだけのホイールベースがあれば、クルマ任せで自然に直進してくれる。特に2列目の快適性は極上で、どこまでだって乗って行けそうだ。
それでいてワインディングロードだって十分に楽しませてくれるから嬉しくなる。ステアリングレスポンスは正確で、望むラインに一発で乗せていけるし、その後の姿勢も良い。インテグレーテッドアクティブ・ステアリング付きの他のBMWと同じく、よく曲がる一方で常にステアリングを微修正させられる感覚はつきまとうものの、長いホイールベースのおかげもあってか、それも許容範囲のうちと思える。特に「スポーツモード」の姿勢の落ち着き、静粛性高い室内に、心地よい成分だけ入ってくるストレートシックスのサウンドの前では、ついつい右足に力が入ってしまった。
X5は単なるX5のロング版ではなく、仕立ても走りも、より明確にラグジュアリーであることを志向したモデルに仕上がっている。最近のBMWはどれに乗ってもすこぶる高い快適性を実現しているが、その中でも群を抜いた存在と言える。しかも、それでいて決して鈍重なわけではなく、軽やかさもしっかり兼ね備えているあたりは、さすがBMWといったところである。
日本上陸は夏頃の予定。3ℓ直列6気筒ディーゼルターボエンジンを積んだxドライブ30dが用意される線が濃厚だ。
BMW X7 xDrive40i
■ボディサイズ:全長5151×全幅2000×全高1805㎜ ホイールベース:3105㎜
■車両重量:2320㎏
■エンジン:直列6気筒DOHCツインターボ ボア×ストローク:94.6×82㎜ 総排気量:2998㏄ 最高出力:250kW(340㎰)/5500~6500rpm 最大トルク:
450Nm(45.9㎏m)/1500~5200rpm
■トランスミッション:8速AT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡ5リンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ(リム幅):Ⓕ&Ⓡ275/50R20(8.5J)
■環境性能(EU複合モード) 燃料消費率:9.0~8.7ℓ/100㎞ CO2排出量:205~198g/㎞
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
530馬力の「爆速セダン」と「爆速ツーリング」発表!3リッター直6ツインターボ搭載のBMW「M3」 約1430万円から
くるまのニュース / 2024年9月11日 20時25分
-
令和に復活のトヨタ「ランクル70」を選ぶ意味は? 試乗で考えた
マイナビニュース / 2024年9月6日 11時30分
-
約1000万円!? 日産が新型「“3列”SUV」世界初公開! 8年ぶりの全面刷新で超「“カクカク”デザイン」に進化! 豪華内装&タフモデルも追加の新型「米のアルマーダ」何が変わった?
くるまのニュース / 2024年9月5日 10時40分
-
日本未発売、ホンダ「シティ・ハッチバック」の実力 1980年代に一斉風靡したホットハッチ再来か?
東洋経済オンライン / 2024年8月30日 9時0分
-
BMW『Z4 M40i』初の6速MT登場、「ピュア・インパルス」の新写真
レスポンス / 2024年8月27日 9時0分
ランキング
-
1認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 7時0分
-
2政府は夕張市の「限界医療」から何も学んでいない…増え続ける「コロナワクチン健康被害」に医師が訴えたいこと
プレジデントオンライン / 2024年9月20日 10時15分
-
3マザー・テレサもスティーブ・ジョブズも実は「サイコパス」って本当…? 人口の1%しかいない“反社会的人格者”の知られざる正体
文春オンライン / 2024年9月20日 6時10分
-
4夜中のジュースやアイスクリームが「夜型幼児」をつくる…日本人の母親6000人調査で判明
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月20日 9時26分
-
5のどの不調は「体から発せられた悲鳴」 乱れた自律神経の整え方
PHPオンライン衆知 / 2024年9月20日 11時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください