日本精工:「揺動環境下での耐フレッチンググリース」を開発
MotorFan / 2019年4月29日 6時20分
日本精工(NSK)は、揺動環境下で使用される自動車向け深溝玉軸受において、耐摩耗性を向上した「揺動環境下での耐フレッチンググリース」を開発した。
本製品は、グリース成分の配合を最適化することにより、耐熱性を確保しながら耐摩耗性を向上させた。これにより、自動車の電動化や低燃費化に伴う揺動環境において、耐久性向上に貢献する。NSKは、本製品の売上として、2022年に10億円を目指す。
持続可能な社会を目指し、自動車は環境規制の強化に伴い、低燃費化や電動化が進められている。これにより、一定回転に加え、揺動環境での使用が従来以上に増えると予想される。揺動環境では、軸受の軌道輪と転動体間のフレッチングによる摩耗の発生、およびそれにより生じるノイズや振動が懸念される。また、自動車用途では軸受は高温環境で使用されることも多く、耐摩耗性のほか耐熱性が求められる。
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■ 本製品の特長
1.耐摩耗性の向上: 増ちょう剤*がフレッチング摩耗を抑制
グリース内の増ちょう剤は金属と付着し易いものを選定し、また基油の粘度を下げることで増ちょう剤と基油を分離しやすくした。 これにより、増ちょう剤が軌道面に層を形成し、フレッチング摩耗を抑制させる。
* 潤滑を担う基油を保持する役割を果たす
2.耐熱性の維持:耐熱性向上添加剤*を配合
耐摩耗性向上のための低粘度基油の採用は、高温時の耐熱性低下という懸念をもたらす。そのため、高温時に耐熱性向上効果を持つ添加剤を配合することにより、従来品と同等レベルの耐熱性を維持した。
* 基油の役割を補助するために配合される(代表的な添加剤:酸化防止剤など)
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