【アウディS3スポーツバック試乗】強烈かつスムーズな加速を味わう際はスピードメーターに要注意!
MotorFan / 2019年5月4日 11時0分
アウディの横置きエンジンCセグメント5ドアハッチ「A3スポーツバック」。これに2.0ℓ直噴ターボエンジンと7速DCT、「クワトロ」4WDシステムを組み合わせた高性能バージョン「S3」に試乗した。 PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
アウディA3スポーツバックは端的に言えばフォルクスワーゲン・ゴルフのアウディ版であり、横置きエンジン用「MQB」プラットフォームを採用するなど、その基本設計は変わらない。
従ってその高性能モデルである「S3スポーツバック」のEA888型2.0ℓ直4直噴ターボエンジンや湿式の7速DCT、前後輪の駆動トルクを100:0~50:50の範囲で配分する第五世代ハルデックスカップリングと電子制御式ディファレンシャルロックを用いた4WDシステムも、ゴルフの高性能モデル「ゴルフR」とほぼ同じと言っていい。
ただしエンジン性能は、いずれも2017年に行われたマイナーチェンジによって、日本仕様に関してはS3スポーツバックが290ps&380Nmなのに対しゴルフRは310ps&400Nmと、下克上が発生してしまっている。
なおテスト車両は、オプションの磁性流体ダンパー「アウディマグネティックライド」や235/35R19タイヤ、ファインナッパレザーシート、各種ADASのセット「アシスタンスパッケージ」、「マトリクスLEDヘッドライト」などを装着。車両本体価格615万円に87万円分のオプションを加えた総計702万円の仕様となっていた。
その内外装はスポーティながらあくまで上質、そしてシンプルかつ機能的。ただしフラットボトムのステアリングホイールだけは、元来乗降性に優れるA3/S3には明らかに不要な、スポーティさの演出だけのために採用されたものであり、残念と言わざるを得ない。
さて、ゴルフRに下克上されてしまったパワートレインではあるが、1520kgの車重に対し290ps&380Nmの絶対性能が不足しているはずもなく、キレのいい7速DCTの変速制御も相まって、その加速は“強烈”の一言。しかもそれが高回転・低速域に限定されず、また「アウディドライブセレクト」を「エフィシェンシー」あるいは「ダイナミック」に設定していても、あらゆる領域で極めてスムーズに得られるものだから、特に一般道ではスピードメーターに注意する必要があるほどだ。
またハンドリングに関しても、速度域を問わず抜群に安定しており、それがまたスピード感のなさを助長しているのだが、一方で乗り心地に関しては、「コンフォート」モードを選択しても乗員に伝わる突き上げ感が強め。また粗粒路を明確に苦手としており、速度域を問わずフロアが振動する傾向が見られた。これが標準のスポーツサスペンションと225/40R18タイヤ装着車では、果たしてどのように変わるのだろうか?
姉妹車であるフォルクスワーゲン・ゴルフは、欧州では年内にも世代交代する可能性が高く、A3も約1年遅れでその後を追うものと思われる。なお、MQBプラットフォームは新型にも継承される見込みだが、フルモデルチェンジしたからといって、走りがより洗練されるとは限らないのが、クルマの面白くもあり難しい所。いまS3スポーツバックの購入を検討するならば、競合車種も一通り試乗したうえでなお、“待ち”か“買い”か、はたまた他の車種に行くかを真剣に悩まなければならないだろう。
【Specifications】
<アウディS3スポーツバック(F-AWD・7速DCT)>
全長×全幅×全高:4335×1785×1440mm ホイールベース:2630mm 車両重量:1520kg エンジン形式:直列4気筒DOHC直噴ターボ 排気量:1984cc ボア×ストローク:82.5×92.8mm 圧縮比:9.6 エンジン最高出力:213kW(290ps)/5400-6500rpm エンジン最大トルク:380Nm(38.8kgm)/1850-5300rpm JC08モード燃費:14.7km/L 価格:615万円
外部リンク
- 〈トヨタC-HR〉SUV2年連続年間販売台数トップの実力車【ひと目でわかる最新SUVの魅力】
- 【試乗記:トヨタ86GR】驚異的なまでのオンザレール感。すべてが調和するよう設計・チューニング・生産できる“匠”の“業”がそこにある
- 〈日産エクストレイル〉改良で成熟度を高めたオールラウンドタフギア【ひと目でわかる最新SUVの魅力】
- ついに新型トヨタ・ハイエースを日本で捕捉! 仮ナンバーで東京の街を走っていた! いよいよ日本でも発売か?
- スバル・レヴォーグが年次改良とともにふたつの特別仕様車を用意〈1.6/2.0 STI Sport Black Selection & 1.6GT-S EyeSight Advantage Line〉
この記事に関連するニュース
-
【2024年】新車で買える国産&外車スポーツカー16選! 選び方や注意点も解説
MōTA / 2024年7月19日 19時0分
-
最速の新型「小さな高級車」世界初公開! 333馬力“直4”搭載の「900万円超えモデル」! デザイン刷新遂げた「ゴルフ“R”」独で発表
くるまのニュース / 2024年7月13日 21時10分
-
最強のゴルフGTI、300馬力の「クラブスポーツ」欧州で予約開始 価格は4.8万ユーロ
レスポンス / 2024年7月8日 17時0分
-
『ゴルフR』改良新型は最高速270km/h、世界最速の量産VW車に…発表
レスポンス / 2024年6月27日 12時15分
-
パワーは333馬力に、VW『ゴルフR』 改良新型…実車は6月26日発表予定
レスポンス / 2024年6月25日 18時30分
ランキング
-
1「健診でお馴染み」でも、絶対に"放置NG"の数値 自覚症状がなくても「命に直結する」と心得て
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 17時0分
-
2扇風機の羽根に貼ってあるシール、はがしてはいけないって本当?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年7月21日 20時15分
-
3日本カレーパン協会「カレーパン美味い県ランキング」発表 3位北海道、2位京都…1位は?
オトナンサー / 2024年7月22日 8時10分
-
4新型コロナワクチンの定期接種、10月から開始…全額自己負担の任意接種費は1万5000円程度
読売新聞 / 2024年7月21日 19時21分
-
5平日は毎日「レッドブル」を飲んでいます。「1日の飲料代」として高すぎますか? また、体への悪影響はないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月20日 3時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)