ADAS普及でEDRデータ抽出とエイミングのエビデンス確保は必須に!?…オートサービスショー2019・ボッシュ
MotorFan / 2019年5月17日 12時45分
ディーラーやカー用品店のピット、整備工場、鈑金塗装工場などで使われるクルマの整備・修理用ツール・機器類の展示会「第36回オートサービスショー2019」(主催:日本自動車機械工具協会)が5月16~18日の3日間、東京ビッグサイト・青海展示棟で開催。そのなかから、ユーザーがクルマの整備・修理を受ける際に役立つ整備機器をピックアップする。 PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
政府は2020年に衝突被害軽減ブレーキの新車装着率を9割超とし、高速道路でのレベル3自動運転を実用化するという目標を設定。また、事故前後の挙動を記録・抽出可能とするEDR(イベントデータレコーダー)の搭載を2021年頃に義務化するほか、ADASなどに関するDTC(故障コード)を車検の際に読み取り検査する「OBD検査」を2024年より開始する見込みとなっている。
今後さらにADASが普及・進化すると、クルマが事故を起こした際の損害調査と車体修理はどのように変わるのか--。
ボッシュは17日朝、同社ブースで「ボッシュの新ビジネスモデル紹介(CDR/EDR、ADASを含む)」と題したプレゼンテーションを実施。オートモーティブアフターマーケット事業部テクニカルサービス&サポート部の里廉太郎ゼネラル・マネージャーが、同社のカーアフターマーケットにおける直近の取り組みを交えて解説した。
ADAS(先進運転支援システム)とは、カメラやレーダーなどのセンサーで自車周辺の状況を把握しながら、必要に応じて自動的に加減速や操舵、注意喚起などを行い、安全な運転をサポートするものだが、ADAS搭載車で事故を起こした時に問題となるのは、責任の所在と、ADASが正しく作動するよう修理できるか、かつそれらをどう証明するか、だ。
この事故時の責任の所在について、里GMは「従来のドライバーミスと外部要因に加え、ADASのエラーなのか、あるいはADASの整備ミスなのかが考えられるようになった」と説く。
また同社は、EDR抽出ツール「CDR」(クラッシュデータリトリーバル)を販売するとともに、損害保険会社アジャスターなどによるEDR解析スキル習得をサポートするため「CDRアナリスト」の資格制度を創設。ADASのエイミングについても、汎用のスキャンツールやターゲットを整備工場に販売するだけではなく「ADASエキスパート」の資格制度を設け、ボッシュの整備工場ネットワーク「BCS」(ボッシュカーサービス)やボッシュ認定工場に対し、両資格の取得を推進している。
今後はさらに、損保会社とBCSが提携して事故車の入庫誘導を受けるとともに、EDRデータ抽出から損害査定、事故調査、修理、ADASのエイミングまで一気通貫して請け負うビジネスモデルを構築しつつあるという。
里GMはこれらの取り組みについて、「ボッシュはクルマのシステムのサプライヤーであるが、ADASは取り扱いがとても繊細なため、しっかり整備する必要があると認識している。また当社は自動車部品を供給しているが、少なくともボッシュの部品は自分たちのネットワークで整備しなければならないという義務感を抱いている」と、その意義を強調。
そして、EDR搭載義務化やOBD検査の開始も踏まえ、「このボートはもう出ようとしている。これに乗って今後のビジネスを伸ばしていくのか、それとも既存の修理をして縮小に耐え忍んでいくのか、という状況に来ている」と締めくくった。
外部リンク
- 小面積の傷・凹みやサイドステップ、ピラー、バンパーに適した「小径磨きソリューション」を提案…オートサービスショー2019・3M(スリーエムジャパン)
- カーエアコンそのものを作るデンソーのカーエアコン用整備機器はひと味違う!?…オートサービスショー2019・デンソー
- 「エヴァンゲリオン」初号機および弐号機の二柱リフト、降臨。…オートサービスショー2019・アルティア
- ドライアイス洗浄機がエンジン内部の頑固な汚れまで一掃!…オートサービスショー2019・安全自動車&グリーンテックジャパン
- 新型クラウンやカローラスポーツにも採用されている低炭素エアコン冷媒・R1234yfへの備えは充分か?…オートサービスショー2019・イヤサカ
この記事に関連するニュース
-
警察は呼ぶべき? バイクで走行中に単独事故を起こしてしまった際の対処法
バイクのニュース / 2024年5月5日 9時10分
-
クルマだけではない「100年に一度の大変革」 保険の世界では?
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年5月2日 17時20分
-
BEV販売に急ブレーキ!新たな局面を迎えた中国 存在感増すスマートカーとファーウェイ系NEV
東洋経済オンライン / 2024年4月21日 5時20分
-
GM傘下クルーズ、アリゾナ州で人間運転車両による業務再開へ
ロイター / 2024年4月10日 9時48分
-
全国の専業自動車整備工場アンケート結果に見る、新技術・新制度への対応
PR TIMES / 2024年4月9日 15時45分
ランキング
-
1「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
2親を扶養に入れるメリット・デメリットを確認してみよう
マイナビニュース / 2024年5月7日 11時2分
-
3クルマのホイール「アルミ」と「スチール」どっちがいい? 足元を支える“重要パーツ”のメリット・デメリットとは?
くるまのニュース / 2024年5月7日 17時40分
-
4「サプリメント同士」の“のみ合わせ”リスク もっとも注意すべきは「同じような効果のものを何種類ものむ」ケース
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 16時15分
-
5死者をデジタルで復活させる「故人AI」が海外で急速に普及 「悲しみに暮れる人の社会復帰を妨げる」という懸念も
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください