東レ、5G通信、ミリ波レーダー向け電子部品に適した低誘電損失ポリイミド材料を開発
MotorFan / 2019年6月2日 9時10分
東レは、大容量データの高速安定通信技術として普及しつつある5G通信や、自動運転などに用いられるミリ波レーダー向け電子部品に適したポリイミド材料を開発した。本材料は、ポリイミドの特徴である耐熱性、機械特性、接着性と、高速通信に必要な低誘電損失の性能を兼ね備えており、これらの部材に使われる高周波部品の性能向上に大きく貢献する。
5G通信は、高速、大容量、多数の同時アクセス、低遅延を可能にする次世代の通信技術として注目されている。5G通信では、従来から使用されている6GHz以下の周波数バンドの使用に加え、ミリ波領域といわれる20GHz以上の新たな周波数帯での通信が必要だ。この技術の実用化には、高い周波数帯域での通信に適した誘電特性と、半導体実装に耐えられる耐熱性、銅配線との接着性などを満たす材料の開発が課題だった。また、歩行者の検知、障害物との距離測定など自動車の安全走行、自動運転に向けて、適用範囲が拡大することが期待されているミリ波レーダー部品も、同様の課題を抱えていた。
東レは、長年蓄積してきた機能性ポリイミド設計技術を駆使し、精緻な分子設計と極限追求により、高耐熱性、機械物性、接着性を有し、電気エネルギーの損失を0.001(20GHz)に抑える低誘電損失ポリイミドの開発に成功した。現在、本材料をベースに、感光性付与、シート化などの開発を進めており、本材料の適用により電気エネルギーの損失を抑え、大容量データの高速通信安定化や、ミリ波レーダーの距離測定性能向上、部品の小型化等が可能となる。
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