オムロンの新センサー 自動車軽量化に求められるアルミや鉄の異素材部品を安定検出できる
MotorFan / 2019年6月28日 16時30分
オムロンは、世界最長*¹の検出距離を実現したフルメタル近接センサー「E2EWシリーズ」を2019年7月1日よりグローバルで順次発売すると発表した。このセンサーは、異素材部品の検出安定性とフルメタルボディによる耐久性を両立することで、自動車の溶接工程におけるセンサー起因の突発停止リスクを低減し、設備停止が大きな機会損失につながる自動車業界の生産性向上に貢献するものだ。
自動車業界では、EV化や低燃費化によって軽量化が進んでおり、これにともない部品の材質が鉄からアルミに切り替わりつつある。今後一層、鉄とアルミが混流した製造ラインが増加すると想定される。一方、過酷な使用環境の溶接工程で主に使われていた従来のフルメタル近接センサーは、検出距離が短く、特にアルミを検出できる距離は鉄よりさらに短いという課題があった。そのため、アルミ部品に対してはセンサーの設置に鉄の場合以上の正確性が求められ、ライン設計や、立ち上げ、保全作業が複雑化している。しかし、熟練技能者の不足は深刻化しており、作業者の経験値や技能によらず、設備稼働率を維持向上させるニーズが高まっている。
今回発売する「E2EWシリーズ」は、世界最長の検出距離による安定性と、フルメタルボディによる耐久性を両立した近接センサーだ。このセンサーは、鉄は従来比約2倍、アルミは従来比約6倍の検出距離を誇り、鉄とアルミを同じ距離で検出できる。加えて、オムロン独自の「コーティング剥離抑制技術」により従来比60倍のスパッタ耐性で長寿命を実現した。長い検出距離と高い堅牢性によってセンサーの設置条件に余裕度が生じ、熟練技能を必要とする異素材混流ラインの立ち上げから稼働、保全を効率化し、生産性向上に貢献する。
商品の特長
1 鉄もアルミも同等検出距離、しかも世界最長 鉄とアルミ部品の混流ラインでも着座検知部を共通設計できる。しかも鉄は従来比約2倍、アルミは従来比約6倍の距離まで検出できるので、検出対象物のばたつきによる検出ミスを起こしにくく、突発停止を低減できる。
2 高いスパッタ耐性、従来比60倍 スパッタが飛散する環境向けに、近接センサーにフッ素コーティングを施したモデルも用意する。フッ素コーティングの剥がれにくさ従来比60倍を実現することで、付着したスパッタを擦り落すメンテナンスを行ってもコーティング性能の劣化を抑制でき、センサーの交換頻度を削減できる。
3 情報化対応 IO-Link搭載モデル
IO-Linkを搭載したモデルでは、近接センサーの検出量や温度の変化を1箇所でリアルタイムに把握できる。目ではわからない現場情報を可視化することで、たとえば検出量の変化でスパッタの堆積量を予想し、適切な清掃のタイミングを計画できる。
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