国内発売も! ヤマハのフラッグシップ「YZF-R1」2020年モデル、まずは欧州でデビュー!
MotorFan / 2019年7月19日 10時20分
ヤマハ発動機株式会社は、クロスプレーン型クランクシャフトを備えた水冷・4ストローク・直列4気筒・4バルブ・998㎤エンジン搭載のスーパースポーツ「YZF-R1」および上級モデル「YZF-R1M」をマイナーチェンジし、2019年9月より欧州で発売する。なお、両モデルは、2020年秋以降に日本での発売を予定している。
「YZF-R1」および「YZF-R1M」は、“Full control evolution of track master”をコンセプトに、みなぎる力を高次元で制御し、サーキットを制する性能を照準に開発したモデルである。
新たな特長は、
1)EU5に適合しながら進化・熟成させたクロスプレーンエンジン、
2)APSGを織り込んだYCC-T 、
3)伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングした前後サスペンション、
4)2つの新機能を加えた電子制御システム、
5)エアロダイナミクス特性を高めた新デザインカウル、
6)次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドライトなど。
上級モデルの「YZF-R1M」は、電子制御サスペンションやカーボン素材の軽量カウル、“レース”に役立つ各種情報を記録するインターフェイスを搭載した。
技術の粋を投入した「YZF-R1」「YZF-R1M」は、サーキット走行での性能を重視する先進国地域のお客さまのニーズに応える事はもとより、新興国を含む全世界に向け、ヤマハブランドを訴求するフラッグシップモデルだ。
![欧州向け発売](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571021_201907182334390000001.png)
◼️特長
1)EU5に適合しながら性能にさらなる磨きをかけたエンジン
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571024_201907182338010000001.png)
①新作シリンダーヘッド・インジェクターによる進化した燃焼系
エンジンはEU5排ガス規制に適合させながら現行モデルと同等の出力を維持し、かつクロスプレーンの “リニアリティとトルク感” 向上を目標に開発。燃焼室とスロットルバルブの距離を短縮するため、シリンダーヘッドを新作。さらにバルブ傘裏狙いの斜流噴射式新型インジェクターを採用。低〜中回転域の燃焼速度を最適化し、スロットルの開け始めからのリニアリティ感を向上。トルク感を一層感じやすい特性に仕上げている。
なお、高回転域でセカンダリーインジェクターを追加するツインインジェクター方式は継続採用している。
![赤線で描かれているのが新作のフィンガーロッカーアーム](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571026_201907182341370000001.png)
②新作フィンガーロッカーアームを採用した動弁系
エンジンのフィンガーロッカーアーム式バルブシステムの熟成・進化を図る。そのアーム形状を見直し、高回転域でのバルブ挙動特性を向上。レースユースでのさらなる高回転化を見据えた限界性能の底上げも果たしている。
③熟成させた潤滑系
高回転域での油圧低下を防ぎ、オイル撹拌(かくはん)によるロス馬力低減を図るため、各コンロッド大端へのオイル供給には、現行同様に“センター給油方式”を採用。2020年モデルでは、コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化を図り、高回転域でのクランクケース内のオイル攪拌による馬力ロスを、さらに低減した。
2)APSGを織り込んだYCC-T<電子制御スロットル>
スロットルバルブ駆動を電子制御するYCC-Tがさらに進化。従来のアクセル操作をスロットルケーブルで伝達する機械式に換えて、電子式のAPSG(アクセル開度センサーグリップ)を採用。軽量化と優れたアクセル操作感を実現している。
3)伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングした前後サスペンション
前後サスペンションのセッティングを変更した。フロントは、路面を掴む感触がライダーに伝わるような“接地感”に向上。ダイレクトで素直なハンドリングと軽快感に貢献する。
また、「YZF-R1M」は、従来の前後サスペンションを統合制御するERS(エレクトリックレーシングサスペンション)のフロントサスペンションにガスシリンダーを追加。ガス加圧によりキャビテ―ションを抑制し、減衰力の安定に貢献する。
4)2つの新機能を加えた電子制御システム
現行モデルに搭載されている電子制御システムに加え、好みや状況に応じた走行支援のため、EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)の2種の制御システムを追加した。個々の制御システムは相互に連動させ、走りを支援してマシンの潜在力を効率よく引き出している。なお、新制御システムに対応し、TFT液晶4.2インチメーターも表示機能を変更、YRC(ヤマハライドコントロール)モード選択などライダーの好みをより一層反映できるようになっている。
5)エアロダイナミクス特性を高めた新デザインカウル
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571035_201907190021280000001.png)
優れた空力特性を得るために、カウル形状を一新。特に、上体を伏せた姿勢でライダーがカウルの中におさまるよう走行風の流れをコントロールし、空気抵抗特性を現行比で5.3%向上させた。同時に、外観もイメージチェンジして次世代“R”をアピールするデザインとなっている。
6)次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドライト
軽量コンパクトな新型LEDデュアルヘッドライトを採用した。Low/Highビームとも照射特性を最適化し、特にLowビーム時の照射性(照射範囲)が大きく向上。さらに新デザインのポジションランプとのコンビネーションで、次世代“R”デザインを象徴するフロントフェイスを演出している。
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571039_201907190025240000001.png)
![](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571040_201907190033270000001.png)
![ディープパープリッシュブルーメタリックC](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571041_201907190037160000001.jpg)
![ブルーイッシュホワイトメタリック2](https://motor-fan.jp/images/articles/10010689/big_1571041_201907190037160000002.jpg)
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