ヒューレット・パッカード エンタープライズ:トヨタマップマスターのデジタル地図制作システムを統合・刷新
MotorFan / 2019年9月19日 15時40分
ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は、トヨタマップマスターが、HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイを採用し、同社のデジタル地図制作の中核を担うITインフラを統合・刷新したことを発表した。HPE 3PAR StoreServをはじめとするHPEのIT機器は、HPE GreenLakeフレックスキャパシティによる従量課金モデルで導入され、ITインフラ導入コストの平準化を促進している。
トヨタマップマスターは、トヨタ純正カーナビゲーションシステムをはじめ、道路交通システム等に利用される高度な地図データベースを構築するモビリティ情報基盤プロバイダー。同社では、2018年、今後5年間で求められるシステム性能とストレージ容量の確保、そして投資対効果の最大化を目指し、デジタル地図制作の中核を担う「地図制作基幹システム」と「差分地図制作システム」の両システムにおいて、ITインフラの統合と刷新を決定した。
トヨタマップマスターの地図データベースは、100万km以上の道路データ、数百万件の規制データ、数千万件の施設データなど、数百種類にわたる膨大な情報を管理している。「地図制作基幹システム」は、現地調査により収集された道路や周辺施設(ランドマーク、建物、テナントなど)情報を位置情報と関連付けるなど、地図データベースの制作・更新プロセス全体を担っている。また「差分地図制作システム」は、トヨタ純正カーナビの地図データのオンライン更新サービスを支える。
日々更新を繰り返す両システムでは、データの複製や削除などの時間短縮が業務効率の向上および業務負荷の軽減に直結する。
高性能のオールフラッシュアレイを採用し、両システムのストレージを統合
トヨタマップマスターでは、デジタル地図ビジネスの中心を支えるミッションクリティカルなシステム環境を安定的かつ高速に稼働させ、データ保護をより強固にすることが大きな課題だった。そのためには、「地図制作基幹システム」と「差分地図制作システム」両システムのストレージ環境を統合し、システム全体をシンプルでコンパクトにすることが必要不可欠だった。同社が新しい統合ストレージ環境として選んだのは、HPEミッドレンジストレージの最上位に位置づけられる、HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイ。HPEの検証センターを利用した、実データによる性能テスト、負荷テストにより、HPE 3PAR StoreServの性能が実証された。
HPE 3PAR StoreServによるデジタル地図製作システムの統合・刷新の効果は以下の通り。
●新しい統合ストレージ環境により、バッチ処理の高速化を実現:
両システムのストレージ環境をHPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイで統合することにより、これまで、およそ5時間を要していた日々のバッチ処理が約1時間で完了できるようになった。また、納品のための地図データ複製に要する時間も1/3程度にまで短縮されている。
●データセンターコストの低減:
新環境ではサーバー、ストレージ、バックアップ装置などが余裕をもって4ラックに収容されている。ラック本数の削減や電力消費量の削減効果により、データセンターコストを従来の2/3程度に抑えることに成功した。
●オンプレミス ITインフラ機器を従量課金モデルで利用することで、初期コスト抑制とコスト平準化を実現:
今回、トヨタマップスターがITインフラ利用において採用したのは、HPE GreenLakeフレックスキャパシティによるオンプレミスITの従量課金モデル。ストレージやサーバーなどのハードウェア資産をHPEが保有し、顧客は自社のセキュリティポリシーを適用したデータセンターに設置して利用することができる仕組み。HPE GreenLakeフレックスキャパシティ採用により、初期導入コストの抑制とコストの平準化を可能にし、オフバランス化が促進された。自社データセンターでセキュリティを確保しながら、ビジネスの成長に合わせてインフラ投資を最適化できる柔軟性を提供する。
●システム環境を熟知したHPE Pointnextチームによる安全・確実な新システム移行:
統合ストレージ環境の構築、および新システム環境への移行は、システムを熟知したHPE Pointnextのエンジニアチームにより、安全かつ確実に実施された。
CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)というキーワードに象徴されるような大変革期を迎える自動車業界において、トヨタマップマスターは長年にわたり培ってきた高品質・高精度・高鮮度の地図データベース構築のノウハウを基盤に、AIやビッグデータ分析などの先進技術を採り入れながら新たな成長を目指している。HPEは今後、障害予兆の自動検知機能を持つHPE InfoSightをはじめとした最先端テクノロジーの提供を通じて、トヨタマップスターのさらなる
前進を支援していく。
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