アウディ:自社サイトの充電インフラに約1億ユーロを投資
MotorFan / 2020年1月24日 15時30分
2022年半ばまでに、アウディは、自社サイトの駐車スペースの10%に充電器を設置して、電気自動車を充電できるようにする。この独自の取り組みは、ドイツ企業が実施する充電インフラプロジェクトとしては最大のもの。このプロジェクトに対する投資により、充電コンセプトのハードウェアとソフトウェアの設置および専門知識の取得に関して有益なスタートを切ると同時に、新しいモビリティ分野の試験運用を開始することが可能になる。
アウディは、電気自動車の充電用に4500以上の充電ポイントを設置し、パーソナルモビリティのエネルギー転換に貢献する。プロジェクトマネージャーのマクシミリアン・フーバー氏は、次のように説明している。「私たちにとって、これほど大規模な充電インフラを構築することは、まったく新しい挑戦となります」
フーバー氏は、充電ポイントの構築だけでなく、アウディの拠点における包括的充電ソリューションのエネルギーマネージャーおよびソフトウェアプロバイダーとしての役割も兼任している。インゴルシュタットの主要工場だけでも、最終的に設置される充電ポイントは3500カ所に上り、ネッカーズルムには1000カ所、ブリュッセルとジェールでも100カ所程度設置される予定。同様に、充電インフラは、メキシコのサンホセ チアパスの工場にも構築される。アウディはすでにミュンヘン空港のトレーニングセンターに相当な容量の充電ステーションを設置。プロジェクト全体の総予算は、最大で1億ユーロに達する。
これほどの規模の充電インフラ整備は、過去にドイツではほとんど例がなく、細心の準備と独立したエネルギー管理が必要。そのため、別のプロジェクトチームが、2017年半ばから実施コンセプトの準備と構築を行っている。すべての駐車スペースの10%を電動化するという基本的な決定は、1年前に行われた。「これほどの規模でのエネルギー供給を拡大するためには数年かかるため、一定のリードタイムが必要です」と、フーバー氏はコメントしている。車両の生産が行われている場所で充電インフラを構築することは、大きなチャレンジだ。
プロジェクトチームは、全体的な戦略、投資、コンセプトの計画に責任を持ち、充電インフラの設営と運用に加え、アウディの拠点で充電した場合の課金処理も管理する。これに関連して、駐車場を使用する従業員やビジターのニーズに合わせて充電ポイントを拡張し、それに合わせて充電インフラを設計し、運用ルールを策定し、緊急対応窓口とサポートが提供される。適用される法に準拠した記録の実施と、充電に対する請求も重要な側面である。
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ブリュッセル、インゴルシュタット、ネッカーズルムのサイトでは、総電力21MWで充電インフラを構築することがすでに可能になっている。これは、人口14000人の小さな町の電力消費量に相当。充電インフラには、最大22kWの出力を備えた600の充電ポイントと、50〜350kWの出力を備えた60の直流充電ポイントが含まれる。2022年半ばまでに、工場の拠点のみで、最大22kWの出力を備えた4500の充電ポイントに加え、最大350kWの出力を備えた50以上の充電ポイントが設置される予定。ダイナミックでインテリジェントな負荷管理システムが、各拠点を横断して電源入力を今年すでに管理しているため、電源接続ポイントを拡張する必要はない。
さらに、ミュンヘン空港にある3つのアウディトレーニングセンターにも、充電設備を持っている。2.1MWの電源入力を備えたアウディ最大の充電パークは、この場所の電力網に接続されている。新しいATC IVビルの建設に関連して、太陽光システムで発電した電力は、蓄電装置と組み合わせることによって、電気自動車の充電に使用される。
「私たちは、エネルギーの供給面だけに目を向けているわけではありません」と、フーバー氏はコメントしている。プロジェクトチームは、Googleマップに基づいて独自のナビゲーションマップも作成した。これにより、従業員は充電ターミナルが利用できる場所をリアルタイムで確認することができる。オンラインシステムを介した請求書発行および社内決済システムへの統合も、重要なサービスだ。
中期的には、充電インフラを拡張する必要がある他の企業に対して、アウディが蓄積した専門知識をどのように活用できるようにするかを検討中。これは、純粋な自動車メーカーからモビリティサービスプロバイダーへと変革を目指すアウディにとって、次のステップとなる。アウディは、CO2ニュートラルなプレミアムプロバイダーのリーディングカンパニーになるという目標を設定した。遅くとも2050年までに、アウディの事業は完全なCO2ニュートラルになる予定。
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