ボルグワーナー:新しい高電圧クーラントヒーターがグローバル自動車メーカーに採用
MotorFan / 2020年3月4日 11時30分
ボルグワーナーの最先端クーラントヒーターが、グローバル自動車メーカーが製造する次世代の乗用車に2021年より搭載される予定。
ボルグワーナーは、複数の量産車両プログラムの車内ヒーティングおよびバッテリーコンディショニングに関するソリューションのサプライヤーとして選定された。同社の最先端の高電圧ヒーターは、最も高度な電気自動車およびプラグインハイブリッド車のサーマルマネジメント要件に対する自動車エンジニアの考え方を変えた。
急速に増加している電気自動車とハイブリッド車のヒートマネジメントシステムが、同社技術により即効性のあるソリューションに対応するために開発され、電気自動車の場合は恒久的に、ハイブリッド車の場合はより長いドライブサイクルに適応している。
ボルグワーナーのクーラントヒーターは、バッテリーパックとそのセルの内部で一定の温度分布を実現することで、電気自動車およびハイブリッド車の車内ヒーティングとバッテリーエネルギー性能を可能にする。本製品は、高い熱出力密度と低い熱質量による素早い反応によって航続距離を伸ばす。
厚膜素子(TFE)を使用した発熱体は小型で、サイズや形状の柔軟性に優れている。ボルグワーナーは、シングルプレートとデュアルプレートのふたつのタイプを開発した。シングルプレートヒーターは、バッテリーのサーマルマネジメントまたは車内ヒーティングのどちらかに使用できる。デュアルプレートヒーターは、サーマルマネジメントと車内ヒーティングを同時に管理するほか、最大で80%広い熱伝導面を提供する。いずれのタイプも、優れた防磁を可能にする堅牢なアルミニウム製のハウジングに組み込まれている。
バッテリーおよびキャビンヒーターは、3〜9kWの出力範囲に対応しているだけでなく、250〜500Vの入力電圧向けに設計しており、必要に応じて、800Vを選択して充電をさらに高速にすることが可能。
設計面では安全性も重視した。製品開発部門は、過熱などの熱に関わる事象を防止できる精密で最適化されたパワーエレクトロニクスを用いた高電圧クーラントヒーター戦略を構築した。このシステムがエラーを検知すると、自動的にヒーターのスイッチがオフになる。
ボルグワーナーのエミッション/サーマル/ターボシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥール氏(Joe Fadool)は「当社のバッテリーとキャビンヒーターは、欧州、米国、アジア地域の最も重要な電気自動車およびハイブリッド車メーカーに支持される技術となりました。これらの技術は、バッテリー消費量を抑える一方で乗り心地の快適性を向上させます。当社のエンジニアは、車内ヒーティングとバッテリーコンディショニングの要件についてシステムを深く理解し、生産開始に向けて準備を進めまています」と述べている。
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