22年かけてスタイル、ボディサイズはどう変わったのか
MotorFan / 2020年5月30日 10時0分
先日発表された新型ハリアー。発売は6月頃とアナウンスされており、もう間もなく街でみかけかれるハズ。そこで、初代から新型までの歴代ハリアーのデザイン、ボディサイズがどう進化してきたのかをおさらいしてみた。 REPORT:ニューモデル速報編集部
初代。泥臭さを排除したプレミアムSUVの魁
初代ハリアーを開発したのは、当時の第1開発センター。セルシオ、クラウン、アリストといったトヨタの顔といえるFRの高級車を担当していた部署であり、ハリアーも当初はアリストのプラットフォームを想定してデザインされていた。その名残が伸びやかなボンネットデザインに残っている。
デザインはスタイリッシュな日本案とマッチョなアメリカ案とで競作されたが、最終的には日本案をベースにブラッシュアップされた。アメリカ側は後席膝まわりの余裕を求めたが、日本側は取り回しを考えてホイールベースを伸ばしたくない。そこで、後席に120mmのスライド機構を設けてそれぞれのリクエストを満足させている。
ちなみにその後のハリアーにも受け継がれるフロントグリルの縦桟デザインだが、当時のトヨタには「縦桟グリルのクルマは売れない」というジンクスがあり、横桟グリルも試作したのだがボンネットの形状から似合わず、縦桟グリルを押し切ったというエピソードがある。
そのころのSUVと言えば、リヤハッチにスペアタイヤを背負ったクロカンスタイルが当たり前だったところ、スペアタイヤをラゲッジフロア下に配置してスタイリッシュなフォルムで登場。結果、ハリアーはまったく新しい高級SUVというジャンルを生み出し大ヒットとなる。その後、このジャンルに海外のメーカーも追随するようになり、ひいては現在の世界的なSUVブームの源となったのだ。
「大地を疾走するスポーツカー」を意識した二代目
大ヒットを受けての二代目は、「リフトアップされたスポーツカーがオフロードを疾走するイメージ」を目指す。日本とアメリカに加え、フランスも加わった3つのデザインスタジオがアイデアを提案したが、初代に引き続き日本スタジオのスケッチが最終案のルーツになった。
特徴はSUVとは思えないほど強く傾斜したDピラーと、その根元で跳ね上がったベルトライン。ジェット機の尾翼をイメージしたというこの部分の造形が、リフトアップしたスポーツカーをイメージ。スラントしたノーズまわりのデザインも、その印象を強めている。
ボディサイズは全長で155mm、ホイールベースが100mm長くなり、全幅は30mmワイド、全高も15mm高くなった。しかし最小回転半径は5.7mと先代同様に抑え、日本国内での取り回し性を確保している。
日本専用デザインで凝縮感を高めた三代目
三代目は国内専用モデルとなり、北米仕様とのすりあわせも不要となったことを受け、ダウンサイジングが図られた。しかし室内の前後席距離(+12mm)や後席膝前空間(+47mm)、荷室容量(+17L)は先代より拡大しており、狭さを感じることはない。
ハリアーならではのイメージとして意識したのは「シュッとしたスピード感」。ジェット戦闘機を思わせる世代を超えたカッコ良さがハリアーらしいスタイリングの要素として挙げられており、「エレガント・ヴェロシティ」というデザインテーマの元、新しいハリアーらしさが構築された。
三代目ハリアーのポイントはフロントオーバーハングの使い方にある。フロントオーバーハングは短めに…というトレンドに反し、あえて立体的に利用すると共に、リヤオーバーハングを短くして「シュッとしたスピード感」を際立てているのだ。
エレガントさと逞しさを融合させた四代目
5月に発表された新型の四代目ハリアーは、先代比で全長を35mm、ホイールベースを30mm伸ばし、全幅は20mmワイドに、逆に全高は30mm下げ、より地を這うようなフォルムとなった。
三代目にも通じるスタイリッシュなフォルムが与えられ、フロントグリルからヘッドライトへと流れるようなラインでフロントマスクの精悍さとシャープさを印象づける。そしてサイドビューはダイナミックにボディ断面を変化させ、躍動感を演出。リヤ周りは大きく張り出したリヤフェンダーと、細く鋭く横一文字に光るテールランプで逞しさと存在感をアピールしているのだ。
まもなく街中でも見られるようになるであろう新型ハリアー。発売開始が待ち遠しい!
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