ショット:孔開け加工技術を採用したガラス製品群「FLEXINITY」の次世代版を日本で販売開始
MotorFan / 2020年9月24日 13時10分
ドイツの特殊ガラスメーカー・ショットは、孔開け加工技術を採用したガラスウエハーの製品群「FLEXINITY(フレキシニティ)」の次世代版の販売を日本で開始すると発表した。継続的な開発と製造能力の向上により、SCHOTT FLEXINITYの用途はさらに拡大し、この次世代版で半導体とセンサー、圧力センサー、カメライメージング、オプトエレクトロニクスとRF/ICパッケージ、バイオテクノロジーと診断、持続可能なエネルギーなど、幅広い業界の用途に合わせたソリューションの提供が可能になった。
大きな技術革新をもたらすには、電子部品をより小型で高性能にする、高精度の孔開けガラスが必要だ。さまざまな産業におけるイノベーションにより、用途ごとに特有の課題と材料要件を満たすことのできる孔開けガラスウエハーと薄板ガラスの需要が高まっている。また、電子部品における小型化のトレンドと高精度化のニーズの高まりは、電子部品の製造技術の高度化も牽引し続けている。このようなイノベーションは、非常に早い開発サイクルと幾度ものテストサンプルの設計変更を伴う。そのため、部品サプライヤーが、テストサンプルを含めそのような開発サイクルに対応するには、非常に高い柔軟性とスピードが求められる。
ショットは、FLEXINITYの製品範囲をさらに広げたことで、さらに精密かつ高度なカスタマイズに対応できるソリューションを求める部品メーカーの要求に応えることができる。また、ショットは製品設計・開発から量産まで、迅速かつ包括的なサービスを提供できる。
ショットの孔開けガラスウエハーおよび薄板ガラス製品群FLEXINITYは、最高の精度を実現し、電子部品のさらなる小型化を可能にする。 初代のFLEXINITYの公差が±25マイクロメートルだったのに対し、今回の次世代版では±10マイクロメートル未満と、さらに小さい公差を実現した。厚みは極薄板の0.1から3.3ミリメートル、直径は12インチ(30.48 センチメートル)と、より幅広い仕様で提供している。大型の場合は、600ミリメートル幅まで対応している。最小孔開け半径は、初代のFLEXINITYが150マイクロメートルだったのに対し、今回の次世代版では100マイクロメートルになった。
SCHOTT FLEXINITYの比類のない精度により、あらゆるハイテク用途において、他の部品との正確な位置合わせと全体の効率化が可能になる。 また、加工できる孔の形状や数は非常に自由度が高く、加工するガラスも、ホウケイ酸ガラス(D263製品群、MEMpax、TEMPAX Float)や無アルカリ板ガラスAF 32 ecoなど、多様なガラスタイプから選択できる。
ショットは長年にわたるさまざまな業界用途に応えてきた経験に基づき、用途で要求されるバルク特性、微細構造設計、寸法、表面品質および強度など、ユーザーが抱える特有の材料課題を解決するソリューションを提案する。
ショットでSpecial Flat Glass & Waferグループのグローバル事業展開部長兼プロジェクト・マネジャーを務める、ウルリッヒ・ペウハート博士は、次のように述べている。 「ショットは、技術能力を有し、最終用途に精通しているため、お客様のさまざまなニーズを理解しています。研究開発と技術サービスの専門家からなるチームが、お客様のもつビジョンを実現するために、それぞれにあった独自のソリューションをご提案いたします」
FLEXINITYは、マレーシアのペナンにある新しい生産ラインで製造されており、世界中のユーザーに供給すべく、現在、同生産ラインをフル稼働させて大量生産している。ショットは、サンプル製造における高い柔軟性と量産能力を備えたことで、ユーザーの開発を支える技術力が向上した。今後はさらにユーザーの製品の改良や革新的な新しいソリューション創生に貢献していくという。
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