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常磐自動車道に緊急事態! 予告なしで現れるかもしれない、判例破りの新設オービスに注意!

MotorFan / 2021年3月19日 8時30分

常磐自動車道に緊急事態! 予告なしで現れるかもしれない、判例破りの新設オービスに注意!

この冬、常磐自動車道上り石岡小美玉IC先に、撤去されたHシステムの代替えとして新設された、LHシステム。ところが、なんと、稼働中と思われるその新設オービスの手前(通常、約2km手前と約1km手前の2ヵ所)に事前警告板が見当たらないのだ!

試験運用中だった可能性もないことはないが…?

☆新規オービスDATA
場所:茨城県石岡市染谷
道路:常磐自動車道
方向:上り
キロポスト:56.8KP(56.9KPの直前)
機種:LHシステム
速度測定方式:ループコイル式
制限速度:100km/h

新設LHの約100m手前に設置されていたHシステムは撤去!

撤去されたHシステムの約1km手前に設置されていた「事前警告板」も、現在は姿を消していた。

 当情報局が調査のため現地に赴いたのは、この3月初旬。確かに撤去されたHシステムの約100m先に、1車線ネライのLHシステムが新設されていることが確認できた。まさに出来立てのほやほやと言った感じだが、特に「試験中」等の札がかかっていないところを見ると、どうやらすでに稼働が開始されている可能性が高い。

 ところが、数km手前からこのポイントまでの間に、通常、最低2枚は掲出されているはずの「事前警告板」が見当たらなかったことに気づき、再度、探索したのだが、なんと、1枚も見当たらない。しかも、撤去されたHシステムの「警告板」(2枚)も跡形もなく撤去されていたのだ。

 こんなのあり? というか、もし、現状のまま運用されるのだとしたら、すでに40年以上を数える固定式オービス(自動速度取締機)の歴史上、初めてのこととなる!

 確かに、オービスの手前に「警告板」(予告板)を掲示しなければいけないという法律はない。それでも、ここ以外の固定式オービス(自動速度取締機)のすべてに警告板が存在するのは、以下のような裁判所の判例があるからだ。 

☆東京簡易裁判所(昭和55年1月14日)
ちなみに、本件オービス3の前方三〇〇米の地点に設置されている警告板について検討すると、警告板(「自動速度取締機設置路線」と表示)は、運転者に対して制限速度を遵守せよという交通指導の意味と自動速度取締機で取締りを実施中である旨の運転者への予告の意味とを有するものと考えられるが、右警告板は政令に定めるところにより都道府県公安委員会が設置する道路標識等と異なり、捜査機関の運転者に対する警告にとどまるものであるから、本件オービス3を使用して速度違反車両を捕捉するためには必ずしも必要不可欠なものではなく、運転者から警告板の文字等が視認できるか否かは制限速度違反罪の成否を左右するものではないことが明らかである。

しかしながらオービス3による速度違反取締りが主として自動車運転者の速度違反の抑止効果を最大の目的とするものであるとせられている以上、弁護人らの主張いわゆる囮捜査類似のものであるとの非難を回避するためにも、走行中の運転者から一目瞭然たるものにすることが捜査機関に果せられた責務であると言わざるを得ない。

 つまり、「必ずしも必要ではないけれど、囮捜査だとか騒がれると面倒くさいから、「捜査機関(警察)の責務」として守った方がいいよ」と警察に丸投げしているだけであり、警察にとっては無いからと言って文句言われる筋合いでは、実はないのだが、「固定式オービスの手前には必ず、事前警告板がある」と思い込んでいる我々にとっては前代未聞の出来事であることには間違いない。

 実際、今回の例でも、流用できたはずの、撤去されたHシステムの「警告板」をわざわざ外していることから見て、ついに警察が「開き直った」と考えるほうがつじつまが合う。そもそも事前に「警告板」を設けることで、オービスの取り締まり効率がはなはだしく落ちることを、警察も「よし」とはしていないからだ。

 だが、こうも考えられる。当情報局がLH新設の情報を入手したのは2月の中旬(その時点ではHシステムは残存)、ということは、調査時は情報入手から2週間しか経っていない。つまり、その時点ではまだ稼働していなかったという可能性もないわけじゃない(通常、固定式オービスが新設された際、設置後2週間から3週間は、試験的な運用となる)。「試験中」の札がかかっていなかったことは気にはなるが、もし未稼働ということなら、警告板がなくても表向きには何の問題もないことになる。

 また、Hシステムは三菱電機製であり、「警告板」も「取締装置一式」として三菱電機がオービスとセットで納品している。ところがLHシステムはレーザー式移動オービスでおなじみの東京航空計器製であり警告板を流用する=メンテナンス等で他人の会社の製品の面倒を見ることになる。つまり、自社製の看板を、稼働開始後に後付けしようというつもりだったのかもしれない。  

新設やメンテ中のオービスには、このように「試験中」、「点検中」などの札がかけられるケースが多い。

 とはいえ、ドライバーにとってははなはだ迷惑な話ではあることは事実。なにしろ、稼働していないとしても、何の予告もなくオービスが目の前に現れることに変わりはない。びっくりして急ブレーキを踏む場合もあるだろう。最悪、事故につながる恐れがあるのだ。

 いずれにしてもこの新設LH、果たしてこのままの運用となるのか、あるいは「警告板」は今後、稼働と同時に掲出されるのか、非常に気なるところではある。もしこのままの運用だとしたら、こいつはとんでもない一大事! 警察は、移動オービスに関しては「有人取締りだから予告しなくてもいいんだよー」と言っている以上、話のつじつまが合わなくなること必至。当情報局も近々、再調査を予定しているが、もし「警告板」を見かけたら、ぜひ、当サイトにご一報を!

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