乗員&荷物に犠牲を強いることない優れたパッケージングの妙と独立7シートの悦楽
MotorFan / 2021年6月29日 8時0分
自由にアレンジできる独立した7シートのほか、路面に合わせてモードが切り替えられるグリップコントロールなども備える5008。状況に応じてアジャストできる可変性がもたらす適応力こそ、最大のメリットだろう。ところで、3列シートの大型SUVというコンフォータブルなイメージが先行してしまいがちだが、ドライバーズカーとしての顔も兼ねているというから侮れないというか知れば知るほど気になる存在。その5008の魅力を使い勝手の観点からチェックしてみよう。 TEXT●小林秀雄/編集部 PHOTO●中野幸次
【運転席】利便性を追求したi-Cockpit【COCKPIT】
12インチの大画面を採用したデジタルインストルメントパネルや、オーセンティックな雰囲気と直感的な操作性を両立したトグルスイッチなど、最近のプジョーらしいインターフェンスを実現。多彩なドライブモードなど、運転するのが楽しくなる仕掛けも満載だ。
また、インパネ中央に備わるセンターディスプレイや、トグルスイッチを運転席側に傾けた左右非対称デザインを採用。スイッチ類が手の届きやすいところにあって操作しやすい。小径ステアリングの上からメーターを覗き込むため、メーターの情報をステアリングのスポークに邪魔されることなく読み込むことができる。
シフトレバーには電子制御式ギヤセレクターを装備。レバー側面のスイッチを親指で押しながら、レバーを操作する。エレクトリックパーキングブレーキも装備され、エンジン停止で自動的に作動したり、パーキングブレーキ作業中にアクセルペダルを踏むと解除する機能も備わる。
余談ではあるが、編集担当は最初、シフトレバーの操作の仕方が分からなかった。まったくもって、お恥ずかし限り……。
と、そんな話は置いといて、電子制御式ギヤセレクターの左隣には小物入れを装備。ミントタブレットなどにちょうどいい大きさだが、スマートキーの置き場所として使うのも悪くなさそうだ。
【インフォテインメント&空調】スマートフォンを使った繋がる機能が便利【INFOTAINMENT&AC】
インパネ中央に装備される8インチタッチスクリーンは全車に標準装備。使用したいメニューをトグルスイッチから呼び出して使う仕組みだ。Apple CarPlayやAndroid Autoを通じて地図アプリを利用することもできるが、車載ナビゲーションも販売店オプションとして設定されている。
8インチタッチスクリーンの下部には、各メニューを呼び出すトグルスイッチが配置されている。左からオーディオ、空調、ナビゲーション、車両設定、電話接続、画像ファイルが並び、一番右にハザードスイッチが備わる。下の段には空調の内気循環や前後デフォッガーのスイッチも装備。そのほか、ドアロック、シートヒーター、オーディオの電源と音量調整ダイヤルも備わる。
【居住性と乗降性】子供には十分な広さのサードシートを装備【COMFORTABILITY&ACCESSIBILITY】
プジョーのSUVの中では最大サイズとなる5008だが、日本の道路環境で持て余す程の大きさというわけでもなく、機動性と実用性をいい塩梅でバランス。3列目席の役割をどう捉えるかが肝心だが、一家に一台のファミリカーとして優れた素質を備えている。
3列目は2列目シートを一番前にスライドした状態でようやく座れるスペース。決して我慢できないレベルではないが、現実的には子供専用、もしくは不意に乗客が増えたときの非常用と割り切る必要があるだろう。
なお、3列目シートの乗り降りは、2列目シートを前方にスライドさせてから行う。肩口に備わるレバーを引っ張ると、背もたれの前傾とシートスライドを同時に実現。狭い部分で幅が約230mmの乗降スペースを確保できる。成人でも乗り降りできるレベルだが、そもそも3列目席が広くなるので、子供が乗り降りするためと考えると十分な開口幅と言えるだろう。
【室内の収納スペース】3列目席まで収納を完備【STORAGE】
小物入れやドリンクホルダーなど、ひと通りの収納はしっかりと装備。3列目席に人が座ったときを想定し収納も用意されているなど、きめ細かな配慮を感じられる。荷室の左側には12Vのアクセサリーソケットも装備。3列目席に人が座るといも電源として活用することができる。
荷物側面の内張りは右側の方が大きく、3列目席に人が座ることを想定したアームレストとドリンクとドリンクホルダーを装備。スマートフォンを置くスリットも備わる。また、3列目席に人が座ったときに物が置けるよう、左右には小さいながらもポケット収納が用意されている。
【ラゲッジスペース】アレンジ性にも長けた7シーター【LUGGAGE COMPARTMENT】
2列目シートは3座独立での調整が可能で、3列目シートはその気になれば取り外しも可能と、フレキシブルなアレンジ性を実現。広くて使いやすいラゲッジスペースを備え、便利なハンズフリー機能付き電動テールゲートも標準装備と、機能性は抜群だ。
3列目シートの片側を外してみた状態。荷室の容量が少し増えるので、明らかに使わないと分かっていれば事前に外しておくのもいいだろう。取り外しは、シート側面にある黄色いレバーを引っ張り上げてロックを解除。赤いベルトを上に持ち上げるとシート後端が浮いた状態になるので、あとはシート全体を手前に引っこ抜くようにして行う。
なお、3列目シートの格納・展開、および取り扱い方法は、シートバック裏側のイラストにて説明されている。
「プジョーのすべて」では、史上初!? 「コクピットドリル&ユーティリティチェック(使い勝手)」3車種分の掲載! その2は「5008」
今回掲載した「5008」の使い勝手は、発売中の「プジョーのすべて」からのダイジェスト版。詳細は、ぜひ、本誌をご欄くださいませ。
取材当日は快晴に恵まれ、絶好の撮影日和! といいたいところですが、使い勝手の撮影では、実は曇り空の方が都合がいいんですよね。晴天だと明るいところと暗いところでコントラストがでてしまうため、ディフューザーを用いて光を拡散(均一化)する必要があり、その作業が結構大変で……。
取材車の「GT BlueHDi」には、メーカーオプションで「パノラミックサンルーフ」を設定。撮影終了後、編集担当はすぐには編集部には戻らず、しばしの間、「パノラミックサンルーフ」を堪能、つまり、空を見ながら“昼寝”をしてしまいました。さっきまで”グチ”っていたのも忘れて……。ちなみに、編集長には、“道路が混んでいました”とか適当なことをいって理由付けをしたのは言うまでもありません♪
てなわけで、5008にはいろんな機能や装備が満載。ぜひ、本誌「Cockpit & Utility(使い勝手チェック)」ページで、その良さをチェックしてみませんか☆
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