ガザ:「病院は負傷者であふれている」 医療物資の提供と外科治療を進める
国境なき医師団 / 2023年10月9日 12時5分
イスラエルとパレスチナ・ガザ地区の間で衝突が激化し、多数の死傷者が出ていることが報告されている。国境なき医師団(MSF)はガザにおいて、医薬品や物資を医療施設へ提供するとともに、負傷者の治療に当たっている。
物資不足に直面する病院
「病院は負傷者であふれ、医薬品も医療物資も足りません。発電機の燃料も不足している状況です」と、ガザでMSFの副コーディネーターを務めるアイメン・アル・ジャロウシャは伝える。
現在、ガザで医療スタッフが直面している課題の一つが、医療施設に患者を安全に搬送できないことだ。MSF医療コーディネーターのダーウィン・ディアズは、「救急車が空爆の被害を受け、使うことができないのです」と話す。
10月7日、イスラエル軍はガザ北部のインドネシア病院を空爆。南部のナセル病院の救急車も爆撃を受けた。これにより、看護師と救急車の運転手が死亡、数人が負傷した。それぞれ、MSFが2021年、2011年から支援してきた病院だ。
MSFはすべての紛争当事者に対し、医療インフラと医療従事者を尊重するよう求めている。治療を必要とする人びとの生命線である医療施設が標的になってはならないと、訴えている。
負傷した人びとを治療
MSFは、ガザ北部のアル・アウダ病院では外科治療と入院患者への治療に当たっている。同病院では、患者の増加が見込まれることから26床まで病床を増やした。 医療活動マネジャーのジャン・ピエールは、「状態が安定した患者さんを受け入れ、治療に当たっています。多くは、銃で撃たれて負傷した人や、爆発の破片でけがを負った人たちです」と話す。
パレスチナでのMSFの活動
MSFはパレスチナ自治区で、長年にわたる紛争の影響を受けた人びとに医療面・心理面での支援を提供している。ガザ地区では3つの病院と複数の外来診療所で活動し、やけどや外傷に苦しむ人びとに、外科治療、理学療法、心のケア、作業療法、健康教育などの包括的なケアを提供している。また、2018年から、ガザ北部で再建外科治療を行っている。
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